HOME - 1 - =技術の分析と創造(‘02)=(TV 〔主任講師: 赤木昭夫(元放送大学教授)〕 〔主任講師: 槌屋治紀(システム技術研究所所長)〕 全体のねらい 経験の蓄積と交流(クロスファータライゼーション)と、発想(あるものを別なものに読み替える)と、予測のための計 量(アカウンティングとシミュレーション)の3つの側面から、技術の変革の過程でエンジニアリング・センスはいかに発 揮されてきたか、またいかに発揮されるべきか、具体的事例によって学ぶ。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
1
鉛筆ができるまで: 黒鉛と粘土の混合物を焼成してつくる芯を木片ではさみ、 それに塗装をほどこすことで鉛筆は生産される。その過程を 追いかけながら、蓄積された経験と発想を浮き彫りにし、筆 記具としていかに優れた性能をもっているか、そして技能と 技術への着眼点は何かをつかむ。 赤木昭夫 (元放送大学 教授) 赤木昭夫 (元放送大学 教授)
2
金型の設計: 身辺のどんな道具をとってみても、材料が金属でもプラス ティクでも、それが大量生産品であるかぎり、型に材料をプ レスすることによって作られている。その型が金型(かなが た)で、大量生産を支える重要な役割をになっている。その 仕組みを知る。 同上同上
3
金型の製作: ひとつの金型で何百万個という製品をプレスするため、金 型は固い特殊鋼を機械で削ってつくる。この回では放電加工 機を中心に、許容誤差をミクロン単位におさめるには、機械 によってどこまでが可能で、最後にどんな人の手が必要かを 見る。 同上同上
4
工作機械の精度と 効率: 加工対象よりも加工する機械のほうが、より精密につくら れていなければならない。たとえば面を削りだすフライス盤 の水平度はどれほどか。それを高めるため設計にどんな配慮 がされているか。それをどうやって実際の工作機械につくり こむか。機械の限界を克服するソフトウエアの役割は? 同上同上
5
熟練の変容と保存: 4回にわたって見てきた物作りの過程をふりかえりつつ、 熟練がどこまで自動機械によって置き換えられてきたか、そ れにともなって求められる熟練の中身がどのように変わって きたか、伝統工芸の熟練と共通な点があるのか、熟練をどう 保存するかなどを考察する。 同上同上 6 システム: 時計 「物作り」の第一部につづいて、第二部では、技術を「エ レメントとシステム」の観点から見る。この回では、歯車式 の機械時計が発明された過程を推定するため、そのメカニズ ムを分析し、時計というシステムを構成するエレメントの源 をたどることを試みる。 同上同上
7
システム:コンピュ ータ: 技術の進歩を分析すると,革命的な原理の発明と原理を活 かすための部分的改良、この二つの過程のからみあいである ことがわかる。意外かもしれないが、最初に実用化された電 子計算機ENIACは、17 世紀のパスカルの計算機や20 世紀 前半の微分解析機に共通の原理を活かし、改良したものだっ た。 同上同上 - 2 - 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
8
飛行翼の発明: 飛行機の翼は、鳥の翼にヒントを得て発明されたのか。そ れとも凧(たこ)を発展させる形で発明されたのか。実用的 な翼の発明となると、後者のほうを重視しなければならない。 翼が空中に浮かぶ原理をもとに、ライト兄弟の凧の実験の意 義を知る。 赤木昭夫赤木昭夫
9
ライト兄弟の成功: 凧による実験のあと、無人そして有人のグライダーによる 実験をかさねたライト兄弟は、翼によって生ずる揚力と抗力 の測定データに誤りがあることに気づき、正しいデータを得 るため風洞実験に取り組んだ。その測定方法は、実に目覚ま しいものであった。それによって彼らは大きく前進すること ができた。 同上同上
10
飛行性能と制御: 主翼と尾翼とガソリンエンジンを組み合わせて初めて彼ら が有人動力飛行に成功した。その理由は、エレメントの機能 を分析した上で、それらを組み合わせたときシステム全体と してどのように働くのかを徹底的に実験し、飛行機を安定さ せる制御方法を発明したからである。 同上同上
11
電子出版:情報化と 環境: この回から始まる第三部では、「エネルギーと環境を念頭 においた技術の未来像」を探る。手始めとして、郵便とファ ックス、紙による印刷と電子出版、これらのエネルギー消費 を比較して、環境への影響に配慮した情報化のあり方を検討 する。 槌屋治紀 (システム技 術研究所所 長) 槌屋治紀 (システム技 術研究所所 長)
12
太陽電池の可能性: 学習の過程は、最初伸びがゆるやかだが、やがて急速な進 歩を示し、一般に累積生産量とコストの関係で表される。そ れを太陽電池の技術予測に応用し、研究開発と大量生産によ り、いつごろどれくらいコストが安くなるかを推定し、エネ ルギー政策の立案に役立てることができる。 同上同上
13
車のライフサイクル: 生産、使用、廃棄まで車の一生(ライフサイクル)に必要な エネルギーの総量を計算して、ガソリン車、電気自動車、ハ イブリッド車、燃料電池車のなかで、未来の車にふさわしい 形式はどれか、また車体の軽量化はどこまで可能かなどを分 析する。 同上同上
14
世界の資源収支表: 人類はどれほどの資源とエネルギーを消費し、どれほどの 廃棄物を出しているか、それが人口の増加と生活水準の向上 によってどのような規模になるか。それを収支表にまとめて、 将来の資源と環境について、シミュレーションを試みる。 同上同上
15
エンジニアリン グ・センス: シリーズのまとめ。技術にとって個々の発明と改良も重要 であるが、それを活かす上で、ますます重要になってくるの がテクノロジー・アセスメント(技術評価)である。技術が もたらす影響をどう評価するのかのプロセスを紹介し、これ からのエンジニアリングに必要なセンスと市民の役割は何か を検討する。 赤木昭夫 槌屋治紀 赤木昭夫 槌屋治紀