1977年 |
量子2元論 |
エックルス |
「心身問題」(mind-body problem)は古くから哲学の命題で、心と身体の関係を以下の3種に分けられる。
「唯心論」:全ては心の幻想で、バーチャルリアリティーのようなものだとするもの
「唯物論」:心こそ幻想であり、全ては物理的に説明できるとするもの。
「心身二元論」:心と身体は別々に存在するとする
現代では「心脳問題」(mind-brain problem)として哲学から科学に引き継がれている。
さて科学に引き継がれたとして、この問題は解決できるのだろうか?
とんでもない、以前にもまして混沌の様相を深めてきている。
プラトテレス>現代科学で心脳問題を展開するのは次の科学者達だ。
唯物論:「心と物質的な基盤に依存する」クリックとエーデルマン
二元論:「物質的な基盤と無関係に心が存在する。」
カール・ホパーは「自由意志は我々の味方である。心は、脳と身体によって企てられる思考や行動の成り行きを選ぶことが出来る。」とした。プラトテレス>これに1930年ぐらいから量子力学がこの分野に導入され「量子二元論」が展開されると、その混沌は頂点に達した。
ソフィー>デカルトの「思推するもの」と「延長されたもの」の復活かしら?でも心が物理的存在でないのなら、心はどうやって脳に物理的変化をもたらすの?
エックルス>脳の神経細胞は、帯電した分子、つまりイオンがシナプスに集まって発火する仕組みになっている。でもイオンが一定量あれば、必ずニューロンが発火するとは限らないんだ。
その訳を僕は、イオンが少なくとのちょっとの間、量子的な重ね合わせの状態に存在しているんだと思う。
心がどのニューロンを発火させ、どれを発火させないかを「決定」して、脳に物理的は変化をもたらすというわけだ。
ソフィー>でもエネルギー保存の法則に反しない?
エックルス>それはよく指摘される。でも、僕の考えはこうだ。確率が脳全体で保存されている限り、こうした自由意志を働かせてもエネルギー保存の法則に反しない。
ソフィー>証拠はあるの?
エックルス>残念ながら全くない!でもこの理論で唯物論や同一説、行動主義、論理実証主義のすべてを葬り去るとこができる。
プラトテレス>ところが1998年にロジャー・ペンローズによってその証拠となるかもしれない
量子脳理論が提出されたんだ。
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