循環


 風が存在しなければ、地球の大部分は誰も住めない場所になってしまう。熱帯は灼熱の地獄と化し残りの地球は凍りついてしまい、湿気は海だけに閉じ込められ、陸地には砂漠だけが延々と続くと世界となってしまう。ところが風の攪拌のおかげで、地球は真に生きた存在たりえている。

 海もまた循環に大きく寄与している。地球を三〇Cmの球体とすると海の深さはこの紙の厚み程度しかないが、海流はあまねく海を流れ、水温は常に攪拌されている。いってみればエアコンと水冷冷却装置付きの惑星、それが地球だ。

 風と海は地球という惑星の血液循環と神経であり、エネルギーと情報の分配を司って無から有をなしている。

 この循環が絶えることなくうねることを誰しも望むのであろうが、今地球は徐々に自転を遅めつつあり停止する日がすでに計算でだされている。この時、我々の叡智になにかできるのだろうか?

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