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2004/11/05
1892312.doc 1
= 分子生物学(‘05)=( TV)
〔主任講師: 石川統( 放送大学教授)〕
全体のねらい:
分子生物学のおもな目的は,さまざまな生物たちが共通に示す現象を,核酸とタンパク質という分子の挙
動を通じて理解することである.本講義では,分子生物学のエキスパートがそれぞれの分野の基礎をわかり
やすく説明する.
回テーマ内容
執筆担当
講師名
( 所属・職名)
放送担当
講師名
( 所属・職名)
1 分子生物学とは
何か:
分子生物学の起源と歴史,生物科学全体に及ぼす
分子生物学の影響,分子生物学の変貌,分子生物学
は発展的に解消しつつあるという見解等々をテーマ
に,分子生物学全体を概観する
石川統
( 放送大学
教授)
石川統
( 放送大学
教授)
2 核酸とタンパク
質の構造:
生命現象は、さまざまな分子の働きによって営まれ
ているが,分子生物学の対象として最も重要なの
は,遺伝情報を担う核酸と,遺伝情報が翻訳された
機能的分子のタンパク質である.核酸とタンパク質
の構造と機能の全体像を概説する
藤原晴彦
(東京大学
大学院教授)
藤原晴彦
(東京大学大
学院教授)
3 遺伝と遺伝情報:
メンデルの遺伝の法則を説明し, それらの法則性の
基礎となっている分子生物学について説明する.さ
らに,その説明を通じて,遺伝情報とは何であるか
を考察する
石川統
石川統
4 遺伝子と染色体:
遺伝子はDNA
でできているが,すべてのDNA
が
遺伝子ではないこと,遺伝子の座である染色体の構
造,染色体を通じて遺伝子が子孫に伝えられるしく
みなどを説明する
石川統
石川統
5 DNA の複製:
生物が親から子に, 種としての遺伝情報をつたえる
分子機構を概観する.原核生物での理解をもとに真
核生物での遺伝子複製もみる.複製反応とならび、
校正反応についてものべる
渡辺雄一郎
(東京大学
大学院助教
授)
渡辺雄一郎
(東京大学
大学院助教
授)
6 遺伝情報の発現:
1.転写:
遺伝情報が生体で利用されるためには,核内でDNAがいったんRNA にコピーされる必要がある.この過
程は転写と呼ばれ,遺伝情報の発現量や発現時期を調節する重要なステップである.転写機構,転写に
関わる酵素,転写を調節する因子などについて述べる
藤原晴彦藤原晴彦
2004/11/05
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回テーマ内容
執筆担当
講師名
( 所属・職名)
放送担当
講師名
( 所属・職名)
7
遺伝情報の発現:
2.プロセシン
グ:
真核細胞では,転写されたRNA がそのまま働くこと
は少なく,核の中で様々な修飾・加工(プロセシング)
を受ける.スプライシングやキャッピングなどの真核
細胞のmRNA に特有なプロセシング,さらにrRNA やt
RNA のプロセシングのしくみについて解説する
藤原晴彦藤原晴彦
8
遺伝情報の発現:
3.翻訳と翻訳
後修飾:
遺伝情報がタンパク質に変換される最後の過程が
翻訳である。mRNA を鋳型にして正しくタンパク質が作
られるしくみを学ぶ.またその後,翻訳されたタンパ
ク質が機能を持つように修飾される機構や,翻訳を阻
害することによって働く抗生物質の働きも付け加える
石浦章一
(東京大学
大学院教授)
石浦章一
(東京大学
大学院教授)
9 ゲノムとプロテ
オーム:
多くの生物の遺伝子情報があきらかとなってきた.
ゲノムとはなにか.そこから何がわかるか.プロテオ
ームとはなにか.そこから何がわかるかについて解説
する
渡辺雄一郎
(東京大学
大学院助教
授)
渡辺雄一郎
(東京大学
大学院助教
授)
10
タンパク質の機
能:
1.酵素と膜タ
ンパク質:
生体内触媒である酵素反応のしくみを学ぶ.また,
酵素阻害のメカニズムを調べ,阻害反応の実際の応用
例としての薬剤の働きを検討する.さらに,生体膜に
埋め込まれたタンパク質の特殊な機能(受容体,チャ
ネル等)についてもまとめる
石浦章一石浦章一
11
タンパク質の機
能:
2.免疫のしく
み:
哺乳類で高度に発達している,自己と非自己を識別
するしくみについて説明し,そのしくみの基礎にある
抗体の多様性を生みだす機構を考察する.また,液性
免疫と細胞性免疫の間の役割分担についてのべる.
石川統
石川統
12 突然変異と分子
進化:
個々の個体に生じた突然変異が集団全体に広まるこ
と,これが進化である.分子生物学の発展により,分
子レベルで進化を理解できるようになった.ここでは,
分子レベルの進化のしくみとその特徴について解説す
る
二河成男
(放送大学
助教授)
二河成男
(放送大学
助教授)
13 RNA の多様な機
能:
RNA は,単に遺伝情報の仲介物質と思われがちであ
る.しかし,現在では,触媒や制御因子といった多様
な活性をもつ機能性高分子であることが明らかになっ
てきた.これらの機能性RNA
の構造と反応のしくみ
について解説する
二河成男二河成男
14 遺伝子操作:
遺伝子操作とはどのような技術か.可能になった実
例,将来の可能性を紹介し,研究を行うための法律的
な基準についても紹介する.
渡辺雄一郎渡辺雄一郎
2004/11/05
1892312.doc 3
回テーマ内容
執筆担当
講師名
( 所属・職名)
放送担当
講師名
( 所属・職名)
15 今後の社会と分
子生物学:
21 世紀は生命科学の時代であり,分子生物学はその
基礎として重要性を増すにいたっている.ここでは,
ゲノムから明らかになった生命のしくみ,病気の治療
法の開発,遺伝子改変食品,など私たちのまわりの問
題と,それにまつわる生命倫理について講義する
石浦章一石浦章一