第二節 進化・成熟せよ 退化するなかれ 成熟の五つの掟は生物の五つの掟にほかならない。

*第一の掟 自分自身を全面的に受け入れるとはどう言うことか  まず自己を「所有の領域」より「存在の領域」に身を置くことが大切である。  例えば自分が相手より良い物を持っているからと言って、優越感に浸ったり、逆の場合には劣等感 に集われたりするは自己を「所有の領域」に置いているからである。  こうした優越感や劣等感も元はと言えば<自己の価値の代用品を所有の領域に置いている>からで ある。そしてそこから極端な負けん気、悪口、嘲笑、傲慢、嫉妬をはじめ、感情の損なわれやすさ、 背伸びした虚勢、議論に勝つための真実の歪曲、自己防衛的抗弁等々、不快極まる未熟さや醜さが噴 出し、人々からは嫌われ、孤独に苦しむことになる。  これに対して自分の「存在の領域」に価値を実感している人は、安らぎの中にある。 正しい意味での自信に満ちている。他人と自分を比べる必要も、嫉妬する必要も、軽蔑する必要も感 じない。実際自分を受け入れることができる人だけが、他人を受け入れることができるのである。 そして,他人へ最大の親切は、その人を<ありのままのその人>を受け入れてあげることである。だ からそれができる人は皆から慕われる。では、自分の「存在の領域」に価値を実感するにはどうした らよいか。それは愛されることと自分の使命を知ることにある。

 

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