HOME 2004/11/08 1891014.doc 1 = 植物の生理(‘04)=(TV) 〔主任講師: 庄野邦彦(日本女子大学教授)〕 〔主任講師: 菊山宗弘(新潟大学教授)〕 全体のねらい 生き物の世界を構成する主役の一つが植物である。植物なくしては人類のみならず全動物の生存はあり得ない。この科目では 植物の生存・生活の機構を解説することにより、植物に対する理解を深めることを目指す。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
植物の特徴: 全ての生物に共通する姿の上に植物の特徴が上乗せされてい る。その共通の姿とは何か、植物の特徴とは何か、それらの研究 手段にはどのようなものがあるか。これらのことを概説し、さらにこ の授業の目標などを紹介する。 庄野邦彦 (日本女子大 学教授) 菊山宗弘 ( 新潟大学教 授) 庄野邦彦 (日本女子大 学教授) 菊山宗弘 ( 新潟大学教 授)
2 植物の細胞と体制: 植物の体制を個体レベル、細胞レベルなどで説明すると共に、植 物の特徴を指摘する。構成要素である細胞に注目し、細胞の機能 をその構造との関係から概説する。 西村いくこ ( 京都大学教 授) 西村いくこ ( 京都大学教 授)
3 植物のいとなみ(1): 物理・化学的な基礎 生命現象とは物理的反応や化学的反応の複雑な組み合わせの 結果である。そこで、酵素反応の機構を簡単に解説する。また、次 の章の物質輸送の基礎として、物理化学の法則と物質移動の原 理を概説する。 菊山宗弘菊山宗弘
4 植物のいとなみ(2): 物質輸送 細胞レベルでの物質輸送機構を解説する。膜輸送(受動輸送、能 動輸送)、膨圧の発生、膜電位の発生、および細胞内での能動的 な物質輸送としての原形質流動を取り上げる。 同上同上
5 植物のいとなみ(3): 光合成 植物の特徴の最たるものの一つが「独立栄養」を営むことである。 独立栄養の実体である光合成は、光化学反応およびその関連反 応と、それに続く生化学反応とからなる。 この章では、光化学反応とその関連反応について解説する。 中村保典 ( 秋田県立大 学教授) 中村保典 ( 秋田県立大 学教授)
6 植物のいとなみ(4): 光合成と関連代謝 光合成の生化学反応過程であるカルビン・ベンソン回路を解説す る。植物の代謝全体における光合成の意義をまとめる。その中で は特に糖および脂質代謝について解説する。また、遺伝子とはど ういうものかの説明と、光合成関連遺伝子とその機能を解説する。 同上同上
7 植物のいとなみ(5): アミノ酸合成と二次 代謝系 タンパク質は20 種類のアミノ酸から出来ている。独立栄養を営 む植物はこのアミノ酸をすべて合成する。しかしヒトを含む動物は アミノ酸のいくつかは体内で合成できないため,植物が合成したア ミノ酸を捕食により取り入れている。そこで,この植物におけるアミ ノ酸合成系について解説するとともに,そのアミノ酸などから植物 の薬用成分や色素を合成する植物特有の二次代謝系について 概説する。 菊山宗弘 菊山宗弘 ゲスト 小関良宏 ( 東京農工大 学教授) 2004/11/08 1891014.doc 2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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植物の生育(1): 生活環とホルモン調 節 植物の生活環は発芽、栄養成長、生殖成長、老化の各期から 構成される。また、その進行は数種の植物ホルモンによって制御 されている。植物ホルモンの種類、構造、代謝、機能、並びに作 用機構を、生活環の制御と関係づけて解説する。 保尊隆享 ( 大阪市立大 学教授) 保尊隆享 ( 大阪市立大 学教授)
9 植物の生育(2): 生活環と環境要因 植物の生活環は、光、重力、温度などの環境要因によって調節さ れる。生活環を構成する発芽、栄養成長、生殖成長、老化の各期 が、これらの環境要因によってどのようなしくみで調節されるかを 概説する。 同上同上
10 植物の形作り(1): 細胞形成 細胞の成長の機構を解説する。その必然の帰着として、細胞・組 織・器間の形態形成がどのようにして起こるのかを解説する。細胞 の分化とそれにおよぼす環境要因についても簡単に説明する。 柴岡弘郎 ( 大阪大学名 誉教授) 柴岡弘郎 ( 大阪大学名 誉教授)
11 植物の形作り(2): 器官形成 形や機能の分化には、遺伝情報が書き込まれていることと、その 書き込まれている情報がしかるべきときにしかるべく発現すること が必要である。遺伝子とはどのようなものであり、どのように発現が 調整され、どのように器官の機能・形態が決まるかを解説する。 岡田清孝 ( 京都大学教 授) 岡田清孝 ( 京都大学教 授)
12 植物の形作り(3): 個体形成・分化全能 性 体のどの部分も同じ遺伝情報を持っているので、植物はどの部分 からも体全体を再構成できる(分化全能性)。言い換えれば個体 の形成過程とは、全遺伝子のうち特定のものが発現することによっ て各組織、器官へと分化することである。個体の形成過程を遺伝 子発現の視点から解説する。 同上同上
13 生態系の中の植物: (1) 植物の防御と共生 独立栄養を営みはするが、植物は「独立」に生活するのではなく、 多数の「環境要因」との相互作用のものに生活をしている。この章 では微生物との相互作用に注目し、病原性とその対応、共生関係 について解説する。併せて、微生物との関係が遺伝子操作にもつ ながることを紹介する。 庄野邦彦 ( 日本女子大 学教授) 庄野邦彦 ( 日本女子大 学教授)
14 生態系の中の植物: (2) 植物と環境の関わり 植物の環境への適応について概説する。また,光,水,窒素栄養 などの環境要因がどのように植物の生活に関わるのかを,細胞か ら生態系のレベルにまでスケールアップしながら考察する。 寺島一郎 ( 大阪大学教 授) 寺島一郎 ( 大阪大学教 授)
15 植物生理学の展望: 植物生理学の発展の過程を、特に研究方法の発展と、その著し い成果を取り上げつつ、簡単に振り返る。これをふまえ、植物生理 学の将来の展望を述べる。また、昨今の生命工学等の発達とその 成果に接するに当たっての植物生理学学習の意義について考 える。 菊山宗弘菊山宗弘