*胚生過程  

 再び眼球を引き合いにだすが、眼球の進化してきた道は一つではない。 例えば、無脊堆動物である帆立貝の眼にも脊椎動物と同じ網膜、角摸、水晶体をはじめ同じ構造が存在する。

おもしろいのは共通の祖先には限はなかったのに枝分かれしたあとにあれほど複雑な結論を導き出したことだ。

 又我々の目は脳と同じ胚子から発達しているが、前口動物の軟体動物では外胚葉から直接出て、胚子の脳を介さない。生成過程が全く違っていても同じものをつくり出しているのである。

 さらに同一個体の中においてすら、違った生産過程をへて同じ器官がつくり出されることがある。 例えば、いもりのもともとの水晶体は外胚葉から形成されているが、この水晶体を切除すると虹彩から水晶体が再生される。

全く違った胚生過程をたどって同じような器官が創り出されるのだ。こうした事実は偶然的変異の説からも自然積極作用説からも説明できないだろう。  

ここでも生物の個体発生は生命の知性の存在が必要とされることを感じざるをえない。

 

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