オゾン層


 水と酸素がくまなく満たされてもまだ陸は「死の世界」だった。当時は生命にとって殺人光線的な紫外線がなんの障壁もなく降り注いでいたのだ。さらにこの有害な紫外線が有害な酸素にあたり極めて有害な物質オゾンを作りだし、それが地上を満たしていた。

 オゾンも昔は地表近くに充満し、生けとし生けるもの全てを根絶やしにしていた猛毒だった。陸が生命の棲息範囲となったのは四五億年前にオゾンが酸素と喧嘩して空に昇ってからだ。

 いまではこのオゾン層により我々は有害な宇宙線から守られている訳だが、まさに毒をもって毒を征しているといった微妙なバランスの構図の中で我々は暮らしている。

 オゾン層の他にも、大気中の様々なガス層がスポンジのように、放射線を吸い取っている。しかも、このスポンジは無限に有害光線を吸い取る。大気中の元素の融合で次々と新しいスポンジがつくられているからだ。このプロセスの驚異には、まるで大気は偶然にできたのではなく、意図的につくられたもの、生物の利益になるように創造され、維持されているように思わさせられる。

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