燃える氷

 

メタンハイドレード:5500万年前の大絶滅

プラトテレス>海の大絶滅を想像できるかい?

ソフィー>いいえ、海はずっと安定してるって「ガイア仮説」の時に言ってたじゃない。

プラトテレス>二畳紀末の海洋生物の99%が死んだ大絶滅に比べればたいしたことないが原生動物の25%が死滅したんだ。

ソフィー>原因はなんだったの?

プラトテレス>ある日突然に氷が燃えだしたんだ。

ソフィー>ありえないわ!

プラトテレス>−っと言っても本当の氷じゃない。海底にはまるで氷にしかみえないメタンハイドレードという物質が大量に沈んでいる。これは有機物がメタン細菌によって、メタン分子化されたものが、低温、高圧の環境の海底で生成されたものだ。

メタンハイドレードの中にはメタンガスの170倍も濃度の高いメタン分子が閉じこめてられている。もし海底の温度が上昇しようものならたちまち、このメタン分子が吹き出し始める。5度あがると2500ギガトンも放出される。

海底火山の爆発で温度があがったりすると、海底のメタンハイドレードが解けだすことが実際に時々あるんだ。

地質学的にこの時期に大きな火山活動があったことが記録されているが、これによって、解けだしたメタンハイドレードが温室効果を誘発して、さらに海の温度をあげていき、またまた放出を促すといった循環システムがこの時期に働いてしまったんだ。

 

ソフィー>メタンは海の中に解け出すとどうなるの?

プラトテレス>海中の酸素と結合してしまう。つまり海水の中から酸素が奪われてしまうんだ。酸欠では環境の変化に相当強い種も、ひとたまりもない。

問題はこれがまた起こりそうなことさ。この海が全くの酸欠になってしまったら?

ソフィー>そんな恐ろしいこと言わないで!

プラトテレス>森林の保護も大切だけど、海の酸素の供給もすごく大切なんだ。問題は森は目に見えるから保護しよと意識が働くけど、海中の酸素となると、保護の意識が及ばないことなんだ。

でも、メタンハイドレードは近年代替エネルギーとして注目されている。全くの悪役というわけじゃないんだ。

ソフィー>大量絶滅の原因もうまく使えば、文明の救世主。

プラトテレス>逆もまた真なり。文明の救世主も、下手に使えば、絶滅のボタンを押すことになる。

 

HOME

ご意見はparadigm@dreamドットコムまで

Amazon.co.jp のロゴ

 
|