コペルニクス

1473〜1543

地動説をとなえたことはあまりに有名。

 しかし彼自身は熱心なキリスト教信者であった為、自身の死の寸前までこの説を発表しなかった。

一般にキリスト教にその説は圧殺されたとされる。しかし基本原理こそは正しかったが、その予測性においては非常に粗削りで、何月何日のどこの空にどの星が輝くかといった予測はプトレマイオスの長年の天文観測と複雑周転円(円軌道上の一点を中心とした円)や離心円(地球からはなれたある点と中心にした円軌道)の予測に劣っていた。

このことが教えてくれるのは、有効なものが正しい原理を所有しているかどうかということである。

又コペルニクスは、まだ星は天幕に張り付いているというプトレマイオスの発想を抜けていなかった。

しかし星が天幕に張りついているという発想はどこからきたのであろうか?

それはアリストテレス以来コペルニクスまでは、「自然は真空を嫌う」という発想に支配されていたからである。なにもない空間などありえないと思われていたのである。つまり宇宙を想定できなかったのである。

これを最初に否定したのは、パスカルであった。ガラス官の底に水銀を溜めさかさまにすることによって底と水銀の間に真空が存在することが証明された。

宇宙を発見したのは誰かと問われれば、パスカルの真空の発見がそのスタートとなるだろう。

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