方向感覚
バクテリアでさえ自分の進む方向性を知っている。
ある種の棒状のバクテリアは顕微鏡のなかで、何の指示もしないのにそれぞれ平行にならび、正確に北をさすことができるのだ。鳩や回遊魚は何万キロと迷うことなく旅をするこができるが、彼らの脳には天然の磁石がついている。鉄分を蓄積するフェリチンが豊富なのだ。昔の人にはこうした鳩のような地球の磁場を捕らえる能力があったようだ。キャプテン・クックが太平洋上で航路を迷ったときポリネシアの祭司に自分の島の方向を示させ、行く先を決定したという逸話がある。
この方向感覚は非常に微妙なもので、成長期に不自然な磁界におくと一生狂わされてしまう。鳥の方向感覚をダメにするのは簡単で、伝書鳩に強力な磁石のヘルメットをかぶせるとまったく役にたたなくなってしまう。
私達の知性の方向感覚も電子のスモッグに狂わされてしまったのだろうか?どんな優れた知性も方向性をなくしてはやくに立たないというのに。
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