ヴェイダーは、最後に皇帝がはなったパワーにより、生命維持装置を破壊されていた。

ルークは力を失った父に肩を貸し、デス・スターからの脱出へと急ぐのだった。

ヴェイダー: このマスクを脱がせてくれ。
ルーク: でも死んでしまうよ。
ヴェイダー: もはや助かる方法はない。せめて・・・最後に一度・・・この目でおまえを見させてくれ。
アナキン: さあ、行け、息子よ。私はもういい。
ルーク: だめだよ。一緒に来るんだ。こんなところへ置いていけないよ。助けるんだ。
アナキン: 既に助けてくれたよ、ルーク。おまえが正しかった。わしのことはおまえの言うとおりだった。妹にも伝えてくれ・・・おまえが正しかったと。
ルーク: 父さん。置いてはいかないよ。

物事をありのままに理解する目を曇らせせているのは、自身が善、悪、怠惰、あるいは寛容といった永遠の性格をもった独立した存在である、という考えだ。

だがルークはそう考えなかった。ルークは他の人が見たら悪そのものである父の中に善があることを見る。全ては相互作用によってなりたっているという事が分かっていた。

私たちが死を恐れるのは、自分が周囲の世界から独立した個の存在であり、死ねば、自分も滅びると信じているからだ。しかし、相互作用の目によれば、私たちは、人の心に、空気に、生けとし生けるもの全ての中に存在している。この目ができたことによりルークは死を恐れなくなり、一人デススターに乗り込むことができたのだった。


#145ダース・ベイダーの決心は、彼だけの力でなされたわけではありません。ある意味運命によってそこに辿り着いたともいえます。私たちは、原因と結果のネットワークの外にいることはできないのです。アナキンが銀河を救うには、愛する人に出会って、失って、それらのすべての条件が必要だったのです。

一見矛盾しますが、人生は、自分が誰であるかということにも支配されますが、自分の意思や行動によっても条件付けられます。だから大事なのは、わたしたちの意思や行為です。

運命に従わず、ライトセーバーをおさめたルーク。殺すことも、ダークサイドに陥ることもなく。

皇帝を失った帝国艦隊が 一時的な混乱状態に陥ると、同盟軍艦隊は第2デス・スターが破壊されるまでの時間稼ぎとして、<エグゼキューター>への集中攻撃を開始する。そしてグリーン・リーダーの乗るAウィングの特攻をもって、敵の旗艦を轟沈させたのだった。

 

また、アナキンは最期を悟ると、マスクを外し、自分の目で成長した息子の姿を確かめる。彼は息子と娘に侘びを残し、そっと息を引き取るのだった。

 

 

その直後には、ランドの<ファルコン>とウェッジのXウィングがデス・スターの中心部に達し、ランドの放った震盪ミサイルの一撃によって、主反応炉に連鎖爆発が引き起こされた。彼らは全速力で外を目指し、<ファルコン>が脱出した瞬間に、第2デス・スターは大破する。ルークもその寸前に父の亡骸を連れて脱出しており、エンドアの地表で無事に仲間と再会を果たすことができたのだった。

Endor -- Forest

 

ルークは一人、父を荼毘に臥せた。

銀河を救った英雄の孤独な死だった。それを理解したのは、ルークただひとり。

ベイダーにとって、それだけで十分だった。

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