HOME=多様性の生物学(‘03)=(TV〔主任講師:岩槻邦男(放送大学教授)〕

全体のねらい生物多様性とは何か、なぜ生物は多様なのか、どれくらい生物は多様であるか。今生きて演出している生命現象だけでなく、30数億年の進化の歴史を経て作り上げる生命の実体を総体として追究する。

回テーマ内容執筆担当講師名(所属・職名)放送担当講師名(所属・職名)


1生物の進化と多様性:

生物には、DNAに担われた遺伝情報が、細胞のうちに閉じ込められ、一貫して引き継がれ、生命現象の制御を行なう普遍的な特性と、膨大な数の種に分化して地球上に共存している多様性が並存している。進化の視点でこの生命現象の二面性を考える。岩槻邦男(放送大学教授)岩槻邦男(放送大学教授)


2分子進化の機構:

進化とは、遺伝的な繋がりを持つ個体の集まり(集団)にみられる現象である。ここでは、分子レベルの変異生成の機構と変異が世代を超えて伝達するときに働く集団レベルの機構について概観する。高畑尚之(総合研究大学院大学理事)高畑尚之(総合研究大学院大学理事)


3分子進化の特徴と中立説:

DNA、遺伝子、あるいはタンパク質の進化には、形態形質の進化にはみられない特徴がある。ここでは、こうした特徴とそれを説明するための分子進化の中立仮説について紹介する。同上同上


4ゲノムとその進化:ゲノムは生命を営む脚本であると同時に、その生物の歴史を刻む図書館でもある。ここでは、ゲノムレベルで明らかになりつつある進化学的な側面と生物の同胞性や関係性について概観する。同上同上
ゲノムサイズ:

1981年 に人のゲノム数が17000と計算された。2001年には90%まで解読された。

ゲノムサイズ -原核生物-

ゲノムサイズ -真核生物-

13,200,000 12M

ゲノムが大きいほど高等生命かということはない。

大きいほど多い

スペーサーがなく1ゲノムサイズが決まっている

     
真核生物は正比例しない。

理由:サイズが違う。スペーサーがある。イントロン

ゲノムパラサイト:人は44%も無駄がある 新世界猿の方が古い。新世界は、南アメリカのこと(新大陸)

旧世界猿は、ユーラーシア、ニホンザルも

     
    原核も真核も同じ共通の
     
  ゲノムレベルで、相互依存している。 ひとはビタミンcを作れない。死んだ遺伝子

大航海時代にC不足で多くの船員が死んだ。

なぜ、C遺伝子を殺したか?食性の豊かさ。 緑が見えないくなったのは、夜行性だったから ケッシツによって、病気になりにくくなった面もある。

 


5原核生物の多様性:

生物は原核性の細胞の姿で地球上に現れ、進化の歴史の半分以上はその姿を保っていた。現在まで原核性を維持してきた現生の原核生物を手がかりに、原核性の生物の生物の進化と多様性に関わる知見を紹介する。岩槻邦男岩槻邦男

   

細胞の分裂

  最初の生物は残ってないので、今いる原核細胞より類推 生物は死ぬということは知らなかった。親の世代はなくなるが、そこに死骸はない。細胞の以降がそんまま世代交代となる
     
原核の種:

地球は焼けた状態たから始まったから、酸素がなかった。その地球に酸素を与えたのが、バクテリア

のり  

 


6真核生物の起原と原生生物:

真核細胞の進化は地球上で生物が多様化する重要なきっかけだった。真核生物はどのように進化して来たか、現生の原生生物の多様性を手がかりに追究する。伊藤元巳(東京大学助教授)伊藤元巳(東京大学助教授)

 

真核細胞の共生進化説

 

  マーグリス  
     
  細胞共生は今では、珍しくない。ゾウリムシがクロレラを体内にもっていたりする。光がなくなると、クロレラは死滅し、普通のゾウリムシになる  
     
  クラウン生物群、アーケゾア(元葉緑体があったが後天的になくなった)  
     

   
以前は単独の生物だったが、寄生しているうちに葉緑体を失った。    

7多細胞体と有性生殖の進化:

真核生物が進化してから、生物はそれまで生活していた単細胞体から、多細胞体で生きる生物を進化させ、ま た有性生殖という特殊な生殖法を進化させて2倍体の生物をつくり出した。これらの進化の意味を探る。岩槻邦男岩槻邦男

     
有性生殖の有利性 単細胞だが郡体となっている。

竹林も同じ

ユードリナ:単細胞た郡体化している。

ボルボックス:同じ細胞が集まったはずなのに、機能分化がある。

ゾウリムシ:核が複数ある。

     
  一旦有性生殖に進化して、それを捨てる場合もある  

8藻類の多様性と植物:

真核生物のうち、酸素発生型光合成を行うのは藻類と(陸上)植物である。シアノバクテリアを含め、独立栄養の生物の進化をあと付ける。植物の進化はまた、生物の陸上への進出のさきがけとなり陸上生物相の繁栄をもたらした。岩槻邦男岩槻邦男


9動物の起源と進化:

多様に分化している後生動物はどのような単細胞生物から由来し、現生の動物の門のあいだの系統関係について学習する。特に哺乳動物について、その多様性と進化について詳しく検討する。長谷川政美(統計数理研究所教授)長谷川政美(統計数理研究所教授)

     
     
     
 
     

10菌類の多様性と進化:

かつては植物の一部とみなされていた菌類の類縁と系統が少しずつ解き明かされている。植物でも動物でもない菌類という生物の真の姿は何かを追究し、生物界の多様化の総体を概観する。生物界の分解者とされる菌類は系統としてどこまで独立であるのか。岩槻邦男岩槻邦男


11化石が語る系統:

生物の系統を明らかにするうえで、化石は欠かすことのできない情報源である。化石が保存しているさまざまな情報をどのように引き出し、系統関係が明らかにされるのかを学ぶ。西田治文(中央大学教授)西田治文(中央大学教授)


12生物界の系統樹:

生物の系統は、系統樹として表現できる。系統は可能な限り多くの情報を総合して推定される仮説でもあり、時代とともに検証され、改善されてきた。現代の系統樹はどのようなものだろうか。同上同上


13遺伝子多様性と種多様性:

生物の種多様性は遺伝子の多様性によって表現される。遺伝子多様性とはどういうことか、それが種の多様性とどのように関わるのか、遺伝子の進化と多様性について解説する。伊藤元巳伊藤元巳


14種形成:

遺伝子に多様性が見られても、すぐに種が多様化するとは限らない。種の分化はどのような機作で実現するものか、具体的な例を示しながら生物の種の進化の実体を追究する。同上同上


15生物多様性と人:

膨大な数の種に分化した生物のうち、ヒトと呼ぶ1種の生物は他の生物に見ない特殊化を果たし、文化をもつようになった。この特殊化に焦点を当て、人の進化が地球に何をもたらしているかを考察する。岩槻邦男岩槻邦男