*二・超自然化現象

 我々の口は動物の口と同じである。例えば、この口の一日のうちに使う回数を考えてみよう。動物的に使う回数と、話すために使う場合とどちらが多いだろうか?話すほうが断然多いのではないだろうかこのことは動物としての口が<進化して人間の中に組み入れられる>と<動物の口としてだけではで きなかった素晴らしい理性的活動>に参画するようになるということである。正に<動物の口として の自然なレベル>を越えた、<理性的言語を話すという超自然的活動>と営むわけである。しかもこの超自然的活動こそが、その<第一義的に重要な本来的活動>となるのである。  これは単に口だけに限ったことではない。進化の組織化の全ての側面において、常に起こっている重要な現象である。「超自然化現家」と呼んでおこう。  

*性の超自然化   

人間において性は動物における場合と同様、動物機能を十全にはたすだけではない。むしろ<精神的愛の証をする機能>の方が主となっている。人は愛されることによって自己の存在価値を知り、自己を受け入れることが可能となり、成熟するようになる。これは人間によってもっとも需要な精神的価値である。しかも性行為は、これを二人の間で互いに可能にする最も重要な活動の一つである。まさに性のすばらしい超自然化ではないだろうか。

 

HOME

E-mailはココとクリック