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=アーツ・マネジメント(‘02)=(TV)
〔主任講師: 川崎賢一(駒澤大学教授)〕
〔主任講師: 佐々木雅幸(大阪市立大学大学院教授)〕
〔主任講師: 河島伸子(同志社大学助教授)〕
全体のねらい
本講義では、芸術文化活動を生み出すマネジメントの仕組みを探る。映画のような商業的文化も対象とし、グローバルな
視点から講義を進める。文化運営の単なる実践的ガイドではなく、経済学・社会学・政策学などによる学際的アプローチに
基づく。
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
1
イントロダクショ
ン:目的・定義・ア
プローチ:
全体の俯瞰。講義の目的(アーツ・マネジメントの基本と
その社会科学的背景の理解)、視点の設定(グローバルな観
点の採用)、アプローチの仕方(学際的アプローチ)、基本
概念の定義(アート、アーツ・マネジメントの定義)。
川崎賢一
(駒澤大学教
授)
川崎賢一
(駒澤大学教
授)
2 アーツ・マネジメン
ト史:
アーツの制度とアーツ・マネジメントの歴史を概括する。
その際、進化論的立場の重要性と西欧中心の歴史を紹介する。
同時に、日本的視点・アジア的視点の今日的意義を明らかに
する。
同上同上
3
日本におけるアー
ツ・マネジメントの
始まり:
1990 年頃より我が国において、アーツ・マネジメントへの
関心が急速に高まった。この背景である社会・経済的要因を、
1960 年代のアメリカと対照しつつ探り、アーツ・マネジメン
トの現状と今後の課題を整理する。
河島伸子
(同志社大学
助教授)
河島伸子
(同志社大学
助教授)
4 文化の経済学:
文化の市場構造、文化団体の収支構造の特徴を文化の「外部
経済効果」をキーワードに説明する。市場的収入のみに依存す
る商業的文化団体と、非市場的収入をも併せ持つ非商業的文
化団体には、どのような行動の違いがあるのだろうか。
佐々木雅幸
(大阪市立大
学大学院教
授)
佐々木雅幸
(大阪市立大
学大学院教
授)
5 都市文化政策とア
ーツ・マネジメント:
都市再生の切り札としての都市文化政策の流行と定着、創
造的な芸術産業を生み出すための文化的投資と文化的インキ
ュベータの重要性に触れ、その一方で、文化事業や文化支出
に対する行政評価システム導入の背景を追う。
同上同上
6
文化産業の経済と
非営利文化マネジ
メント:
文化を生産・流通させていくためには、他の経済活動同様
に、資源を確保していくことが重要である。非営利的な文化
活動においては、資源調達先とサービス提供先が合致しない
ことがあるが、これはマネジメントにとってどのような意味
を持つのだろうか。
河島伸子河島伸子
7 芸術創造のマネジ
メント
「芸術文化の生産を担う組織」を取り巻く環境、戦略的計画、
意志決定とリーダーシップのあり方を一般企業のマネジメン
トと比較しつつ明らかにし、経営学におけるナレッジ・マネ
ジメントのアート分野への適用を考察する。また、文化生産
組織の構成要素、組織のデザイン、スタッフ構成、グループ
ダイナミクスなどを一般企業のマネジメントと比較しつつ明
らかにする。
佐々木雅幸佐々木雅幸
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回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
8
ポピュラー文化の
マネジメント(1):
映画産業:
映画などのポピュラー文化は、グローバルな社会に浸透し
ているが、メジャー系映画会社は、近年その市場支配力を更
に強化している。その背後にある産業の経営戦略、それに対
抗するヨーロッパの映画振興政策、そして近年の技術革新の
影響などを探る。
河島伸子河島伸子
9
文化におけるマー
ケティング・マネジ
メント:
非営利の文化団体であっても、事業収入をいかに増やして
いくか、ということ、すなわちマーケティング活動は重要な
課題である。マーケティングはさらに観客・社会一般との関
係づくりにとっても大切な考え方である。今回はこのような
マネジメントの基本を理解する。
同上同上
10 アーツ・マネジメン
トと鑑賞者開発:
前回に続き、観客との関係作りを基礎にするマネジメント
を探る。既に観客となっている人々を超え、観客となる可能
性を秘めた人々を掘り起こしていく「鑑賞者開発」について明
らかにする。
同上同上
11 視覚芸術とマネジ
メント:
行政・美術館・商業ギャラリーが、美術館・マネジメント
に果たす役割を、比較社会的(欧米型とアジア型)に明らか
にする。その際、アーティストの関係や空間的インスタレー
ション・コラボレーションなどの意義も考察する。
川崎賢一川崎賢一
12 舞台芸術とマネジ
メント:
オペラ・クラシック音楽・演劇などの舞台芸術の特殊性と
それに起因するマネジメントの特性、プログラミングにおけ
るリスクとその回避のあり方、専門家の養成システムなど財
政面での社会的支援システムについて国際比較を通じて検討
する。
佐々木雅幸佐々木雅幸
13
ポピュラー文化の
マネジメント:
(2):音楽産業
CDや放送で聞かれる録音音楽の生産・流通における産業
の構造、市場の特徴を探り、音楽における革新との関係を明
らかにする。またインターネットの発展にともなう音楽流通
の変革が、マネジメントに与える影響を探る。
河島伸子河島伸子
14
新しいメディア文
化とアーツ・マネジ
メント:
CG やコンピュータ技術を用いたアートについて、そのボー
ダーレスな実態とその対応を分析する。メディアビジネス・
マイクロビジネスとしてのアート。その際、知的所有権・知
識マネジメントのあり方などを検討する。
川崎賢一
佐々木雅幸
川崎賢一
佐々木雅幸
15
グローバルな文脈
におけるアーツ・マ
ネジメント:まとめ
と展望:
グローバルな文脈でアーツ・マネジメントを捉える必要性
を述べる。その普遍的性格の一方で、非欧米文化の抱える問
題や対応を紹介する(ディアスポラ・ジェンダー・エスニシ
ティなど)。また、日本社会の今日的問題も指摘し、今後を
展望する。
川崎賢一川崎賢一