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2004/11/08
1827618.doc 1
=生徒指導(‘03)=(TV)
〔主任講師:秦政春(大阪大学大学院教授)〕
全体のねらい
いま学校のなかで、もっとも困難をきわめているものが生徒指導である。そうした生徒指導に関する実態を明らかに
するとともに、現実に子どもたちがどんな非行・問題行動をおこしているのか、そしてその背景にどんな事情があるの
か検討する。こうした検討をふまえて、生徒指導の今後のありかたを探っていくことにしたい。
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
1
〔T〕生徒指導の
実際
生徒指導の理念と
実際
生徒指導の理念が、子どもたちのよりよい人間形成をはか
るものであることはいうまでもない。しかし、実際には非行
防止、非行対策の名のもとに「管理的」な色彩がますます強
まってきている。こうした生徒指導のありかたに関する問題
状況を明らかにする。
秦政春
(大阪大学大
学院教授)
秦政春
(大阪大学大
学院教授)
2 体罰に依存する教
師
「管理的」生徒指導の典型的なものが体罰である。教師の体
罰は学校教育法で禁止されているにもかかわらず、現実には
これがかなり多い。ここでは、教師の体罰に関する実態を明
らかにするとともに、これによってもたらされる悪循環につ
いて検討を加える。
同上
同上
3 校則(生徒心得)に
よる管理
体罰と並んで校則(生徒心得)も、「管理的」生徒指導の
1つである。これについてはよく「校則問題」というかたち
で話題になる。ここでは、これの実態、とくに規定の内容や
具体的にこれがどう運用されているのかという点を中心にし
て検討を加える。
同上
同上
4 校則(生徒心得)の
曖昧性
校則が「管理的」生徒指導の1つとはいっても、これ自体
に教育的意味がないわけではない。むしろ、これが運用され
るときに、これの性格の曖昧さのなかで問題が生じる場合が
多い。簡単にいえば、「心得か規則か」といった問題である。
この点を明らかにする。
同上
同上
5
〔U〕非行・問題
行動の実態
非行・問題行動に関
する推移
昭和50年前後の「戦後第3のピーク」と呼ばれた少年非
行の急増した時期以降、現在にいたるまでつぎつぎと子ども
たちの問題行動が多発している。いじめ、不登校、校内暴力
といった具合である。こうした推移を明らかにするとともに、
その背景を検討する。
同上
同上
2004/11/08
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回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
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6 いじめ問題と子ど
も
昭和61年頃に急速に「鎮静化」したと思われていたいじ
め問題は、実際にはその後も継続している。そして、かつて
より悪質な行為もめだってきている。ここしばらくのいじめ
行為の推移を明らかにするとともに、どんな背景からいじめ
が生じているのか検討する。
秦政春
(大阪大学大
学院教授)
秦政春
(大阪大学大
学院教授)
7 子どもたちのいじ
め行為の特質
最近の子どもたちのいじめ行為に関する特質をひとことで
いえば、「集団による弱者いじめ」ということになる。ここ
では、いじめという行為のもつ特質を考えるとともに、いか
なるパターンや形態のなかでこの行為が成立しているのか検
討を加える。
同上
同上
8 学級・授業の「荒れ」
と子どもたち
いじめと並行して、学校のなかで子どもたちのさまざまな
「荒れ」がめだってきている。一般に「学級崩壊」と呼ばれ
る現象は、その典型的なケースである。しかも、こうした「荒
れ」は小学生段階にまで、確実に低年齢化してきている。こ
れに加えて、不登校問題についても、あわせて検討を加える。
同上
同上
9
〔V〕子どもたち
の状況
子どもたちのスト
レス
いまの子どもたちは、とても疲労している。そして、スト
レスがたまっている。しかも、これによってさまざまな症状
が生じている。なかには、極端な身体的不調や異常行動をと
るケースも少なくない。この実態を明らかにするとともに、
これの影響について考える。
同上
同上
10 ストレスと非行・問
題行動
子どもたちのストレスは、たんに症状がでているというだ
けではない。これによって、さまざまな非行・問題行動に結
びついていくことも少なくない。たとえば、ストレスはいじ
め行為にも密接に関連している。原因⇒ストレス⇒非行・問
題行動の関係を検討する。
同上
同上
11 子どもたちの規範
意識
子どもたちの規範意識は、確実に崩れてきている。些細な
校則違反、服装違反ならともかく、明らかな反社会的行動、
逸脱的行動に対しても「絶対にしてはいけない」という割合
が低下してきている。こうした規範意識の崩れの背景を探る
ことにしたい。
同上
同上
12
〔W〕生徒指導を
阻害するもの
教師のストレス
いま学校では、子どもたちにストレスがたまっているとい
うだけではない。教師にも厳しいストレスがある。まるで学
校が「ストレスの温床」になっているかのようである。ここ
では、教師の日常性を中心にして、ストレスの原因、実態、
影響について明らかにする。
同上
同上
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13 教師のストレスに
よる悪影響
教師のストレスは、子どもたちに対して確実に悪影響をお
よぼしている。子どもたちに「やつあたり」をしたり、「対
話がなくなってしまう」といった具合である。これに子ども
たちはストレスを感じ、反抗するといった悪循環がある。こ
うした構造を明らかにする。
秦政春
(大阪大学大
学院教授)
秦政春
(大阪大学大
学院教授)
14 教師集団の人間関
係の崩れ
生徒指導は、1人ひとりの教師が個別的に行なうのでは限
界がある。教師集団の連携や協力体制が不可欠の条件である。
ところが、実際にはあまり連携や協力体制がとれていない。
ここでは、こうした教師集団の組織化を阻害する要因がどこ
にあるのか明らかにする。
同上
同上
15
〔X〕生徒指導の
今後
組織的でゆるや
かな生徒指導
今後、どのような生徒指導のありかたを求めていけばよい
のか。1つは、教師集団の連携や協力体制を基本にした組織
的な生徒指導である。いま1つは、「管理」を脱却したゆる
やかな生徒指導である。こうした生徒指導の実現に関する可
能性を探っていく。
同上
同上