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2004/11/08 1130315.doc
科目名実験科学の方法(02) 1
=実験科学の方法(‘02)=(TV)
〔主任講師: 濱田嘉昭(放送大学教授)〕
〔主任講師: 菊山宗弘(新潟大学教授)〕
全体のねらい
自然科学では自然界に起こる様々な現象を分類・整理し、これらの現象を支配する法則を明らかにしようとすると共に、
現象を予測し、場合によれば新たな現象を作り上げようとする。このためには、実験と観察、論理が必要である。自然科学
には物理学、化学、生物学など様々な分野があるが、自然科学としての基本的な考え方などは共通している。この講義では、
様々な自然科学に共通する考え方、手法を学ぶと共に、自然科学の学習の進め方に役立てようとする。
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
1 自然科学の構造
自然科学はどのようにして発展して来たのか、現状はどう
であるかなどを概観する。次に自然現象の現れ方の特徴とそ
れに見合う探求の方法についてまとめる。最後に自然科学の
諸分野とそれらの相互関係を検討し、自然科学の学び方につ
いても言及する。
濱田嘉昭
(放送大学教
授)
菊山宗弘
(新潟大学教
授)
濱田嘉昭
(放送大学教
授)
菊山宗弘
(新潟大学教
授)
2 自然科学における
観察と実験
自然科学は自然現象を観察や実験をとおして理解しようと
するものである。正しい観察や実験を行うにはどのような手
順を踏むべきかを考える。事実としての自然現象、理解する
ための観察や実験結果との関連、一般化としての概念や法則
について考えてみる。
菊山宗弘
濱田嘉昭
菊山宗弘
濱田嘉昭
3 自然科学の言葉と
表現:単位と標準
様々な分野の研究結果を伝達し、知識を共有するためには
「共通語」が必要となる。このため各種の物理量には、その
物理量の意味や基準が厳密に定義されている。この章では定
義や基準・標準について解説する。
濱田嘉昭
菊山宗弘
濱田嘉昭
菊山宗弘
4 自然科学の戦略:
分析と統合
様々な現象に対する実験や観察によって得られた結果を分
類・整理することによって、その結果の中に含まれる意味を
汲み取り、現象を引き起こす原因を抽出することができる。
さらにその原因を、その実験だけに固有のものとするのでは
なく、可能な限り一般的な法則としてまとめることが大切で
ある。分析と統合の関係、そのプロセスを解説する。
菊山宗弘
濱田嘉昭
菊山宗弘
濱田嘉昭
5 目に見える現象
力学的現象、生物の織り成す世界などは目に見える形で観
察できるものが多い。したがって伝統的に蓄積されてきた知
識の体系を作っている。これらの分野の現象の特徴と観察・
実験の組み方、結果のまとめ方、法則化に至る過程を可能な
かぎり具体的な例を挙げて解説する。目に見える現象の裏に
目に見えないミクロの過程があることを同時に理解する。
同上同上
6 目に見えない現象
素粒子、原子や分子などのミクロの物質は目で見ることは
できない。これらの物質が関係する現象の特徴と観察・実験
の組み方、結果のまとめ方、法則化に至る過程を可能なかぎ
り具体的な例を挙げて解説する。目に見えないミクロの過程
は、マクロの物質の現象として現れる場合があることを同時
に理解する。
濱田嘉昭
菊山宗弘
濱田嘉昭
菊山宗弘
2004/11/08 1130315.doc
科目名実験科学の方法(02) 2
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
7 自然現象に働きか
ける
われわれは自然現象の起こる原因を知るために観察や実験
を行う。実験に際しては、何らかの形で対象に働きかけその
応答を見る。このとき、対象に及ぼす影響を可能な限り小さ
くするという方法と、激しく働きかけることによって現象の
裏に潜んでいた実体を顕わにする方法がある。それぞれの意
味と実例を解説する。
菊山宗弘
濱田嘉昭
菊山宗弘
濱田嘉昭
8 自然現象を見る目
を研ぎ澄ます
自然現象が発する信号を謙虚に見つめることは必要である
が、信号を受け止める感度と範囲を広げる努力も重要である。
また測定の方法によっては、同一の現象も異なった様相を示
す場合がある。この章では実際に測定をするときの技術的な
問題とともに、何を観測しているのかを熟知しておくことの
重要性を解説する。
濱田嘉昭
菊山宗弘
濱田嘉昭
菊山宗弘
9 自然現象の美しさ
を知る
自然現象に関する実験や観察による事実をそのままメモや
文章として記述しただけでは、分析や考察の対象とはならな
い。実験・観察データの中に含まれる規則性や原因を抽出す
るにはグラフ化とか統計処理などが必要となる場合がある。
どのような処理の方法があって、どの処理法を適用すればよ
いのか。その注意点は何かなどについて解説する。
菊山宗弘
濱田嘉昭
菊山宗弘
濱田嘉昭
10 自然現象の裏に潜
む姿を暴く
実験や観察によって得たデータは、自然現象の表す一つの
事実であるが、その事実に隠された“真実”をデータの解析
を通じて明らかにすることができる。一過性の現象、厳密な
数値を再現性よく入手することが難しい分野などの研究を支
える基礎は何か、そのような領域のデータはどのように扱え
ばよいかを解説する。
濱田嘉昭
菊山宗弘
濱田嘉昭
菊山宗弘
11 自然現象の秩序と
法則の表現
一見雑多で複雑に見える自然法則を整然と定量的・論理的
に記述し、観察や実験の結果と比較し判断を下すには、それ
にふさわしい表現法が必要である。それが数学である。この
章では、数式で表現するということの意義を解説する。同上同上
12 自然科学における
評価と判断
実験や観察によってある結論を引き出す場合に必要なこと
は、関連する現象やこれまで蓄積されてきた知識や法則との
整合性である。独断を排し、結論の妥当性を謙虚に検討する
必要がある。それには自分のデータや結果の解析や評価だけ
でなく、他の研究者の成果との間の比較検討が重要である。
この過程を実際に即して解説する。
同上同上
13 情報の収集
自然科学の知識や技術には膨大な蓄積がある。何がどこま
で明らかになっているか、あるいは何が未解決の問題である
か、どのような考えが提出されているかの検討は、実験計画
の段階から、成果の発表の段階まで、常に必要とされる。こ
の章では情報の収集、特に文献の検索について解説する。
同上同上
2004/11/08 1130315.doc
科目名実験科学の方法(02) 3
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
14 研究成果の発表と
討論
自然科学の研究で得られた新事実や法則を人類共通の財産
にするためには一定のルールにしたがって結果を整理し、適
切な方法や媒体を用いて発表する必要がある。報告書(レポ
ート)の作成、論文のまとめ方、発表のしかたについて説明
する。また学習段階での報告書、実習レポートのまとめ方な
どについても概説する。
菊山宗弘
濱田嘉昭
菊山宗弘
濱田嘉昭
15 自然科学の今後の
発展
20世紀に自然科学は巨大な発展をした。各分野では今後
どのような発展が期待されているのか。21世紀の近未来の
姿を予測する。1 4回までの内容のうちいくつかの重要
と思われる話題を取り上げることにより、全体としてのまと
めとする。
同上同上