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2004/11/05
1859242.doc 1
=ヨーロッパの歴史(‘05)=(TV)
〔主任講師:江川温(大阪大学大学院教授)〕
全体のねらい
17
世紀までのヨーロッパ世界(西ヨーロッパ世界および正教世界)の歴史を講義する。総合的な概説
としてヨーロッパ文化の基層への理解を深めることが第一の目標である。しかしこれと並んで、現在研
究者が関心を寄せる問題を平明に解説し、西洋史学の持つ魅力を伝えることをもうひとつの目標とす
る。
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
1
ヨーロッパの風土
と人々
まず地理的概念としてのヨーロッパを確認し、そこに見ら
れる多様な風土を描く。ついでヨーロッパについて文化圏と
してのまとまりと多様性を、都市景観、宗教、住民の身体的
特徴、言語などから説明する。
江川温
(大阪大学大
学院教授)
江川温
(大阪大学大
学院教授)
2
ゲルマン民族大移
動とローマ・カトリ
ック圏の形成
まずローマ帝国全盛期のヨーロッパ地域の状況を説明し、
ついで諸民族の大移動と建国、西ヨーロッパ文化圏形成期の
ヘゲモニーを握ったローマ教皇権の形成と、カトリック・キ
リスト教の西ヨーロッパ拡大について考える。
同上
同上
3
ビザンツ帝国の発
展と正教世界の形
成
7世紀以降,ビザンツ帝国が西方カトリック教会とたもとを
分かちつつ,周辺のスラブ諸族・諸国家に正教のキリスト教
を広め,10
世紀末にかけてコンスタンティノープルを中心と
した独自の世界を形成するプロセスをたどる。
中谷功治
(関西学院大
学教授)
中谷功治
(関西学院大
学教授)
4
フランク王国・外民
族侵入・西欧諸国の
誕生
ここでは西ヨーロッパにおける諸王国と王権の原型形成につ
いて考察する。最初に諸王国のモデルとなったフランク王国
の盛衰について解説し、ついで外民族侵入時代を経て西ヨー
ロッパ諸国の原型が形成される過程を説明する。
江川温
江川温
5
西欧中世の社会
(1)農民と領主
ここから3回は中世末期までを見通した中世社会の概観で
ある。まず農民と領主を取り上げ、領主権力の発展、農業と
村の発展、領主たちの種別と社会生活、中世末期における領
主制の動揺と再編について説明する。
同上
同上
6
西欧中世の社会
(2)都市と商工業
中世都市について今世紀に起きたパラダイム転換をふま
え、まず中世前期の都市と商工業について触れ、ついで中世
盛期、末期について商工業の展開と都市発展を考察し、さら
に都市社会の特質に触れる。
同上
同上
7
西欧中世の社会
(3)カトリック教
会と信徒
まずカトリック教会組織と一般信徒に対する管理体制を概観
し、ついで中世人のキリスト教信仰の実態に迫る。民間信仰
との関係、民衆の宗教運動と異端、中世末期の信仰のありか
たなどが議論の焦点となる。
同上
同上
2004/11/05
1859242.doc 2
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
8
西欧世界の拡大中世盛期、末期の西ヨーロッパ世界の膨張を、聖地十字軍と
東地中海での覇権、北方十字軍とバルト海沿岸地域への進出、
レコンキスタなどに絡めて説明する。そして14,15
世紀の西
ユーラシアの動向の中に西ヨーロッパ世界を位置づける。
江川温
江川温
9
西欧諸国の成長と
教皇権の動揺
まず中世盛期・末期における王国や領邦の統治システムの成
長を考察する。各国の政治史の細かい説明は省き、原理に関
わる問題を考察の中心とする。そしてこのような発展の中で、
教皇庁の威信が低下していったことを説明する。
同上
同上
10
西欧中世文化とイ
タリア・ルネサンス
中世の文化をとりあげる。まず中世前期の学問、12
世紀ルネ
サンスと中世後期の学問、中世前期から末期までの文学と造
形芸術を概観する。そして14,15
世紀のイタリア・ルネサン
スについて、中世文化との関係を基軸に考察する。
同上
同上
11
ビザンツ帝国の衰
亡と正教世界の分
断
11 世紀末以降におけるビザンツ帝国の衰退は,周辺の正教諸
国には独自の繁栄の時代を招来させることになったが,15
世
紀以後になるとオスマン帝国の急速な勢力拡大によって東方
の正教世界は分裂の時代を迎えることになる。
中谷功治中谷功治
12
西欧の宗教改革と
宗派体制
16世紀に勃発した宗教改革は、キリスト教世界の一体性を
崩し、その後の政治・社会の秩序を左右する要素となった。
ここでは、プロテスタントの諸勢力とそれに対抗したカトリ
ック改革派の運動の流れを考察する。
阿河雄二郎
(関西学院大
学教授)
阿河雄二郎
(関西学院大
学教授)
13
西欧の近世国家と
国家系
近世には、「世界帝国」が機能しなくなる反面、領邦という
枠組を超えて、より大きなまとまりをもつ国家群が成立した。
「国王と臣民」という支配関係をもとに構築された初期的な
主権国家の発展過程を辿りたい。
同上
同上
14
大航海時代と世界
経済
コロンブスによる新大陸の発見以後、ヨーロッパ諸国はア
ジア、アメリカに植民地を広げた。ウォーラーステインが提
起する「世界システム」論をふまえ、世界の中核をめざす列
強のヘゲモニー抗争のさまを概観する。
同上
同上
15
エリート文化と民
衆文化
近世社会の展開とともに、知的で洗練された文化を求めるエ
リートと伝統的な文化に固執する民衆との間に亀裂が生じ
た。その過程を、両者の二項対立的な図式で捉えるミュシャ
ンブレドの研究を通して検証する。
同上
同上