睡眠


 私達は普通三つの生物状態のどれかにいる。すなわち「起きてる時」の他に「眠ってる時」、そして「夢を見てる時」の三つだ。

 これにもう一つ通常では体験できないが、「催眠状態」もりっぱな生物状態のひとつだ。しかし私が体験してないせいもあって、どうも信じられないが、いろいろ見回してみると確かにあることが分かる。パブロフの条件反射PART2というのがあって、ベルをならすとよだれを流すことを覚えたイヌにエサを長い間だ与えないとイヌは硬直状態におちいってしまい、やっとエサがあたえられてもしばらく動けなくなるほどになる。これを催眠状態というのなら催眠は確実にある。

 どうやら催眠は過去の経験の感情、特に若い時期に刷り込みに近い状態で条件づけられた反射のようなものらしい。だから、催眠はよく過去にさかのばる。時には胎児にまでさかのぼる。催眠は起きてるときにもおこりうる。考えごとをしてるときに、回りの環境の変化の気がつかなかったり、ゆりかごのリズムに陶酔するもの催眠の一種だそうだ。

 催眠に近い状態に暗示というのがある。心の哀れが体に表れることは前の部でも書いたが、身近なものでは、(実体験でもある)車酔いは「自分は酔わない」とほんとに思えばほんとに抑えられるのだ。またイボはあらゆる皮膚病のなかでも心理的要因が強い。「あなたのイボは消えてなくなる」といった暗示を与えると消えてしまう医学的症例は多い。イボ祈祷師が世界の大部分にいるのは、きちんといわれがあったのだ。その他アレルギーも精神的要因が左右している場合が多く、そのうち花粉症祈祷師がもてはやされるのも時間の問題のかもしれない。

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