*量子色力学QCD 1954年C.N.ヤン/リチャード・ミルズ

ゲージ原理によれば、電荷のあいだの力は直接伝わってはならない。
かわりに、電気力は、空間に存在する電磁場によって伝えられなければならない。
ゲージ理論は、電荷をプラスとマイナスの2つの状態しか想定してないが、アナロジーとして電荷に3つの状態を与え、複雑な状況へと拡大も可能である。
この電荷状態をプラス、マイナスと呼ばずに仮に赤、黄、青と呼ぶ。
すると電磁場はカラフルな8つの場を描くことができる。
1954年にこの理論は提示されたが当時は量子力学が未発達で、この法則をうまく活かすことができなかった。
1971年に量子力学と結びつくにいたって、その意味するところが浮上してきた。
反対の電荷は引き合うことは誰もが知っているが、電荷の状態がプラスとマイナス以外の第3の色を取るとなると劇的な形となる。
引き合うだけでなく、離れなくのである。この特性を「閉じこめ」というが、これは、自然の中で、色粒子を観測できないことを意味する。
見ることができるのは、互いに打ち消し合った粒子の組み合わせだけである。
ここから陽子や中性子がまだ「構成要素を3つ持つ」と考えられるようになりクオーク理論が始まったのだ。
同時に素晴らしいことには、「物」の特性はすべて現実の「物」のあいだの関係を基礎としており、絶対的な意味をもたないという一般原理の直接的な現れとして理解できる。
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「187「宇宙は自ら進化した」 ダーウィンから量子重力理論へ リー・スモーリン The Life of the Cosmoc Lee Smolin 1997年(訳:野本陽代 2000 年) NHK出版