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2004/11/08 1621211.doc 科目名= =(R)・(TV)
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= 岐路に立つ大学(‘04)=( TV)
〔主任講師: 舘昭(桜美林大学教授)〕
〔主任講師: 岩永雅也(放送大学教授)〕
全体のねらい
世界の大学は、近代大学形成期以来の変革の時代を迎えている。わが国の大学もその例外ではない。これは明治期の近代
大学導入以来の変革であり、知識社会化、グローバル化、情報化、少子高齢化などの社会変化とも深く結びついている。こ
の講義では、こうした事態を教育政策論的及び教育社会学的な視点から把握し理解することを学ぶとともに、特に詳細な検
討が必要なテーマについては、それらを各々取り上げ、実態に即した学習を進めていく。
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
1 岐路に立つ大学
日本の大学が岐路に立つという意味を具体例とともに考察
し、この授業科目全体の構成と視点を提示する。
舘昭
(桜美林大学
教授)
舘昭
(桜美林大学
教授)
岩永雅也
(放送大学教
授)
2 社会変化と大学
知識社会化、グローバル化、情報化、少子高齢化など現在
の社会変化と大学の関係、そこから提起される、改革課題に
ついて、教育、研究、社会サービスの諸機能、学部、大学院
さらに短期課程の諸段階に即して考察する。
同上舘昭
3 教養と自由学芸
日本で教養教育と理学、文学等の基礎学術とされる分野の
展開を、世界的なリベラルアーツ(自由学芸)ととらえなお
し、その展望を示す。同上同上
4 専門職教育
日本の大学で基礎的あるいは消費的学術との関係で曖昧な
位置かれてきた職業教育の意義を、職業社会のプロ化の動向
のもとで、法科大学院の構築など具体例とともに再確認する。同上同上
5 組織変革と評価
直面する課題に対応するための組織改革、改革を支援する
評価システムのあり方について、国立大学の法人化や第三者
評価システムの展開等の具体例に即して考察する。同上同上
6 大学の運営と財政
現代の大学は、ただ単に研究や教育の場の集積というだけ
にとどまらず、巨大な総合的組織体としての側面も有してい
る。多くの雇用者と多額の資金を適正に配分しつつその事業
を効果的に遂行するため、大学はどのような構造と機能を持
っているのか、また、その管理運営と財政のあり方に、近年
どのような変化が生じつつあるのかを検証する。
岩永雅也
(放送大学教
授)
岩永雅也
7 人材養成と労働市
場
大学の持つ重要な社会的機能の一つに、高度かつ専門的な
職業人の養成とその供給がある。そうした人材供給システム
のあり方が大学教育の内容そのものを大きく規定している側
面は否定できない。現在は、しかし大学による人材の養成と
供給の意味も大きく変化しつつある。ここではその変動の内
容と意義を明らかにしていく。
同上同上
2004/11/08 1621211.doc 科目名= =(R)・(TV)
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回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
8 社会への貢献
大学の使命は一般に「教育・研究・社会への貢献」の三者
とされることが多い。このうち、社会への貢献については、
とりわけわが国の場合、前二者に比して軽視される傾向が強
かった。しかし、今日の日本社会は、社会と離れて存在する
大学というものをもはや許さない状況にある。大学にとって
ますます重要なファクターとなりつつある社会への貢献を多
角的に検討する。
岩永雅也岩永雅也
9
変貌する大学教員
大学の変化に対応して、そこで教育・研究の活動を行う教
員も大きな転換期に直面しているといえる。大学教員をめぐ
る社会的環境はどのように変化しつつあるのか。その変動を
受けて、大学教員自身にはどういった変化が生じているのか、
さまざまな視点からそれを検証していく。
同上同上
10 授業評価とFD
わが国の大学授業は、これまでほとんど評価の対象とされ
ることがなく、したがってその結果をもとに授業の改善をは
かるということも、組織的には行われてこなかった。しかし、
大学の社会に対するアカウンタビリティや学生消費者主義の
議論が活発になっていく中で、大学授業を聖域としたままで
いることへの批判も高まってきている。次第に広まりつつあ
る学生による授業評価と、その結果をもとに教員の授業力の
開発(FD)を行おうという動きを検証する。
井下理
( 慶應義塾大
学教授)
井下理
(慶應義塾大
学教授)
11 学生サービスと一
年次教育
学生消費者主義という視点、つまり学生は師に教えを請う
ためでなく、そこで提供されるさまざまな教育サービスを享
受するために大学へ来るのだという見方は近年ますます強ま
ってきている。そのような視点からすれば、今日の大学教育
の総体は学生サービスとして捉え直すことができる。ここで
は特に初年次教育に注目しつつ、学生サービスの実際を詳細
に見ていく。
山田礼子
(同志社大学
教授)
山田礼子
(同志社大学
教授)
12 入試と入学政策
限られた入学定員をめぐって志願者が互いに競争し、大学
は彼らの中から合格者を一方的に選抜するという従来の状況
は、18歳人口の減少と大学の増加によって大きく変化してい
る。そうした変化の中で、大学入試のあり方もこれまでとは
異なったものとなっている。大学入試をめぐって、何がどう
変わったのか、そして今後どうなっていくのかを検討する。
田中義郎
(玉川大学教
授)
田中義郎
(玉川大学教
授)
13 研究と大学
伝統的に大学の基本的な機能の一つとされてきた「研究」
は、現在の大学でも特に重要な活動と見られている。とりわ
け、1990
年代に進展したわが国の大学院重点化の動きは、大
学における研究の重要性を再認識させる機会ともなった。こ
こでは、研究活動が持つ今日的な意味を検討し、その今後を
展望する。
小林信一
(筑波大学助
教授)
小林信一
(筑波大学助
教授)
14 ITと大学
今日、IT(情報通信技術)の発達にはめざましいものがある。
そしてその効果は社会のあらゆる分野に及んでいる。大学教
育ももちろんその例外ではない。大学では現在どのようなIT
利用が行われているのか、また、そのことにいかなる社会的
な意味があるのかといった諸点について考察する。
吉田文
(メディア教
育開発センタ
ー教授)
吉田文
(メディア教
育開発センタ
ー教授)
15 大学変革の課題
本講義で検討されてきたような大学をめぐる社会的環境の
変化とそれに対応した大学自身の変化を踏まえ、現代の大学
が向かうべき変革の目的とその方向、そして変革にともなっ
て生じるであろうさまざまな問題について検討する。その上
で、今後の大学改革の課題がどのようなものであるかを明ら
かにしていく。
岩永雅也
岩永雅也
舘昭