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=物質の世界−化学入門(‘02)=(TV)
〔主任講師: 平川暁子(放送大学名誉教授)〕
〔主任講師: 濱田嘉昭(放送大学教授)〕
全体のねらい
自然界は物質で構成されており、私たちの身のまわりで起こる現象は物質の性質と変化によるものである。現在と未来の
生活の安全と豊かさについて考えるとき、物質についての基礎知識は不可欠である。本科目では物質の世界の基本的な事項
を化学の体系としてわかりやすく解説し、自然環境と技術開発の問題についても考える。
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
1 物質の世界
一般に「物質は原子や分子からできている」と説明されて
いるが、実際に手に触れる物質と原子・分子との関係は自明
ではない。それが解明されるに至った過程を説明し、生活の
中で、物質について正しい理解をもつことの大切さを示す。
平川暁子
(放送大学名
誉教授)
濱田嘉昭
(放送大学教
授)
平川暁子
(放送大学名
誉教授)
濱田嘉昭
(放送大学教
授)
2 原子と分子
物質を理解するには、その構成要素である原子・分子の特
性と、それらを正確に記述する科学の言葉を知ることが必要
である。この回では、原子・分子の基本的事項を解説し、そ
の化学的表現に慣れることによって、物質の理解が深まるよ
うに平易に説明する。
同上同上
3 化学結合と分子の
構造
自然界にある多種類の物質は原子間の化学結合によってで
きる。化学結合の種類と、各結合によってできた物質の特徴
を説明する。また、分子の形や性質と化学結合との関係を、
模型やCGを使ってわかりやすく説明する。
同上同上
4 物質の変化( 1 )
: 状態変化
物質の多様性は、分子の種類の多様性だけでなく物質が変
化することによって現れる。この回では、状態変化を日常の
経験と関連させて説明し、物質により状態変化に違いがある
こと、その理由は分子の運動や分子間力の違いによることを
示して、物質の多様性の統一的な理解をはかる。
同上同上
5 物質の変化( 2 )
: 化学変化
化学変化について日常の経験と関連させて説明し、化学反
応の本質とその法則を理解する。化学反応が起こるときの、
物質の量の関係・熱量の関係などを理解することが、生活の
中でも重要であることを示し、物質の定量的な取り扱いにつ
いて説明する。
同上同上
6 物質の混合
自然界が多様性を示す原因の一つは混合である。物質は原
子・分子の集団であり、組成の種類・数・混合状態によって
新たな性質が現れること、混合の不可逆性などを実例によっ
て示す。濃度の正しい取り扱いは日常でも重要であり、それ
に慣れるように説明する。
同上同上
7 水溶液と酸・塩基
自然界で最も多い混合物は水溶液である。水溶液の特性は
生物の生存にも重要な役割をしている。水素イオン濃度(p
H)・酸・塩基など日常でもよく使われる言葉の意味を、化学
的に正しく理解できるように、わかりやすく説明する。
同上同上
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回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
8 酸化と還元
化学反応は結合の組み替えであり、その際には、電子の授
受が起こる。見かけが違っていてもほとんどすべての反応は、
酸化反応と還元反応として説明される。有機物の燃焼も、金
属の酸による溶解も、電池の電圧も、電子の動きで統一的に
説明できることを示す。
平川暁子
濱田嘉昭
平川暁子
濱田嘉昭
9 有機化合物
有機化合物は種類も多く、生命に関係する物質として重要
である。この回では、有機化合物の特徴を総合的に説明し、
多種類の有機化合物が存在する理由・特異な機能を示す理由
を化学結合の視点から説明して、身近な有機物質の理解を深
めることをめざす。
同上同上
10 化合物の反応
化学変化にはどのような種類があるか、反応はどのように
起こるか、どのように進むか、どのような条件でどこまで進
むか、どのくらいの速さで進むか等、反応には多くの要素が
関係していることを説明し、生活・産業の中での反応の工夫
を、具体例をあげて説明する。
同上同上
11 物質とエネルギー
熱・光・電気など各種のエネルギーに応じて物質は独自の
性質を示し変化する。反応による熱の放出・吸収、物質の色、
光による分解、電気分解などは、エネルギーを伴う物質の現
象である。物質とエネルギーとの関係を、実例をあげながら
その本質について説明する。
同上同上
12 材料の化学−
新しい物質をつくる
古来、エネルギーと化学反応の利用が人間の暮らし方を変
えてきた。動力機関の発明、色素の合成、肥料の合成、高分
子物質の合成など、近代だけでも多くの例がある。現代では
優れた機能を持つ物質を予測し作り出す試みが行われてお
り、その実例を紹介する。
同上同上
13 生命と化学
生命現象は、生物体を構成しているタンパク質・核酸・脂
質・炭化水素等の生体分子の有機的な相互作用である。この
回では、生体分子の性質や反応の特徴について紹介し、生命
の営みの不思議について考えてみる。
同上同上
14 物質循環と地球
環境
地球上の物質は、空間的にも時間的にも絶えず変化と循環
を繰り返している。物質と人間とのかかわりにおいては、物
質が資源として存在するか、環境破壊物質として存在するか
が重要な問題であることを示し、物質への関心を深める。
同上同上
15 物質の不思議
物質の世界は科学的に解き明かされてきたが、ミクロの原
子分子が集まってマクロの物質ができる際の現象には、まだ
不明な点も多い。この回では、本科目で学んだ物質の科学に
ついて復習しながら、未解決の課題と将来の展望について考
えることとする。
同上同上