HOME 2004/11/08 1656511.doc 1 =考古学と歴史(‘04)=(TV 〔主任講師:白石太一郎(奈良大学教授)〕 全体のねらい 考古学は、人びとが生きるために大地に働きかけた跡である遺跡と、そこから発見されるさまざまなモノ、すなわち 遺物から人間の歴史を明らかにする学問である。考古学の方法の概要を示すとともに、日本の考古学が先土器時代から 中世に至る日本列島の歴史をどこまで明らかにしたかを紹介し、考古学の役割とその特質を理解させる。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
考古学への招待 考古学が遺跡・遺物を資料として歴史を考える学問であり、 文献による文献史学、伝承資料による民俗学ともに、広義の 歴史学を構成することを解説する。考古学の新しい動向につ いてもふれる。 白石太一郎 (奈良大学教 授) 白石太一郎 (奈良大学教 授)
  考古学の定義 歴史研究の資料と方法
  歴史学というたちバアメリカではこの中から人類の一般法則をつかもうとする人類学の一部と位置づけられる。 文献で研究する→文献史学(文字の歴史は短いし、主観が入る。当たり前も書かない)

モノ資料 コレラヲ補う。

    ニュー・アーケオロジー
プロセス考古学:従来の編年・伝播に主を置く、考古学の反省から、主を

人間の生活、社会構造の復元的研究

従来は、農耕は、オリエントから伝播したとされたが、炭素年代法で覆った。

ラジオカーボン革命といわれる。

環境と人間の生活様式のかかわり。人類に共通する人類学的な法則性の追求。

 
どこの遺跡からどの遺構から、でてきた遺物か明確であって初めて資料的価値がある。正倉院の資料で伝世品といい、いつもモノかは伝承だけであり、他の資料で精査必要である。 三角縁神獣鏡は考古学ではどこでつくられたか分からなかったが、含まれる鉛の同位体の分析の結果中国産のれ鉛と同じであった。

それでも問題は残る。中国産であるが、中国から鉛を持ってきたのか?

自然科学によって花粉分析ができるようになった。考古学との提携で環境史にも役立つ

 
  保存  
 
歴史学と人類学の枠を超えた学が必要。現代社会の環境問題に考古学は役割がある。この古墳が断層によって破壊されているが、コレハ、阪神大震災と同じ断層である。1596年安土桃山にも大地震があった。    

2 考古学の方法 発掘調査にはじまる考古学の研究方法を概説する。特に層位 学・型式学など歴史学である以上欠かすことの出来ない独自 の年代決定法や、分布論など考古資料の分析法などについて 述べる。同上同上 3 自然科学と考古学
最近著しく進展している放射性炭素法、年輪年代法などの理 学的年代決定法や、鉛同位体による資料の産地同定法など、 自然科学と提携した新しい研究法とその問題点を解説する。 今村峯雄 (国立歴史民 俗博物館教 授) 今村峯雄 (国立歴史民 俗博物館教 授)
4 先土器時代から縄 文時代へ 日本列島における先土器文化研究の特質と先土器文化から縄 文文化への変遷過程やその意義について述べる。日本列島の 先土器文化や草創期の縄文文化の世界史的な位置付けにもふ れる。 今村啓爾 (東京大学大 学院教授) 今村啓爾 (東京大学大 学院教授)
5 縄文文化の実像 縄文文化の展開過程を概観するとともに、その特質を世界の 先土器文化から新石器文化へ転換のあり方と比較し、縄文文 化の世界史的位置づけを試みる。同上同上
6 弥生文化の成立 水田稲作に基礎を置く弥生文化の成立過程を、東アジア史的 視点で考える。弥生人の成立や縄文人との相違にもふれる。 日本列島の初期農耕文化の特質を明らかにする。 宇野隆夫 (国際日本文 化研究センタ ー教授) 宇野隆夫 (国際日本文 化研究センタ ー教授) 2004/11/08 1656511.doc 2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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弥生時代の社会と 文化 最近の考古学的調査の成果にもとづき、激動の時代であった 弥生時代の人びとの生活と文化の実像をわかりやすく示す。 銅鐸など青銅製祭器から想定される弥生人の精神生活にもふ れる。 宇野隆夫宇野隆夫
8 弥生時代から古墳 時代へ 弥生時代から古墳時代への転換を、特に大型墳丘墓の変化の あり方から考える。特に東アジアとかかわりをも踏まえて、 政治的社会の形成と倭国の成立にもふれる。白石太一郎白石太一郎
9 古墳時代の社会と 文化 最近の考古学的調査の成果を踏まえて、古墳時代の人びとの 生活や精神文化の実像を示す。5 世紀初頭以降の東アジア文 化の本格的な受容とその歴史的背景や文化史的意味にもふれ る。同上同上
10 古墳時代から飛鳥 時代へ 古墳の終末の課程、大規模な都宮の造営、仏教文化の発展な どから、日本列島における中央集権的な古代国家と古典文化 の形成過程を、東アジアとの関わりから考える。同上同上
11 律令時代の社会 日本の律令古代国家の構造や支配の仕組みを考古学の研究成 果にもとづいて考える。律令国家の世界史的位置付けや、そ れがその後の日本の歴史に与えた影響についてもふれる。 宇野隆夫 (国際日本文 化研究センタ ー教授) 宇野隆夫 (国際日本文 化研究センタ ー教授)
12 律令社会の産業と 文化 最近の考古学の成果にもとづき、律令時代におけるさまざま な生産活動や流通の仕組み、さらに生産に従事する人びとの あり方など、この時代の人びとの生活の実態や文化のあり方 にふれる。同上同上
13 中世の人びとのく らし 考古学の調査・研究が、中世史の研究にも大きな役割を果た していることを示す。各地の発掘の成果から明らかにされた、 中世の人びとの暮らしや文化の実相を示す。 小野正敏 (国立歴史民 俗博物館助教 授) 小野正敏 (国立歴史民 俗博物館助教 授)
14 中世の社会 考古学の立場から、中世を特徴づける都市をめぐる問題、さ らに東国と西国の相違などを具体的に示し、中世社会の特質 を鮮明にする。また中世から近世への転換についてもふれる。 同上同上
15 もう二つの日本文 化 縄文時代以降、北海道と琉球列島は、本州・四国・九州とは また異なった歴史を歩む。考古学が明らかにした北と南のも う二つの文化や、それらと中の文化の関わりについて述べる。 藤本強 (国學院大学 教授) 藤本強 (国學院大学 教授)