エピソード VI / ジェダイの帰還 Episode VI: Return of the Jedi

だが、ルークの知らぬ間に、帝国軍は密かに初代デス・スターを上回る破壊力を持った新型宇宙ステーションを建造中だった。

もし、この究極兵器が完成すれば、銀河系に自由を取り戻すべく戦っている少数の反乱軍たちは、確実に一掃されてしまうだろう・・・

 

Second Death Star

森林衛星エンドアに浮かぶ建造中の第2デス・スターを、突如としてダース・ヴェイダーが訪れた。ヴェイダーは司令官のモフ・ジャジャーロッドと対談し、皇帝が工事の遅れに不快感を示していること、そして近々皇帝自らが工事を監督するため、この現場を訪れることを伝える。ジャジャーロッドは恐怖にすくみ、作業を急がせると応えるのだった。

一方、タトゥイーンではC-3POとR2-D2がルーク・スカイウォーカーの使いとしてジャバ・ザ・ハットの宮殿へと向かっていた。到着した2体のドロイドは執事のビブ・フォチューナを説得し、ジャバへの謁見に臨む。醜悪なハットと面会した彼らはルークから預かったホロ・メッセージを再生するが、その中でルークは友人ハン・ソロを返してもらうことを前提に取引をしたいと主張し、親善の証としてこのドロイドたちを贈ると申し出るのだった。だが、ジャバには取引に応じるつもりはなく、ハンもカーボナイト凍結されたままの姿で玉座の間の壁飾りとなっていたのである。

そして、3POは彼の機嫌を損ねて破壊された通訳ドロイドの後任として使われることになり、R2はジャバの自慢のセール・バージで給仕の仕事を与えられたのだった。

玉座の間で宴が開かれている最中、ブーシと名乗る小柄な賞金稼ぎがチューバッカを引き連れて入ってきた。

賞金稼ぎはさっそくウーキーに掛けられた懸賞金を求めるが、金額を巡って対立し、ついにはサーマル・デトネーターを取り出してジャバを脅迫する。ボバ・フェットをはじめとする傭兵たちが一斉に銃口を向けるなか、ハットの犯罪王は彼の度胸に感服し、賞金額の引き上げに同意するのだった。そして、チューバッカは牢獄へと連行されるが、このときの衛兵の中に変装したランド・カルリジアンが潜んでいることに誰も気づいていなかった。やがて皆が寝静まった夜、ブーシは密かに玉座の間を訪れ、ハンを復活させる。

 

 

 

一時的に視力を失ったハンは怯えるが、ブーシの正体がレイア・オーガナであることを知ると、安堵に包まれるのだった。

だが、ジャバはその一部始終を目撃していた。ハンは返済の遅れを必死に弁明するが、もはやジャバにとっては借金のことなどどうでもよく、彼はハンを投獄し、レイアには奴隷として鎖で繋ぐ栄誉を与えたのだった。

 

 

宮殿への次の訪問者はジェダイの正装に身を包んだルーク・スカイウォーカーだった。

 

ジャバは謁見を拒否するが、若きジェダイはマインド・コントロールを巧みに使い、玉座の間に姿を見せる。

 

彼はジャバの前で強気に仲間の引渡しを要求するが、邪悪なハットはそれを拒否し、ルークの死を楽しむため、彼をトラップ・ピットに落とすのだった。地下で待ち受けていたのは血に飢えた巨大なランコアである。獰猛な怪物が若きジェダイへと迫るが、ルークは冷静さを失わず、落とし扉を利用して哀れなランコアの息の根を止める。これに激怒したジャバはハンとチューイーを呼びつけ、彼らと共にルークをカークーンの大穴で処刑すると宣告するのだった。3人は久しぶりの再会を喜ぶ暇もなく、セール・バージに従うスキッフで砂丘海へと運ばれるのだった。カークーンの大穴には、餌食となった者が1,000年の苦痛を味わうというサーラックが生息しており、セール・バージの中ではジャバとその取り巻きたちが歓声を上げながら、処刑の開始を待っていた。だが、ルークは堂々とジャバに最後通牒を突きつけ、それが拒否されると予定通り反撃に打って出る。彼はR2に仕込んであったライトセイバーを手に取り、衛兵たちを次々と葬り去っていった。最強の賞金稼ぎといわれたボバ・フェットもあっけなくサーラックに飲み込まれ、大混乱に陥った船内で、ジャバもレイアに絞殺されてしまう。最後にはセール・バージも爆破され、ジャバの組織はもろくも崩れ去るのだった。英雄たちは1人の犠牲者もなく目的を達成し、ルークは再び故郷を後にしたのである。

反乱軍の仲間たちは味方の艦隊の集合地点を目指すが、ルークはヨーダとの約束を果たすため、R2を連れてダゴバへと向かう。そのころ、第2デス・スターにはついにパルパティーン皇帝を乗せたシャトルが到着していた。出迎えたヴェイダーが作業の進捗を報告するが、皇帝は既に弟子の本心を見抜いていた。ヴェイダーは息子ルークの捜索許可を求めていたのだ。だが、皇帝はルークが自ら父親を目指して現れることを予見しており、そのときこそ自分たちの手で彼をダークサイドへ転向させようと考えていたのである。

Death Star -- Docking Bay

皇帝: 立て、友よ。
ヴェイダー: デス・スターは予定通り完成いたします。
皇帝: よくやった、ヴェイダー卿。ところで、若きスカイウォーカーの捜索を続けたいと思っているようだな。
ヴェイダー: はい、マスター。
皇帝: 耐えるのだ、友よ。やがてあやつの方からそなたを求めてくるであろう。そのとき余の前へ連れてくるがよい。あやつは強くなった。フォースのダークサイドに転向させるには我らの協力が必要だ。
ヴェイダー: 御意に。
皇帝: すべては余の予見した通りに進んでおるわ。

 

 

 

Dagobah -- Yoda's Hut

ルークはダゴバで900歳を迎えたヨーダと再会する。若き弟子は修行の続きを求めるが、老師は病で衰弱しており、もはや教えることはないと告げるのだった。
 
ヨーダ: 何じゃその顔は・・・若いもんの目にはそんな年寄りに見えるのかの?
ルーク: いえ、そんなことはありません。
ヨーダ: そうじゃよ。そのとおりじゃ。病にかかった。年老いて弱ったのじゃ。900歳にもなればそう見えてもしかたあるまい。時期に安らぎを得るのじゃ。そう。永遠の安らぎじゃ。
ルーク: マスター・ヨーダ、あなたが死ぬはずはありません。
ヨーダ: フォースが強くともそれほどの強さはない。黄昏が訪れればすぐに夜になるのじゃ。それが物の道理、フォースの道じゃ。

ルーク: でも僕には助けが必要なんです。修行を終えに来たんです。
ヨーダ: もう修行は必要ないぞ、おまえにはな。必要な知識はすでに身についておる。
ルーク: では僕はジェダイなんですか。
ヨーダ: いや、まだじゃ。1つ残っておる・・・ヴェイダーじゃ。ヴェイダーと対決するのじゃ。そのとき・・・そのときこそ、ジェダイになれるのじゃ、おまえはな。対決は近いぞ。
ルーク: マスター・ヨーダ、ダース・ヴェイダーは僕の父ですか?
ヨーダ: 休むぞ、わしは。うむ。休むぞ。
ルーク: ヨーダ、教えてください。
ヨーダ: おまえの父じゃ、やつはな。やつから聞いたのか?
ルーク: はい。
ヨーダ: 思いがけないことじゃ、これはな。不幸なことじゃ。
ルーク: 真実を知ることが不幸なんですか?
ヨーダ: いや。早く会いすぎたことが不幸だったのじゃ・・・修行半ばで・・・重荷に耐える準備ができていなかったのじゃ、おまえはな。
ルーク: すみません。
ヨーダ: よいか、ジェダイの力はフォースから湧き出るのじゃ。だが忘れるな。怒り、恐れ、攻撃、それらはダークサイドじゃ。一度暗黒の道へと下ればそれは永遠におまえの運命を支配することになる。決して・・・決して皇帝の力を甘く見るでないぞ。さもなくば、父の運命と同じ苦しみを味わうことになる。わしが死ねば最後のジェダイじゃ、おまえはな。フォースはおまえの家系に強く流れておる。己の学んだことを伝えるのじゃ。もう1人・・・もう1人の・・・スカイウォーカーに。


 

しかし、ヨーダは最後の試練として彼にヴェイダーとの対決を促す。そして、偉大なジェダイ・マスターはルークの質問に対し、ヴェイダーが彼の父親であることを認めるのだった。その直後、ヨーダはルークに、皇帝の力を侮るな、そして学んだことをもう1人のスカイウォーカーに伝えよと言い残し、フォースと一体となる。戸惑うルークの前に現れたのはオビ=ワンだった。彼はかつてルークの父がヴェイダーに殺されたと説明したが、親友だったアナキン・スカイウォーカーがヴェイダーという邪悪な人格によって葬り去られたのは、彼にとって紛れもない事実だったのだ。そして、オビ=ワンはもう1人のスカイウォーカー、すなわちルークの双子の妹の存在を明かし、ルークはそれがレイアであることを直感する。彼女はヴェイダーと皇帝の目を避けるため、密かに素性を隠して育てられていたのだ。ルークは妹を守るため、父を改心させると誓うのだった。

Dagobah -- Jungle

ルーク: 僕にはできないよ、R2。1人じゃ無理だ。
オビ=ワン: ヨーダがいつもついているぞ。
ルーク: オビ=ワン。なぜ言ってくれなかったんですか?ヴェイダーが父を裏切り、殺したのだと言いましたよね。
オビ=ワン: 君の父さんはフォースのダークサイドに誘惑されたのだ。彼はアナキン・スカイウォーカーであることをやめ、ダース・ヴェイダーとなった。このとき君の父さんだった良き人は死んだのだよ。だからある視点から見れば私の言ったことは真実なのだ。
ルーク: ある視点から見ると?
オビ=ワン: ルーク、我々が固執する真実というものの多くは我々自身の視点に強く依存しているのだよ。アナキンは親友だった。初めて出会ったときは既に偉大なパイロットだった。しかし彼のとてつもないフォースの強さに驚かされたよ。私は彼にジェダイとしての訓練を与える責任を負った。ヨーダのようにうまく教えることができると思ったのだ。だが間違っていた。
ルーク: まだ父には善の心が残っているはずです。
オビ=ワン: 彼はもはや人間というよりも邪悪に歪められた機械に過ぎん。
ルーク: 戦うことはできませんよ、ベン。
オビ=ワン: 運命から逃れることはできん。もう一度ダース・ヴェイダーに立ち向かうのだ。
ルーク: 実の父を殺すことはできません。
オビ=ワン: では皇帝は既に勝利したということになるな。おまえは我々の唯一の希望だった。
ルーク: ヨーダはもう1人のことを話してました。
オビ=ワン: 彼が言ったのはおまえの双子の妹のことだよ。
ルーク: でも僕には妹はいませんよ。
オビ=ワン: 皇帝から守るため、おまえたちは生まれたときに父親のもとから隠されたのだ。アナキンの血を引く者の存在が皇帝に知れれば、それは彼にとっての脅威となるからな。だからおまえの妹は素性を隠して安全な場所で育てられたのだ。
ルーク: レイアだ。レイアが妹だ。
オビ=ワン: 鋭い洞察力を持っているな。感情は深くしまっておくのだぞ、ルーク。感情は信頼できるが、逆に皇帝に利用される可能性もあるのだ。

 

 

 

 

 

サラスト星系に集結した同盟軍艦隊では、第2デス・スター攻撃に向けての作戦会議が開かれていた。アクバー提督とメイディーン将軍によって立案された作戦の概要は、ソロ将軍率いる工作部隊がエンドアにある第2デス・スターのシールド発生装置を破壊し、その後、カルリジアン将軍の戦闘機部隊がデス・スター内部に侵入して、この究極兵器を破壊するというものだった。

Madine: 小型の帝国軍シャトルを拿捕した。輸送船を装って秘密の帝国軍コードを使用し、突撃チームが月に着陸、シールド・ジェネレータを破壊するのだ。
3PO: 危険そうですね。
レイア: 誰が指揮を執るのかしら。
Madine: ソロ将軍、突撃チームの準備はできているかな?
ハン: チームは準備万端です。でもシャトルの司令クルーがいなくてね。
ハン: 笑い事じゃないぞ。おまえには話したくなかったんだ。
ハン: では1名だ。
レイア: 将軍、私も数に入れて。
ルーク: 僕も一緒だ。
ルークがもどってきた。
レイア: どうしたの?
ルーク: またいつか聞いてよ。
ルーク: やあ、ハン、チューイー。
3PO: 「わくわくする」なんて私には選びがたい言葉だよ。

 

ハンは<ミレニアム・ファルコン>をランドに託すと、ルーク、レイア、チューバッカ、そして2体のドロイドらを従えてエンドア星系へと向かう。司令船<エグゼキューター>の艦橋から、ヴェイダーはフォースを通じて息子の存在を感じ取るが、彼はそのままシャトルを衛星へと向かわせるのだった。その後、彼は第2デス・スターへと戻り、皇帝にルークの到着を報告する。皇帝はエンドアでルークの投降を待てと命じるのだった。

 

ハンのチームはシールド発生装置を目指すが、途中、帝国軍のパトロール隊に発見され、小規模な戦闘へと発展する。ルークとレイアが本隊から離れ離れとなってしまい、やがてルークは仲間と合流を果たすが、レイアは依然として行方不明のままだった。彼女は戦闘中に気を失っており、エンドアに住むイーウォックのウィケットと遭遇していたのである。彼女は村へと招かれ、一方で、ルークたちもチューバッカの不注意からイーウォックの仕掛けた罠に掛かり、捕らえられてしまう。そして、イーウォックたちは金色に輝くC-3POを見るや、彼を神と認識し、ルークやハンを調理してもてなそうとする。捕虜となったルークたちは樹上の村でレイアと再会するが、イーウォックたちは彼女はおろか、3POの説得にも応じようとしなかった。そこでルークはフォースを使って3POを宙に浮かべ、天罰と称して彼にイーウォックたちを説得させるのだった。その後、3POがこの原始的種族に銀河系の現状を説明すると、反乱軍の英雄たちは彼らの仲間として迎え入れられたのである。

その夜、ルークはレイアと2人になり、唐突に母親のことを質問する。

彼女はおぼろげな記憶を持っていたが、ルークには母に関する記憶が一切なかった。そして、彼はレイアに真実を打ち明ける。彼女が自分の双子の妹であること、そしてヴェイダーが自分たちの実の父親であることを。兄は妹に父を改心させると約束し、村を出て行った。

Endor -- Ewok Village

レイア: ルーク、どうかしたの?
ルーク: レイア、君はお母さんのことを・・・本当のお母さんのことを覚えてるかい・・・?
レイア: ほんの少しだけね。私が幼いころに亡くなったから。
ルーク: 何を覚えてる?
レイア: ほんの雰囲気だけよ。なんとなくね。
ルーク: 教えてくれないか。
レイア: お母さんは・・・とてもきれいだったわ。優しくて・・・でも悲しそうだった。なんでそんなことを聞くの?
ルーク: 僕には母さんの記憶がないんだ。まったく覚えてないんだよ。
レイア: ルーク、教えて。何を悩んでいるの?
ルーク: ヴェイダーがここにいる。いま。この月にいるんだ。
レイア: なぜ分かるの?
ルーク: 彼の存在を感じるんだ。僕を探しに来た。彼も僕が近くにいるのを感じるんだよ。だから行かなくちゃならないんだ。ここに長くいればみんなと任務を危険にさらしてしまう。対決しなければならないんだ。
レイア: どうして?
ルーク: 僕の父さんなんだ。
レイア: あなたのお父さんですって?
ルーク: 他にもあるんだ。君にとって酷な話かもしれないけど、言わなければならない。もし僕に万が一のことがあったら、同盟軍にとって君が唯一の希望になる。
レイア: そんなこと言わないで。あなたには私に理解できない、決して手にすることができない力があるわ。
ルーク: 違うよ、レイア。君にもこの力があるんだ。いつか僕のように使い方を学ぶといい。フォースの強い家系なんだよ。父も持っている。僕も持っている。そして、僕の妹も持ってるんだ。
ルーク: そうだよ。君なんだよ、レイア。
レイア: 分かるわ。なんとなく・・・いつもそう思ってたの。
ルーク: ならば僕が彼に立ち向かわなければならない理由も分かるね。
レイア: ルーク、逃げて。遠くへ。彼があなたの存在を感じるのならここから離れるのよ。私も一緒に行くわ。
ルーク: いや、だめだ。君はいつだって強かった。
レイア: でもどうして戦わなければならないの?
ルーク: まだ善の心が残ってるからさ。感じるんだ。彼は僕を皇帝には渡さないよ。僕が父さんを救ってみせる。善の側に引き戻してみせるよ。やってみなければならないんだ。
ハン: おい、何をしてるんだ?
レイア: 何でもないわ。しばらく1人でいたいの。
ハン: 何もない?言えよ。どうした?
レイア: 言えないわ。
ハン: ルークには言えてもか?あいつになら言えるのか?
ハン: すまん。
レイア: 抱いて。

 

 

ハンが心配になって様子を見に来るが、レイアは何も告げることができず、ただ抱きしめてほしいと頼むのだった。

 

 

Endor -- Imperial Landing Platform

 
その後、バンカーと名づけられたシールド発生基地で、帝国軍に投降したルークはヴェイダーとおよそ1年ぶりの再会を果たす。ヴェイダーが息子の成長を認めると共に、ルークはヴェイダーが父親であることを認めていた。ルークは父にかつての自分を思い出させ、改心を迫るが、彼は皇帝への忠誠を強調し、ルークをマスターのもとへと連れて行くのだった。
 
Igar: 投降してきた反乱分子です。この男は否定しておりますが、まだ仲間がいるものと思われます。付近一帯の捜索を指揮する許可をお願いいたします。武器はこれだけを所持していました。
ヴェイダー: よくやった、司令官。わしに任せるがよい。捜索を指揮し、こやつの仲間を連れてくるがよい。
Igar: はい、閣下。
ヴェイダー: 皇帝がお待ちかねだぞ。
ルーク: 分かってます、父さん。
ヴェイダー: ほお、事実を受け入れたか。
ルーク: あなたがかつてアナキン・スカイウォーカーだったという事実を受け入れたんですよ、父さん。
ヴェイダー: その名前はもはやわしにとって何の意味もなさん。
ルーク: あなた自身の本当の名前ですよ。忘れているだけです。あなたにまだ善の心が残っていることも分かってる。皇帝もすべてを奪い去ることはできなかったんだ。僕を殺さなかったのもそのためでしょう。僕をすぐに皇帝へ差し出さないのもそのためです。
ヴェイダー: 新しいライトセイバーを作ったようだな。見事な出来栄えだ。皇帝が予見したとおり、確かにおまえは強くなった。
ルーク: 僕と一緒に来てください。
ヴェイダー: オビ=ワンもかつておまえと同じことを考えていた。おまえたちはダークサイドの力を知らんのだ。わしは皇帝に逆らえん。
ルーク: 僕は転向しませんよ。父さんは僕を殺すことになるでしょうね。
ヴェイダー: それが運命ならば仕方あるまい。
ルーク: 心を開いてください、父さん。そんなことできるはずがない。心の中に葛藤があるのがわかります。憎しみを捨ててください。
ヴェイダー: もはや遅いのだ、息子よ。皇帝がフォースの真の姿を示してくれるだろう。彼がおまえの師となるのだ。
ルーク: 父さんは本当に死んだな。

Death Star -- Throne Room

 

 

玉座の間でついにルークと対面したパルパティーンは、第2デス・スターの情報を同盟軍に与えたのは自分の仕掛けた罠であると告げ、ルークの怒りを誘う。2人の暗黒卿はルークに憎しみの感情を芽生えさせ、フォースのダークサイドへと誘惑しようとするのだった。

皇帝: ようこそ、若きスカイウォーカー。待ちかねていたぞ。それはもう必要あるまい。
皇帝: 衛兵ども、下がってよいぞ。
皇帝: そなたの修行を終わらせてやるのが楽しみだ。いまに余を師と呼ぶようになるだろう。
ルーク: あなたは大きな間違いを犯している。僕を父のように改心させることはできない。
皇帝: それはどうかな、我が若きジェダイよ。多くの点で間違いを犯しているのはそなたのほうであろう。
ヴェイダー: こやつのライトセイバーです。
皇帝: ほお。ジェダイの武器だな。父親のとよく似ておるわ。
皇帝: 今となっては父をダークサイドから取り戻すことは不可能だ。それはそなたとて同じことよ。
ルーク: あなたは間違っている。僕は直に死ぬ・・・あなたも一緒だ。
皇帝: もうじき行われる反乱軍艦隊の攻撃のことを申しているのであろうな。うむ・・・友人たちが攻撃してこようと、ここにいれば我らは安全だ。
ルーク: その自信過剰があなたの弱点だ。
皇帝: 友人たちへの信頼こそそなたの弱点だ。
ヴェイダー: 抵抗は無意味だ、息子よ。
皇帝: すべては余の計画にそって行われたことだ。聖なる月に降り立った友人たちは罠に足を踏み入れておる。反乱軍艦隊とて同じことだ。同盟軍にシールド・ジェネレータの位置をもたらしたのは余のしたことなのだ。気の毒な小部隊ではびくともせんわ。精鋭の1個大隊が彼らを待ちわびているのだからな。残念ながらそなたの友人たちが到着するときも偏向シールドは完全に機能していることであろう。
皇帝: 来るがいい、弟子よ。その目で見るのだ。そなたはここから同盟軍の最終的な壊滅と取るに足らない反乱の終末を見ることになるのだ。
皇帝: これがほしいのであろう?そなたの中で憎しみが膨らんでおるわ。ジェダイの武器を取るがよい。使うのだ。余は丸腰だ。余を斬れ。怒りに屈するがよい。それを達成した瞬間、そなたは世の臣下と成り果てるのだ。
ルーク: 断る。
皇帝: 避けるすべはないぞ。それがそなたの運命なのだ。父と同じように・・・そなたはもはや・・・余のものだ。

 

 

 

Battle of Endor

エンドアではハンのチームがイーウォックの案内で、守りの手薄なバンカーの裏口に到着していた。彼らは内部に侵入して爆弾をセットするが、待ち構えていた大部隊によって捕らえられてしまう。そのころ、ハンにシールド解除の望みを託したまま、同盟軍艦隊もエンドアへ向けてハイパースペースに突入していた。ハンたちは絶望の淵に立たされていたが、そのとき森の中から無数のイーウォックの戦士たちが出現し、一斉に帝国軍へと襲い掛かる。バンカー周辺は大混乱に陥り、帝国軍のAT-STとイーウォックの原始的な戦法がぶつかり合う熾烈な戦場と化したのだった。やがて上空に同盟軍艦隊が到着するが、シールドはまだ消えておらず、代わりに彼らを待っていたのはスター・デストロイヤーの大艦隊だった。アクバー提督は罠に気づくが時既に遅く、エンドアの地上と上空で、銀河の命運を賭けた大激戦が繰り広げられることになる。

 

 

皇帝はこの状況を眺めながらルークに仲間の敗北を説き、若きジェダイの怒りを煽っていた。彼はルークの怒りをさらに引き出すため、ジャジャーロッドにスーパーレーザーの使用を命じる。建造中のデス・スターから放たれた光線が一瞬にして同盟軍の艦船を蒸発させるが、彼らにもはや退路はなく、ハンが一刻も早く任務を遂げることを祈るしかなかった。だが、地上の戦いは混戦を深めており、ハンとレイアもバンカーの扉に阻まれ、成す術がなかった。その間にも上空では同盟軍が次々と大型艦を失っており、ランドは全軍を帝国艦隊の中に突入させて、デス・スターからの砲撃を阻止するのだった。皇帝は同盟軍の劣勢を尻目にルークを挑発し、彼をついに攻撃へと誘う。ルークが皇帝に光刃を振り下ろすと、ヴェイダーがそれを受け止めた。2人の衝突はそのまま戦いへと転じ、親子は皇帝の御前で最後の死闘を繰り広げるのだった。

皇帝: よろしい。攻撃的感情を使うのだ、弟子よ。体中に憎しみをたぎらせろ。
ヴェイダー: オビ=ワンもよく教えたものだ。
ルーク: 戦いたくないんだ、父さん。
ヴェイダー: 防御を外すのは愚かな行為だ。
ルーク: 心が背いているよ、父さん。父さんの中に善の心を感じる。葛藤があるんだ。
ヴェイダー: 葛藤などない。
ルーク: この前も僕を殺すことができなかった。今も僕を殺せるはずがない。
ヴェイダー: ダークサイドの力を見くびるな。戦わぬというなら死あるのみだ。
皇帝: よいぞ。よいぞ。

 

 

 

ハン: 見せてみろ。
レイア: そんなにひどくはないわ。
Trooper: 動くな!
3PO: そんな。
Trooper: 動くな。
ハン: 愛してるよ。
レイア: 分かってるわ。
Trooper: 手を上げろ。立て。
ハン: 下がってろ。
ハン: チューイーか!降りて来い。姫が負傷した。いや、待て。いい考えがある。

 

チューバッカと2人のイーウォックがAT-STを1機奪い取ったことで、森林の戦いが急展開を迎える。彼らは他のAT-STに奇襲をしかけ、またイーウォックたちの原始的な戦法も徐々に帝国軍のテクノロジーを打ち砕いていった。反乱軍は一気に優勢に立ち、ハンはついにバンカーを降伏させると、シールド発生装置の爆破に成功する。それを察知したアクバー提督も戦闘機部隊にデス・スターへの突入を命じるのだった。一方、内部ではルークとヴェイダーの戦いが続いていたが、ルークはあくまでも父を改心させたいと考えており、戦いを放棄して物陰に隠れてしまう。だが、ヴェイダーはフォースを通じてルークの心から娘の存在を知り、ルークがダークサイドを受け入れなければ妹を誘うと告げるのだった。この言葉に激怒したルークは憎しみを込めてヴェイダーを叩き、彼の腕を切断する。ヴェイダーが息子に屈服すると、皇帝はルークがダークサイドに身を任せたと判断し、彼に臣下となるよう求めるのだった。だが、ルークはそれを拒否し、ジェダイとして父の跡を継ぐと宣言したのである。

Death Star -- Throne Room

ヴェイダー: 永遠に隠れていることはできないぞ、ルーク。
ルーク: 戦いたくない。
ヴェイダー: ダークサイドに身を委ねるのだ。友人を助ける方法は他にないぞ。そうだ。心がおまえを裏切っている。彼らを案じているのだな・・・特に強く・・・妹を。そうか、双子の妹がいたのか。おまえの心は妹をも裏切ったのだ。オビ=ワンめ、娘を隠すとは小賢しい真似をしおって。だがこれですべて水の泡だ。おまえがダークサイドに転向せずとも、妹がすればよいのだ。
ルーク: させるか!

 

 

 

 

 

 

皇帝: よくやった!憎しみがそなたに力を与えたのだ。さあ、運命に従い、父の後を継いで余に仕えるがよい。
ルーク: 断る。ダークサイドには転向しない。おまえの負けさ。僕はジェダイだ。かつて父がそうであったように。

 

皇帝: それでは仕方がないな、ジェダイ。  改心せぬのなら、死んでもらうまでだ。
皇帝: 愚かな若造が。いまこそ、最期のときに思い知るがいい。
皇帝: 貴様の幼稚な技などダークサイドの力には到底およばぬわ。展望が欠如したツケを払うがよい。
ルーク: 父さん、助けて!
皇帝: さて、若きスカイウォーカーよ・・・死ぬのだ。

 

パルパティーンはダークサイドの電撃を放ち、ルークを抹殺にかかる。服従を拒むなら、脅威となる前に殺すしかない。成す術なくもがき苦しむルークに、皇帝は容赦なく暗黒の力を浴びせるのだった。

だが、父に助けを求めるルークの叫びがついにヴェイダーの善の心を動かした。

アナキン・スカイウォーカーとしてライトサイドに帰還した彼は、邪悪なダーク・マスターを抱え上げ、反応炉へと続くシャフトに放り込んだのである。

 

ルークは力を失った父に肩を貸し、デス・スターからの脱出へと急ぐのだった。

ヴェイダー: このマスクを脱がせてくれ。
ルーク: でも死んでしまうよ。
ヴェイダー: もはや助かる方法はない。せめて・・・最後に一度・・・この目でおまえを見させてくれ。
アナキン: さあ、行け、息子よ。私はもういい。
ルーク: だめだよ。一緒に来るんだ。こんなところへ置いていけないよ。助けるんだ。
アナキン: 既に助けてくれたよ、ルーク。おまえが正しかった。わしのことはおまえの言うとおりだった。妹にも伝えてくれ・・・おまえが正しかったと。
ルーク: 父さん。置いてはいかないよ。

 

皇帝を失った帝国艦隊が 一時的な混乱状態に陥ると、同盟軍艦隊は第2デス・スターが破壊されるまでの時間稼ぎとして、<エグゼキューター>への集中攻撃を開始する。そしてグリーン・リーダーの乗るAウィングの特攻をもって、敵の旗艦を轟沈させたのだった。

 

また、アナキンは最期を悟ると、マスクを外し、自分の目で成長した息子の姿を確かめる。彼は息子と娘に侘びを残し、そっと息を引き取るのだった。

 

 

その直後には、ランドの<ファルコン>とウェッジのXウィングがデス・スターの中心部に達し、ランドの放った震盪ミサイルの一撃によって、主反応炉に連鎖爆発が引き起こされた。彼らは全速力で外を目指し、<ファルコン>が脱出した瞬間に、第2デス・スターは大破する。ルークもその寸前に父の亡骸を連れて脱出しており、エンドアの地表で無事に仲間と再会を果たすことができたのだった。

Endor -- Forest

 

ルークは一人、父を荼毘に臥せた。

ハンとレイアも同盟軍の勝利を地表から見守っていた。このとき彼女はハンにルークとの関係を明かし、2人は再び愛を誓い合う。

 

3PO: やったぞ!
ハン: ルークもあの爆発の中にいたなんてことはないだろうな。
レイア: いないわ。感じるの。  
ハン: 愛してるな。そうだろ?
レイア: ええ。
ハン: そうか。分かったよ。それでいい。あいつが戻ってきたら俺は消えるよ。
レイア: そんなんじゃないのよ。彼は私の兄なの。

 

そしてその夜、反乱軍の戦士たちはイーウォックたちと共に戦いの勝利を祝っていた。銀河系の各地でも、帝国の崩壊を祝って市民が歓喜に溢れている。ルークは祝宴の傍らで、自分を見守るヨーダとオビ=ワン、そして若かりし日の父の姿を見るのだった。


番外編