真核生物は大きな自由を得た代わりに一つの妙な特徴をもった。これは特徴というより、業を背負ったと言った方がいいかもしれない。他の植物などの一次生命体を食らい、その上にしか自分の生命はありえないのだ。それまで、地味に光合成してきた他者を食べることのほうが、みずからエネルギーを作りだすよりはるかに効率がよかったのだ。
生物界がボタンをかけ間違えたとすればこの時だったのだろう。この手法はその後エスカレートし他の生物は当然のこと共食いすら始めてしまった。私たちが今この段階にいる生命体だということを思い知らされるときがないだろうか?
第四の危機がおとずれるとすればまさにここから始まるのだろう。人間の進化の新たなる飛躍の源泉となった脳によってもたらされた力は、今や巨大な破壊力を秘めている。この力が偏った知識により、我々自身でコントロールができなくなったとき破滅の危機に遭遇する可能性がある。
私たちは果たして破滅する前に目覚めることができるのであろうか?もし間にあわなければこの地球上での進化は、おそらく暗黒時代へと舞い戻ってしまうだろう。へたをすると生命は再び海に封じ込められ進化は3億5千万年も後退しかねない。この四度目の危機を乗り越える方法は、やはり「脳」によってもたらされるのだろう。その為には原始の時代の攻撃性を強い意志で優しさに転化しなければならない。これこそが私たちの集団的進化の次のステップとなるのだろう。
私たちの急速な発展のゆがんだ側面と、私たちが地球上の他のものに及ぼした荒廃について、もっと優しい目でみられないのだろうか?他人の事を思いやれる意識をもてるのは人間だけなのであるから。それとも巨大な爆発音がないと我々の目覚ましにはならないのか?
進化は間違いを犯す。私達以前にその何百倍もの種が過去に死滅している。化石標本は、偉大なる造物主に捨てられた、種のくず箱である。このままではいつ私達が化石ともなりかねない。種はたとえどんなにうまく適応しているようでも瞬時も休むことができない。ここじゃ、いくら走っても同じ所にいられるのがやっとなのだから。
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