大絶滅史

 

プラトテレス>さて今日は大絶滅をキーワードにシンポジウムを開催したいと思います。

さてみなさん絶滅と聴いてなにをお思い浮かべますか?

アルベルト>僕は恐竜の大絶滅だな。

ソフィー>私は野生動物の絶滅。

プラトテレス>みんなの意見はいずれも、外部環境によるものだね。

今回のテーマは「進化による絶滅」についてです。

ソフィー>進化による?進化が生物を殺すってこと?

プラトテレス>そうそのとうり、過去に生命はその進化の仕組み故に最後の一雫まで絶滅するような危機に何度かあっている。

最初の絶滅:

 最初の危機はほぼ二五億年ほど前、まだ我々がバクテリアの時に起こった。初期バクテリアは単純な発酵作用を利用して生きていたのだが、その発酵作用に必要な糖と酸の供給が不足し、言ってみれば食料危機に陥った。

 この危機に対して生命は、太陽の光と炭酸ガスによる炭酸同化作用によりエネルギーを取り込む方法をみつけ乗り越えた。結果、炭酸同化作用によって以前の形態よりはるかに豊富なエネルギーを利用できるようになり、危機に遭遇して生命はかえって自由を獲得できたといえる。

 第二の危機は皮肉なことに前の危機を乗り越えた炭酸同化作用が普及しすぎたことによってもたらされた。炭酸同化作用は副産物として酸素を発生させるのだが、酸素は当時の生命にとっては、生命を維持していく分子を破壊する有害物質でしかなかった。一五億年間の炭酸同化作用の結果、酸素が充満し、全ての生命が危機にさらされるほどになった。この危機に生命は非常にユニークは回答をだした。自分を危機にさらしている酸素の破壊的作用こそを利用してエネルギーを得たのである。しかもこの方法により発酵や炭酸同化作用と比べてはるかに効率的で、更に幅の広い資源を利用できることができるようになったのである。

第三の危機は一七億年前に起こった別な意味での食料危機だ。巨大化をめざすのが、当時の生命の主流であったが、細胞が大きくなると、単細胞であると直径が二倍になると表面積は二倍、体積は八倍になる。そこで二倍の速度でエネルギーを取り込まねならないため大きくなればなるほど自分を養うのが困難になってきた。この時に生命が見つけだした方法は多細胞生物だった。つまり、細胞は同じ大きさのままで、たくさんの細胞から構成され自由に大きく成れる真核生物となったのだ。

どうだろうか?原生生物のレベルはこんなもんだったんだ。

でももう少し注意してみると面白いことに気がつく。

この二五億年以来私達の細胞は危機に遭遇するたびに逆に自由を得てきた。私たちの細胞の最後の一雫までも自由をめざすようにできているのだ。

 

 

プラトテレス>これから先は環境変化による絶滅だ。

 

最大の絶滅:2億5000万年前の「二畳紀末の大絶滅」が最大になるだろう。何しろ海性生物の96%が死滅したのだから。

二畳紀 (2億8000万年前〜)-->三葉虫・フズリナ類の絶滅

 

二畳紀/三畳紀境界(古生代/中生代境界)は,顕生代(最近約6億年間)の中で最も大きな生物の大量絶滅が起こった地質時代境界です.当時生息していた生物種のうち,90%以上が絶滅したと考えられています.この絶滅の原因が何であったのか,まだ十分にはわかっていません.それは一つには,このとき堆積した地層が,これまでは世界中でも限られたところからしか見つかっていなかったためです.当時の深海底では,数百万年にもわたって,有機炭素に富んだ泥岩が堆積していたことがわかりました.ふつう深海底では,有機炭素の生産量が少ないためと,堆積速度が遅いことにより,たとえ堆積時に有機炭素がいくらか含まれていたとしても,埋没までに酸化分解されてしまうために,有機炭素が濃集することはありません.この異常な岩石の堆積と,大量絶滅との間には何か関係があったと思われます.当時の海の中で,いったい何がおきていたのでしょうか?

 

 

境界で海洋の深層が酸素の乏しい環境になった可能性を示唆します.しかし,現在までの所,

i) 海洋深層が完全に無酸素になったのか?

ii) 無酸素環境だったとして,更に深層水中に硫化水素が発生するほど強還元的な環境にまで達したのか?

iii) そうした環境は,なぜ起こったのか?

iv) そうした環境はどの位続いたのか?と言った問題は,まだ解決されていません.また,

v) こうした黒色頁岩が深海底に堆積し続ける事により,地球規模の炭素循環にどの様な変化が起こったのか?

vi) それによって,大気中の二酸化炭素濃度や酸素濃度はどう変化したのか?

vii) そうした大気組成の変化は,気候や生物の絶滅,進化にどの様な影響を及ぼしたか?といった問題も未解決のままです.

 こうした問題の解決には,定量的かつ精度の高い古海洋および陸上環境の復元と,その復元結果を具体的に説明するための物質循環モデルの構築が不可欠です.

プラトテレス>そして、6500万年前の白亜紀の恐竜大絶滅

ソフィー>それは、あまりにも有名だから説明いらないわ。

プラトテレス>そうかな?まだ、世界の誰も真相を解いたとは、言い切ってないのだよ。例えば、真犯人が「花」になるとしたら?

ソフィー>後でクリックすることにするわ。これが最後におこった絶滅でしょ?

プラトテレス>いや、その後、大きな危機は、起こっている。5000万年前にも氷が燃えだして海性生物の危機が起こったりしている。

ソフィー>氷が燃えだすですって?

プラトテレス>そう「燃える氷」があるんだ。しかもこの氷は水に浮かないで、海底に沈んでいる。ここにまとめておいたから、後でクリックして読んでおくといいよ。

これで、歴史上の大絶滅は一応終わりだ。

さてここでソフィーに一つ訊いてみよう。「次の大絶滅」しかも「人間故に」ありうる絶滅を想像してみて欲しい。

ソフィー>「人間故」の?やっぱり脳に関係するんじゃない? 

プラトテレス>そう、次の絶滅の原因は我々をここまで進化させた原因である脳によってもたらせられるかもしれない。つまりまた「進化による絶滅」がおこるかもしれないということだね。

ソフィー>別に確実にってわけじゃないんでしょ?例えば、人知によって作られた、原爆とかのことでしょ?知性は正しく使わないと、知性とはいえないわね。

プラトテレス>核による絶滅もありえないとは言い切れないが、そう言う目に見える問題なら人知によって回避できるかもしれない。

絶滅はもっと深い根から、起こるかもしれない。

ソフィー>例えば?

プラトテレス>文明そのものの原因によってとかだ。つまり、飛行機が発達することによって、今まである地域に閉じこめられていたウイルスが、世界に蔓延するとか、あるいは、遺伝子治療がとんでもない結果を招くとかだ。

 


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