心の多様性

 マービン・ミンスキー

さてペンローズは彼なりのロマンティズムから、脳の働きを量子的トリックに還元されるとした。

しかし、ペンローズを上回るロマンティストがいる。それがミンスキーだ。

ミンスキー>僕の著書「心の社会」1986(The Society of Mild)では、「多様性」(multiplicity)がキー概念になっている。

Multiplicityでは、脳は異なる問題を解決するために発展した、たくさんの異なる、高度に分化して構造を含んでいるものとしている。

ソフィー>わかりやすく説明できない?

ミンスキー>「心」はたった一つのことを処理しようとしてもたくさんの回答を出してしまうんだ。だからどのアイスクリームを食べようか迷っているうちに全部溶かしてしまったりするんだ。

ソフィー>私はそこまでマヌケじゃないわ。でも迷うことはある。

ミンスキー>分化した構造とその関係から成り立っているのだから、脳が特定の一組の原理とか公理にまとめることができるかもしれないというのは夢物語に過ぎないということなんだ。

ソフィー>脳の中の構造同士の関係?

ミンスキー>そう、それから外部との関係も含めてね。外部ってのは現実で世界のことだ。この現実の世界は、決して公理によって定義されている数学的世界ではない。

だから人工知能も「物理学的羨望」から解決しようとしても絶対にうまくいかない。

 

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