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2003/11/15
1653717.doc 1
= 韓国朝鮮の歴史と社会(‘04)=( TV)
〔主任講師: 吉田光男( 東京大学大学院教授)〕
全体のねらい
古代から近現代までの朝鮮半島の歴史を、政治・経済・社会・文化がもっている特色に焦点をあてて
概観する。日本や中国など周辺諸地域との政治関係や文化交流に注目し、朝鮮半島の歴史が、他地域と
は異なる特色をもっていることを明らかにするとともに、東アジア国際社会の中で他地域の歴史と相互
に連関しあいながら展開されてきたことを考察する。
回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
1 韓国朝鮮の歴史と
社会を学ぶこと:
朝鮮半島と日本とは古代から密接な関係をもっていた。日本
において韓国朝鮮の歴史と社会を学ぶことの意味を現代的な
視点でとらえ、本講座を学習するにあたっての入門とする。吉田光男
(東京大学大
学院教授)
吉田光男
(東京大学大
学院教授)
2 古代国家の形成と
展開:
古朝鮮から新羅滅亡までの千年以上にわたる古代国家の形成
と、その展開過程を論じる。日本列島や中国大陸の動向に留
意しながら、朝鮮半島に展開した古代国家の特質に力点を置
いて分析していく。
李成市(早
稲田大学教
授)
李成市(早
稲田大学教
授)
3 古代朝鮮の社会と
文化:
朝鮮半島における古代国家の形成過程で誕生した高句麗、百
済、加耶、新羅などの諸国の社会と文化について、中国大陸
や日本列島との相互関係に留意しながら検討する。
同上同上
4 高麗の政治・社会・
文化:
10 世紀に建国された高麗500
年間の歴史を、政治過程・社会
動向・文化的特色を中心として論じる。契丹など周辺勢力か
ら圧迫を受け、13
世紀にはモンゴル(元)の支配を受けるこ
とになるが、一方ではこの時代、高度な仏教文化が発達した。
このような高麗の歴史社会的独自性を見てみる。
六反田豊
(東京大学大
学院助教授)
六反田豊
(東京大学大
学院助教授)
5 朝鮮王朝の建設・発
展:
14 世紀末の李成桂による王朝の創設から15
世紀までの朝鮮
時代前期の歴史を、政治過程を中心として論じる。独特の文
字ハングルを創制し、日本・中国など周辺地域とも安定した
関係を築いた点などに焦点を当て、この時代の様相を概観す
る。
同上同上
2003/11/15
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回テーマ内容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
6 朝鮮時代後期の政
治:
16 世紀末から19
世紀半ばまでの朝鮮時代後期の歴史的特
色を、政治過程を中心としてみていく。日本軍と女真(後金、
清)軍の侵入によって危機に立たされた時期から、改革政策
を実施する時期までを展望する。日本や清との外交関係にも
留意して、東アジア国際秩序の中における韓国朝鮮の位置に
ついて考えている。
吉田光男吉田光男
7 朝鮮時代後期の社
会と文化:
朝鮮時代後期には、韓国朝鮮は総体的に安定した時代をむ
かえる。朝鮮王朝時代後期の社会関係や文化がもっていた特
色について論じる。経済変化が社会に与えた影響に着目しな
がら、人々が生活の中から作り出してきた社会文化を論じて
いく。
同上同上
8 開国と開化の時代:
1876 年、朝鮮は日本との間で日朝修好条規を締結して「開
国」した。この時代、開化政策によって朝鮮が変貌していく
様相を、東アジア世界の近代的再編成という文脈の中で探っ
ていく。時期としては、朝鮮半島をめぐる日本・清の対立が
日清戦争として火を噴くころまでを見ていく。
月脚達彦
(東京外国語
大学助教授)
月脚達彦
(東京外国語
大学助教授)
9 近代化と民族運動:
日清戦争から日露戦争までの時期を、近代国家の形成過程
を中心として見ていく。上からの改革は挫折を余儀なくされ、
地方では民衆反乱が頻発した不安定な時代となる。この時代
を、近代化政策と民衆の動きを通して描いてみる。同上同上
10 植民地化と抵抗運
動:
1905 年、第2次日韓協約によって保護国とされた朝鮮は、
1910 年、ついに日本の完全な植民地とされ、「武断統治」と
よばれる日本の植民地支配下におかれるようになる。日露戦
争から1919
年の三・一運動までの時期について、日本の侵
略・支配と、それに対する朝鮮側の反応に焦点を当てて見て
いく。
同上同上
11 植民地期の社会:
1910 年以降、「武断政治」として開始された日本の植民地
支配は、三・一運動を経て、より巧妙な「文化政治」に転換
する。異民族支配下で「近代」をむかえた朝鮮社会の動きに
ついて、民族運動の展開と「近代性」の形成に留意しながら
考えていく。
並木真人
(フェリス女
子大学教授)
並木真人
(フェリス女
子大学教授)
12 戦時体制下の朝鮮:
満州事変後大きく動揺する朝鮮に対して、朝鮮総督府は「皇
民化」政策を実施したが、結局敗戦により植民地支配は崩壊
した。しかし、「解放」はもうひとつの戦争を招来した。戦
争遂行のために変容した社会の実相を、民衆の対応を含めて
明らかにする。
同上同上
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執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
13 分断から現代へ:
朝鮮戦争の終結により南北の分断が強化された朝鮮半島に
おいて、人々は新たな苦難に直面することになる。以後、南
北二つの地域は独自の国家を建設し、社会の分裂は深まって
いく。このような現代史の歩みを国際情勢の変化と合わせて
論じていく。
並木真人並木真人
14 韓国の民俗世界:
韓国朝鮮は中華文明の周辺にありながら独自の文化を形成
してきた。韓国朝鮮の多様な民俗文化について、大伝統と土
着伝統とを対比しながら、年中行事・通過儀礼・宗教などの
現代社会におけるあり方を論じていく。
秀村研二
(明星大学助
教授)
秀村研二
(明星大学助
教授)
15 現代韓国人の社会
関係:
現代韓国人たちは、儒教という伝統によって意味づけられ
た父系血縁関係を基盤の一つとして社会関係を結んでいる。
一方で、彼らはそれ以外の様々な横の関係を結ぶことで社会
活動の幅を広げている。このような現代韓国の社会関係につ
いて、家族・親族とのインフォーマルな関係を中心にして論
じる。
同上同上