電磁波の影響


 心は突き詰めて言えば電気反応である。

 私達の周辺の電気がここのところ大きく変化している。地球の最初の四〇億年間、この惑星は、電気的環境はかなり単純であった。太陽からの電磁波は常に一定しており、それを乱すものは落雷ぐらいのものだった。ところがここ四〇年でテクノロジーの発達により、私達の周辺に電磁波が乱れ飛ぶようになった。

 テレビの電波、蛍光灯、デジタル時計、数万キロも空を駆け抜ける高圧線、電車のレールすら、低周波を発信している。警察や、タクシーの無線、コードレス電話、電子レンジ。今や私達をとりまく電波の密度は、太陽から届く密度の二億倍にも達している。太陽の磁気嵐が引き起こす地球磁場の乱れが、人間にどのような変化を調査した記録があるが、磁気嵐の起こる日は精神病患者の行動に変化を起こす確率が通常よりはるかに高いということだ。

 その太陽の二億倍も高い電磁波を毎日受け続けている私達にいまどんな変化が起こっているだろうか?高圧線の下の家では、自殺者がでる可能性は二二%高く、アルミニウム工場では白血病患者がでやすく、CRTの前では異常な妊娠をする可能性がはるかに高い。明らかに肉体的にも精神的にも私達は電磁波の影響を受けている。しかもそれは危険なレベルに達している。

 私達はクモの巣のように張り巡らされた電磁波にからめ取られながら、磁気に反応する繊細な心を持って生きている動物らしい。たまにはこの電磁場をのがれ、森の中などで、こうした刺激から遮断されたいものだ。

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