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2004/11/05
1668013.doc 1
=光と電磁場(‘05)=(TV)
〔主任講師:中山正敏( 放送大学教授) 〕
〔主任講師:櫻井捷海(東京大学名誉教授) 〕
全体のねらい
現代文明は、光、電波、電流、磁気などによって支えられている。光は実は電気と磁気の波、すなわ
ち電磁波の一種である。本講義では、光や電磁気現象を電場と磁場という2
種類の場と、その基本法則
によって理解することを目指す。身近な例から出発して電磁場のイメージを作り、さまざまな現象や応
用例を体系的に説明する。
回テーマ内容
執筆担当
講師名
( 所属・職名)
放送担当
講師名
( 所属・職名)
1
現代社会と電磁気
学:
現代の豊かな高度情報化社会は、電磁気学と物性物理
学の成果である電機技術・電子技術・コンピューター技
術の上に成り立っている、と言っても過言ではないであ
ろう。動力・輸送機関と情報・通信の発達史の視点から
電磁気学の歴史をひも解いてみよう。この章では、電磁
力、電気エネルギー、電波、光がわれわれの生活を支え
ていることを学ぶ。
櫻井捷海
(東京大学名
誉教授)
櫻井捷海
(東京大学名
誉教授)
2
波の性質:
光や電波などを波として捉える準備として、波の一般
的な性質を学ぶ。水面波を例として、波と振動の関係、
位相、正弦波を説明する。波の重ね合わせの原理、干渉、
回折格子について述べる。波の伝播についてのホイヘン
スの原理を紹介する。
中山正敏
(放送大学教
授)
中山正敏
(放送大学教
授)
3
光の波:
CDが色づいて見えることから、光が波であることを
理解する。回折格子により、光の色と波長の関係を知る。
光の伝播について、光線の意味を知り、光線の直進、反
射、屈折の諸法則をホイヘンスの原理によって説明する。
レンズの原理と簡単な応用について述べる。
同上
同上
4
電波と光:
はじめに電気振動を持続的に発生させる発振器につい
て考える。アンテナを流れる振動電流からどのように電
波が放射されるかについて定性的に説明する。原子のエ
ネルギー準位ついて簡単に説明した後、原子からの発光
やレーザーについても初歩的な説明を行う。
櫻井捷海
櫻井捷海
5
電荷と電場:
静電気現象の基本概念を説明する。電荷間のクーロン
力と、それを媒介する電場について述べる。電場を電気
力線で表わし、それがガウスの法則にしたがうことを示
す。ガウスの法則から、対称性のよい場合の電場を計算
する。
中山正敏
波田野彰
(東京大学元
教授)
6
電位と電気エネル
ギー:
静電気現象を、エネルギーの観点から考える。電気力
のなす仕事は、電位を用いて表わされる。電位と電場の
関係を説明する。応用として、導体の静電誘導、コンデ
ンサーについて述べる。静電気エネルギーが、電場によ
って担われていることを示す。
同上
同上
2004/11/05
1668013.doc 2
回テーマ内容
執筆担当
講師名
( 所属・職名)
放送担当
講師名
( 所属・職名)
7
誘電体と電場:
不導体である誘電体と電気現象の関係を述べる。微視
的な電気双極子の集まりによる巨視的な電場が、分極電
荷を用いて表わされることを説明する。電気分極の場、
電束密度の場を導入し、それを用いて誘電体がある場合
のガウスの法則を表わす。
中山正敏
波田野彰
8
電流:
電流は電荷粒子の流れであることを説明する。オーム
の法則について述べる。ジュール熱、電池の起電力を、
エネルギーの転換過程として説明する。空間に分布して
いる電流を、電流密度の場で表わす。電荷の保存則から、
電流密度の場の形が決まる場合があることを示す。
同上
同上
9
磁石と磁場:
磁石による静磁気現象について述べる。磁石は単独の
磁荷に分けられず、磁気双極子が要素となる。磁気のク
ーロンの法則、ガウスの法則が成立ち、誘電体の場合と
平行した記述ができる。磁束線は源を持たず、閉曲線と
してのみ存在することを示す。
同上
同上
10
電流と磁場:
運動している荷電粒子は磁場から力(ローレンツの磁気
力)を受けることから電流に働く力を導く。磁気力を用
いた機械・器機について説明する。電流と磁場とを結ぶ
「ビオ・サバールの法則」、「アンペールの法則」を導
く。
櫻井捷海
櫻井捷海
11
電磁誘導:
コイルを貫く磁束が時間的に変化すると、電磁誘導によ
りコイルに起電力が生ずる。このファラデーの電磁誘導
の法則を数学的に表現する。電磁誘導を用いた器機・機
械について説明する。コイルの自己インダクタンス、コ
イル流れる電流が蓄えるエネルギーや磁場のエネルギー
についても触れる。
同上
同上
12
ベクトル解析と
静電磁場の法則の
微分形:
はじめにベクトル解析について説明する。これまでに電
磁場の法則を積分形式で説明してきた。同じ法則を各点
での場の微分量の関係として記述できると、接近作用の
立場からより理解が深まる。手始めとして、静電磁場の
場合を考える。
同上
同上
13
マクスウェル方程
式の導出:
ポアソン方程式を解く。また、ベクトルポテンシャルを
導入し、それについて考えてみる。変位電流の導入によ
り拡張されたアンペールの法則の微分形式を説明し、こ
れまで述べてきた電磁場の法則をマクスウェル方程式と
してまとめる。
同上
同上
14
マクスウェル方程
式と電磁場:
波が伝わる様を記述した波動方程式について調べたあと
で、マクスウェル方程式から電磁波の波動方程式を導く。
導かれた波動方程式を解くとき必要な境界条件や電磁波
の反射、屈折などにも触れる。
同上
同上
2004/11/05
1668013.doc 3
回テーマ内容
執筆担当
講師名
( 所属・職名)
放送担当
講師名
( 所属・職名)
15
電磁波の発生と
検出:
電磁場のエネルギーの流れを表すポインティングベクト
ルを導入する。時間変化のある電流や電荷が波源となっ
て電磁場が発生・伝搬することをマクスウェル方程式か
ら波源のある波動方程式とその遅延ポテンシャルの解を
導き出すことによって示す。電磁波の伝搬やケーブル中
の電気信号の伝搬についても考える。
櫻井捷海
櫻井捷海