無意識の進化


 いろいろな焦点距離を持った望遠レンズを心の中で使うことができ、心に浮かんだ像に焦点を合わせてズームインする事ができればと思う。

 私達の無意識には途方もない量の情報が含まれている。その中身は非常にデリケートか衝撃的であるために意識の表面に出てこないのであろうか?むしろそうした過敏なものを含みながらも、減少フィルターと同じように、リアリティを自分の許容範囲に留めておくのが主な働きのようである。

 まだ意識が始まったばかりの自分の身を守るには危ういほどの自己同一性しか持たない生物にとってこの種の保護作用が必要不可欠であった時期も、進化の途上にはあったに違いない。

 しかし私達にはもはや、それほど堅固な防護手段はいらない。防壁を徐々に透明化し、無意識からもっと多くの情報を通過させてもよいのだろう。

 そこには、初期人類の痕跡があるのではなく、偉大な新しい意識性の前兆があると信じたいものだ。

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