HOME 2005/01/19 8910197.doc 1 = 比較文化研究(‘05)=(TV) −若者とジェンダー− 〔主 任 講 師: 宮本 みち子(千葉大学教授)〕 全体のねらい 若者の社会的地位や役割は、文化と社会経済構造の影響を受けて、歴史的にも国や民 族によっても異な る。ポスト工業化社会では、青年期から成人期への移行が長期化し、若者が大人にな るプロセスが大き く変貌しつつある。このような現象を、世界の複数の社会にまたがって比較文化の手 法でみていくこと によって、若者のあり方がどのような文化や社会経済条件の影響を受けているのかを 検討する。また若 者とその他の世代との関係についてもみていく。 回 テーマ 内 容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
1 比較文化として の若者 若者をなぜ扱うかその意味を整理し、講義の全体像を 示す。また、青年期・ポスト青年期・成人期という用語 の検討をする。 宮本みち子 (千葉大学教 授) 宮本みち子 (千葉大学教 授)
2 人類史のなかの 「若者」1 人類史のなかで、地球上の諸社会における若者の位置 付けに関する資料は限られている。しかし19 世紀以降 の世界の民族誌にみられる若者の位置付けを概観する。 特定社会において、人間の一生の経緯として年令又は加 齢による基準を重視する社会と年令以外の基準を重視 する社会があること、同一社会でも諸状況の変容により これらの基準が変動することなどを説明する。 原 ひろ子 (放送大学教 授) 原 ひろ子 (放送大学教 授)
3 人類史のなかの 「若者」2 現在、地球上の諸社会は、何らかのかたちで国民国家 に組み込まれている。19 世紀以降、20 世紀中葉までの 産業革命・「近代化」にともなう生業の変化,学校教育 の普及、栄養状態・疾病の変化,日常生活の変化、平均 寿命の延びなどが社会における若者の生活や位置付け、 「一人前」の基準などに対してどのように影響したかを 男女比較及びジェンダーの視点を含めて考える。 同 上 同 上
4 イヌイトの 「若者」:「伝統」 時代 本多 俊和 (スチュアー トヘンリ) (放送大学 教授) 本多 俊和 (スチュアー トヘンリ) (放送大学 教授)
5 イヌイトの 「若者」:現状 カナダ北極圏に住むイヌイトの若者・青少年の生活を 通して、「伝統的」生活から「近代」への変化を、ジェ ンダーの視点を交えて考察する。 同 上 同 上
6 インドの青年像 (1) 「青年」の誕 生 インドの諸コミュニティの通過儀礼や婚姻などに言 及しながら、ジェンダーやカーストなどによって多様な 「青年期」のあり方について考える。合わせて植民地期 以降の変化にもふれる。 押川 文子 (国立民族学 博物館教授) 押川 文子 (国立民族学 博物館教授) 2005/01/19 8910197.doc 2 回 テーマ 内 容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
7 インドの青年像 (2) 独立インド から経済自由化 の時代へ 学歴競争、就職事情、留学など国際移動、結婚などを 例に、現代インドの青年たちの日常の変化を同時代の視 点から考える。 押川 文子 押川 文子
8 現代社会におけ る若者(1) 戦後日本の工業化時代に、青年期がどのようにして形 成され、「成人期への移行」のプロセスが定式化された かを、ジェンダー、社会階層、地域性をふまえてみてい く。 宮本みち子 宮本みち子
9 現代社会におけ る若者(2) ポスト工業化時代に、若者の存在がどのように変化し たのかを、ジェンダー、社会階層、地域性をふまえな がら、欧米諸国と日本を比較しながらみていく。 同 上 同 上
10 現代日本の若者 (1) 日本の若者を、高学歴化、少子・晩婚化、親への依存期 の長期化などの側面から検討し、その意味を考察する。岩上 真珠 (聖心女子 大学教授) 岩上 真珠 (聖心女子大 学教授)
11 現代日本の若者 (2) ニュー・エコノミーの進展に伴って、若者の労働分野 で、二極化が起こっている。能力を発揮し、高給をとる 若者がいる一方、フリーターと呼ばれる不安定な労働者 が大量に出現している。その実態に焦点をあてながら、 若者と仕事・労働市場の問題を検討し、夢見るフリータ ーに未来はあるかを考える。 山田 昌弘 (東京学芸 大学教授) 山田 昌弘 (東京学芸大 学教授)
12 現代イタリアの 若者 イタリアの若者の実態を、親子関係、結婚意識・行動 の変化に着目して紹介し、その社会的背景を検討すると ともに、若者のライフコースの変化が何を意味するのか 検討する。 岩上 真珠 岩上 真珠
13 若者研究の展開 社会変動が若者の成人期への移行に及ぼすインパク トと、若者の社会的地位の変化に関する研究動向を整 理・検討し、これからの研究を展望する。 宮本みち子 宮本みち子
14 若者をめぐる 社会・文化的課題 (1) 雇用問題など、現代社会がかかえる若者の問題を総括 し、それに対応する青年政策の潮流を、いくつかの国の 事例と、EU,国連レベルの動向に焦点をあててみてい く。 同 上 同 上
15 若者をめぐる 社会・文化的課題 (2) 14 回に続き、現代社会がかかえるその他の若者の問 題を総括し、それに対応する青年政策の潮流を、いくつ かの国の事例と、EU,国連レベルの動向に焦点をあて てみていく。 同 上 同 上