*三−1 人間の備えている条件反射  

そして人間も完全に動物であるから、当然たくさんの条件反射を備えている。特に小さい頃にそれ らを身につけるが、それらによって大いに助けられている。しかし、その反面、同時にスズメの場合 のように言動を制約され、存している場合も少なくない。理由なくあるタイプの人を嫌う。ある人に は何故かわからないが、つらく当たってしまう。何かの動物が大嫌いで逃げて回る。揺れる物や乗り 物を嫌う。人込みを特に嫌う。また、無性に何かがしたくなる。無性に何かに愛着する。いつも理由 なく劣等感を感じる。すぐ怒りたくなる。などなど、我々は案外気がついてないが、 日常様々なところで、様々な形で、程度の差こそあれ、言動が、肉体や感情の反射的な動きに歪めら れ、狭められていることが少なくない。  もちろん条件反射が全て悪いわけではない。背反は用物で、我々はそれによって助けられている。 しかし、理性の行動を邪魔する物も多々あるのも事実であり、それらから自由になる道を、今探って いるわけである。

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