心のあらわれ


 あえて心を観察しようとすれば、少しは覗きこむことができる。

 「目は口ほどにものをいう」というがこれはあたっている思う。髪の毛は細胞的にはすでに死んでいる。歯や爪の同様だ。すこし疑問に思うかもしれないが、実は皮膚も死んでいる。人の細胞で外で直接接しているの実は瞳だけなのだ。瞳孔の大きさは人の興味とともに開く。瞳孔の反応が、精神活動に直接関係があるということは驚くにあたらない。目の発生を考えれば、脳の延長といえるし、その目の中を見ることは、覗き穴を通して、脳そのものの一部を見てるようなものだ。

 駅前にいる手相占い、人相占いはあてにならないが、手相学、人相学は、かなり確実なものがある。精神薄弱の子の<脳のしわ>は有名だが、実際、病院で数万人の手のデータを取り続けた結果、約三〇の病気は手で診断できるそうだ。指紋は三ヶ月から四ヶ月の胎児の時期に形成され死ぬまで消えない。ひどい火傷のあとでも、皮膚移植をしても変わることはない。しかし、意識不明の患者からは、指紋がなくなり、意識を快復すると、指紋が復活したという記録もある。中からの影響は外からの影響より強いようだ。

 逆に身体が心に影響を及ぼすこともある。心と身体は相互に乗り入れ影響しあっている。凶悪犯は、凶悪な顔をしていることがやはり多い。やましい心がそういう顔にしたのだろうか?どこで読んだか忘れたが、凶悪犯は刑期を終えても再び戻ってくることが多いが、穏和な顔に整形して、釈放するとlあまり戻ってこないという。毎日毎日鏡の中でみる自分の凶悪な顔に心まで凶悪に暗示をかけられてしまうというのだ。

 ちょっとグロテスクな話で申し訳ないが、猿の脳を半分ずつ切りとった実験記録がある。脳の左半分、または右半分を切除した猿のうち、左目だけが使えるサルは、凶暴で攻撃的だが、右目だけつかえるサルは穏和で従順になったという。人間の暇を切除するのは、いくら凶悪犯でもできないだろう故、左目を失明させたら、もっと効果があがるかもしれない。<悪魔の左目>は単なる伝説ではないようだ。

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