<<第四部生物的進化の鍵>>

 ダーウィンの進化論に消されたがもう一つの進化論がある。ダーウィンの進化論を整理すると以下の通りだ

 一・生物における変化は、遺伝子の無作為な突然変異によって生じる。

 二・こうした変化は自然選択の圧力を受ける物であり、有害な変化は排除される

 三・有益な変化の継承については、遺伝の法則にのみ従うこと

のちにメンデルによって補強され今ではネオ・ダーウィニズムとされている。一言でいえば「全ては偶然である」との立場だ。

 これと戦って敗れたのがラマルクの獲得形質の遺伝理論だ。これは進化を偶然とはせずに、遺伝元の個体が環境に不便を感じたときに、次世代への遺伝子は、鋭く適応するべく反応するというものだ。つまり進化に目的性を認め、意志によってコントロールされるとした。

 学界で激しく争った結果ダーウィン派が勝利し、ラマルクの理論は真面目に生物学を志す者には禁断の領域とされ、その後今日までの一九〇年間「無知でいかがわしいい迷信」と烙印を押され続けられてた。

 ところがここ最近ネオ・ラマルキズムとして復活の兆しを見せ始めている。その象徴的な事例として引き合いに出されるのがラクダの膝のタコだ。成長したラクダの膝には、熱い砂漠でも休めるようにタコができてる。しかしやっかいなのは、ラクダは生まれた瞬間の時からこのタコがあることだ。人間の赤ん坊もまだ一度も地面を踏みしめたことがないのに、足の裏の皮膚は厚い。アリクイにいたっては、アリ塚の縞模様に自分の縞模様が一致しているばかりか、子どもがおぶさった時には、奇跡とも思えるほど縞模様がつながってどこからが子どもなのか、見分けがつかない。更に不思議なのは、子どもが成長につれて大きくなるにしたがってこの縞がずれても良さそうなものだが、おぶさる場所を移動して、常に保護模様が一致してしまう。

 こうなるとダーウィンの進化論以外にももっとなにか創造的な力が、有意義な方向へ物事を進め、発展させていると考えたくもなる。

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