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2004/11/08 1837516.doc
産業社会と消費社会の現代(03)
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=産業社会と消費社会の現代(‘03)=(TV)
−貨幣経済と不確実な社会変動−
〔主任講師: 坂井素思(放送大学助教授)〕
全体のねらい
現代の産業社会・消費社会では、財や貨幣を通じて、多くの人びとが相互依存関係を結んできている。生産を通じて財を
造り出し販売する過程で「産業社会」を生成し、この販売された財を購入して使用する過程で「消費社会」を形成する。こ
れらの社会では、共通に「貨幣」を媒介とする経済社会を営んでいる。この講義では、変動激しい経済社会が貨幣経済を媒
介として、どのような人間関係を形成し変化していくのかについて考えていくことにする。
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
1 産業社会と消費社
会の起源
この章では、人と物とを媒介する経済社会がどのようにし
て誕生したのかについて、その原点を考える。経済社会のひ
とつの原型である「交換」作用に注目して、経済がいかに社
会を形成するかを見る。産業社会から消費社会へ転換する現
実を取材しながら考察する。
坂井素思
(放送大学助
教授)
坂井素思
(放送大学助
教授)
2
貨幣
―貨幣はいかに社
会を結ぶか
貨幣は、人と人、人と物の間を媒介する基本的なメディア
である。現代社会では、このような貨幣がどのようにして生
成され、またどのような役割を担っているのか。産業社会と
消費社会の中で、「貨幣」とは何かということについて、こ
の章では考えてみる。
同上同上
3
労働
−労働はどのよう
な人間関係を生産
するか
手を使って労働を行うことは、人間にとって本源的な活動
である。このような労働の本質について、職人経済のなかの
手仕事を見ながら考えていく。また、労働の持つ分業の意味
についても見ていく。
同上同上
4
市場と組織
−市場経済のなかに
なぜ企業が形成され
るか
産業社会のなかで、市場経済のもつ利点は何か。また、企
業組織はなぜ組織を形成するのか。これらの比較を通じて、
企業制度の組織上の特質を考えていく。同上同上
5
生産と規模
−なぜ企業は規模拡
大を行うか
産業社会の発展の中で、企業経済は「規模の経済」を追求
し、生産性を向上させ、大量生産のシステムを形成してきて
いる。このような大量生産体制がいかにして形成されてきた
のかについて考えていく。
同上同上
6
管理と経営
−なぜマネジメン
トは必要か
産業社会のなかでも、とりわけ企業家の仕事は特別のもの
と考えられている。企業家の機能とは何か、また企業でのマ
ネジメントの働きについて見ていく。同上同上
7
ビジネスと産業−
なぜビジネスは生
まれるのか
産業社会では、産業精神とビジネス精神とが分かちがたく
存在している。この章では、産業社会に対する金融・商業の
影響について見ていく。ビジネスによる産業社会への影響を
見ながら、貨幣社会のなかの金融・商業の意味について考え
る。
同上同上
2004/11/08 1837516.doc
産業社会と消費社会の現代(03)
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回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
8
所有
−なぜ財産の意味
は変化するのか
現代のストック経済のもとでは、所有の考え方が変化して
きている。人びとの財産制が、現代において、どのように変
化してきたのかについて見ていく。坂井素思坂井素思
9
消費と所得
−消費社会はいか
に成立してきたか
戦後の大衆消費社会進展について考える。所得水準の上昇
とともに、消費も増大する。これらは、日本の勤労者層のラ
イフスタイルを反映してきた。耐久消費財を事例にとりなが
ら、現代日本の消費社会の特徴を見る。
同上同上
10
サーヴィス
−なぜサーヴィス
消費は増大するの
か
経済社会のサーヴィス経済化が進んでいる。なぜサーヴィ
ス消費が増大し、サーヴィス産業が増加するのか、その要因
について考える。同上同上
11
広告
−ブランド広告は
なぜ必要か
広告の持つ消費者と生産者の媒介機能について見ていく。
消費者の信頼を維持し、企業価値を高めることが、現代企業
では重要になってきている。経済社会のなかでの広告の意味
について考える。
同上同上
12
流行
−文化消費はなぜ生
ずるのか
経済活動が文化として定着する場合がある。流行現象や趣味
現象を取り上げながら、消費社会のなかの文化現象を探る。
同上同上
13
余暇
−産業社会と消費
社会の間の矛盾は
なぜ生ずるか
産業社会と消費社会の接点には、一方では生産活動を行うう
えで「勤労」を奨励する考え方があり、他方では消費活動を
行ううえで「怠惰」を奨励する考え方がある。このような現
代経済社会の矛盾点について考える。
同上同上
14
環境
−経済社会の公共
問題はいかに解決
されるか
「市場の失敗」と「政府の失敗」とが同時に生起するのが、
今日の経済社会の現実である。この章では産業社会と消費社
会における外部経済の問題を取り上げる。経済社会の外部経
済を内省的な問題として考え、このようななかで、経済社会
の公共性はいかにあるべきかについて考える。
同上同上
15 産業社会と消費社
会のゆくえ
現代の経済社会は、貨幣経済・金融経済によって大きな影
響を受けている。現代資本主義も変化して、かつての貨幣の
フロー・ストックとは異なる傾向を見せている。このような
なかで産業社会と消費社会は、どのような変化を遂げていく
のか、展望を試みる。
同上同上