HOME 2004/11/08 1884913.doc 1 =在宅看護論(‘04)=(TV 〔主任講師:川村佐和子(東京都立保健科学大学教授〕 全体のねらい 疾病や障害および虚弱なために看護ニーズを持つ居宅生活者とその家族を理解し、QOLを向上 させる目的にそって、問題を解決するための方策をたて、その実施に必要な知識と看護技術を学習 する 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 ( 所属・職 名) 第一部訪問看護の概要
訪問看護の必要性 と制度の概要 人々が居宅で医療を受けながら生活し、その生活の質を向上 させられるように支援することが、在宅医療・看護の提供理 念である。訪問看護は1992 年から制度化され、診療報酬制度 も整備されつつある。本回は、訪問看護の役割、訪問看護提 供施設、問題の所在と解決策の考え方について概説する。 川村佐和子 (東京都立保 健科学大学教 授) 川村佐和子 (東京都立保 健科学大学教 授)
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訪問看護提供の考 え方と業務 訪問看護の提供は、利用者との契約に基ずいて、主治医の指 示を得て開始される。また、利用者の居宅に出向いて単独で 看護を提供するものであるから、利用者やその家族との関係 や、主治医との関係、ケア提供チームメンバーとの関係を信 頼性の高いものにしておくことがが重要であり、看護の提供 においては倫理的な行動が求めれている。これら従来の医 療施設内における看護提供法や技術提供の相違と留意点につ いて概説する。 同上同上
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訪問看護過程と必 要な技術 訪問看護では、利用者の居宅で看護を提供するためにより 利用者の立場に立った看護を提供する必要がある。そこで、 医師から受ける指示や報告について、考慮すべき諸点やそこ で用いるツールについて概説する。あわせて、施設内基準(プ ロトコール)の作成や活用についても概説する。 同上同上 第二部基本的な訪問看護の技法
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訪問看護過程の展 開:生活のニーズを 中心に 在宅療養には、基礎となる生活の整備を必要とする。近年は 少人数家族や子供の介護に依存しない在宅生活を希望する高 齢者が多くなり、基礎的な生活の支援が重要となっている。 そこで、在宅生活の実態を紹介し、そこから生じる支援課題 について述べ、さらに、訪問看護師としての課題解決のため の方策つまり、家族や福祉関係職員、ボランティア等との連 携や共同活動について概説する。 近藤紀子 (日本赤十字 武蔵野短期大 学助教授) 近藤紀子 (日本赤十字 武蔵野短期大 学助教授) 2004/11/08 1884913.doc 2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 ( 所属・職 名)
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基本的な生活を支 える 近年の医療技術の発達、社会環境の変化にともなって、がん を病む人々やALSなどにより人工呼吸器を装着するなど高 度な医療技術を用いて療養する人々も在宅療養するようにな ってきている。これらの人々が安全で安楽な療養生活を送る ためには、在宅で医療を継続することが欠かせない。在宅療 養生活の実態にふれ、医療継続上のニーズとそれに対応する 支援法について概説する。 近藤紀子 近藤紀子
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療養環境の整備を 支える 介護保険、その他身体障害者福祉の適応となる各種サービス (住宅改修、介護福祉機器の導入、訪問サービス、通所サー ビス、給食サービス等)その他民間サービスについて、さら に医療資材・器材の調達方法について概説する。さらに、本 人・家族に在宅療養環境整備のための情報提供・と導入向け た支援、緊急時対応の必要性と具体的な方法について概説す る、 同上同上
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家族を支える 在宅医療を受けている人々の傍らに常時いる家族介護者の役 割は大きい。しかし、家族介護者に介護・看護を大きく依存 してしまうと、家族はその負担に耐えかねて健康や生活に破 綻をきたしてしまう。訪問看護師が家族介護者に対して行う べき、健康や生活上の問題の考慮の仕方や支援方法について 概説する。 川村佐和子 川村佐和子 第三部医療を必要とする人々に対する訪問看護技法
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医療継続を支える 在宅ターミナルケアとは何か概念について説明し、地域にお ける在宅ターミナルケアの実際を紹介する。また在宅ターミ ナルケアにおける家族支援・チームケア・死の看取り・グリ ーフケアについて具体的に概説する。 川越博美 (聖路加看護 大学教授) 川越博美 (聖路加看護 大学教授)
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在宅ターミナルケ ア 在宅ターミナルケアでは、症状のコントロールが重要なケア であり、在宅における症状コントロール、特に疼痛管理に焦 点をあて、訪問看護師に必要な知識と技術について学ぶ。疼 痛管理の原則・薬剤による疼痛管理・代替療法・モルヒネの 使い方と管理・チームによる疼痛管理について概説する。 同上同上
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症状をコントロー ルする 訪問看護は療養者の自立を支援する。そのためにはまず、日 常生活動作(歩行、食事、保清、会話)が維持できるよう支 援する。さらには、生命維持機能(循環、排泄、神経系、呼 吸)が保たれるよう支援する。生活の中で療養者・家族が継 続して実行可能な訪問看護技術について実演をまじえて概説 する。 近藤紀子 近藤紀子 2004/11/08 1884913.doc 3 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 ( 所属・職 名)
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入退院を支える 療養生活中には本人の病状変化、家族の介護疲れ、時には支 援者の再調整のために入院が必要となる。入院時には在宅で の療養状況を引き継ぐ。退院時は病院に出向き病状の確認、 本人家族の在宅療養の意思確認、在宅に向けて療養環境整備 など入退院時の支援について概説する。 近藤紀子 近藤紀子
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充実した日々を支 える 在宅療養は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、保健師、ホ ームヘルパー、理学療法士、作業療法士、栄養士、介護支援 専門員など多くの機関に所属する多くの職種からなるチーム で支援することになる。訪問看護は療養者本人・家族が混乱 しないよう、他職種と連携し、チームの一員として機能する。 そのために他職種の機能を理解でき、個別のケアプランの中 で、療養者自身の思いが反映されるよう調整する。これらの 方法をいくつかの事例で具体的に概説する。 同上同上 第四部訪問看護師の地域社会活動
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在宅チームの一員 として機能する 生活の質(Quality Of Life:QOL)とは何か?について 概説する。また、訪問看護師がQOL向上のためにできるこ とは何か?について概説し、利用者のさまざまな努力や工夫 について紹介する。 川村佐和子 川村佐和子
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地域看護と訪問看 護 地域や集団を対象とする地域看護の考え方および、地域看護 と訪問看護の関連について概説する。 同上同上
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在宅看護のこれか ら 今後わが国で訪問看護が発展していくために直面している 課題、例えば、問題報酬制度の複雑性、保険適用の限界、ケ アの高度化への対応、訪問看護提供施設の経営問題など、に ついて討論し、今後の展望について討論する。 同上同上