HOME 2004/11/05 1127616.doc 1 = 国際経営論(‘05)=( TV 〔主任講師: 吉原英樹( 神戸大学教授)〕 全体のねらい 輸出、輸入、海外生産、海外研究開発など、一国の国境をこえて行なわれる国際経営は、いまや日 本企業ではめずらしいことではない。その日本企業の国際経営をテーマにして、歴史、現状、課題、 今後の動向などを、具体例をまじえて明らかにしていきたい。 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
国際経営とは わたくしたちの身の回りにある国際経営の具体例をみたあ と、国際経営とはいかなるものであるかを定義したい。そし て、ひとつの企業のなかに多くの経済・政治・文化をかかえ ながら経営するのが国際経営の特徴であることを説明した い。 吉原英樹 (神戸大学教 授) 吉原英樹 (神戸大学教 授)
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多国籍企業 国際経営を行なう代表的な企業は、多国籍企業である。多国 籍企業とは、親会社と海外子会社から成る企業である。日本 の多国籍企業とは具体的にどの企業であるかをみたうえで、 親会社と海外子会社の特徴などを明らかにしたい。 同上同上
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国際経営戦略 国際経営の基本方針である国際経営戦略について、歴史的な 発展を跡づけつつ、基本的なことを明らかにしたい。国内経 営で蓄積される技術や経営ノウハウなどが国際経営の基盤で あることを説明したい。国際化の理念の重要性についてもの べたい。 同上同上
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国際マーケティン グと国際調達 製造企業の輸出マーケティングがどのように発展して現在に 至っているかを、日本独特の企業である総合商社の役割に関 連づけながら明らかにしたい。最近、重要性を増している製 品輸入および部品材料の輸入(国際調達という)もとりあげ たい。 同上同上
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海外生産 海外生産の初期(1970 年代ごろまで)には、海外工場は国内 工場と比較して小規模なものだったが、現在では国内工場を こえる大規模な工場がみられるようになっている。なぜ海外 生産が行なわれるかを歴史的に明らかにしたうえで、海外工 場で実施されている日本的生産の特徴をみたい。 同上同上 2004/11/05 1127616.doc 2 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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技術移転と海外研 究開発 海外子会社の多くでは、日本の親会社で開発された製品を、 日本の親会社から移転される生産技術を使って生産する。最 近になると、海外子会社で研究開発が行なわれ、新しい製品 や技術が開発されるようになっており、その一部は日本親会 社に逆移転される。国際経営のいちばん新しい動きである海 外研究開発の基本的なことを明らかにしたい。 吉原英樹吉原英樹
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国際経営組織と所 有政策 輸出から海外生産へと国際経営活動の重点がシフトするにつ れて、国際経営の組織は輸出部門、海外事業部、グローバル 事業部制へと発展してきている。また、海外子会社の資本所 有形態は、1970 年代までは、合弁とくに総合商社がパートナ ーに加わる商社参加型合弁が多かったが、最近では完全所有 子会社が多くなっている。 同上同上
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海外子会社の経営 海外子会社では、日本人の経営者や管理者が中心になって、 親会社の経営戦略の枠組みのなかで、親会社から移転される 技術や経営ノウハウを使って経営している。工場では日本的 生産のもとで現地人が高いモラールで仕事をしているのにた いして、オフィスでは状況はよくない。海外の日本企業の明 暗である。 同上同上
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国際経営と言語 親会社と海外子会社のあいだの、また、親会社や海外子会社 で現地人が加わるコミュニケーションでは、英語がよく使わ れる。しかし、重要な事柄についてのコミュニケーションで は、日本語が中心的な言語になっている。日本語が使われる ときには、現地人は情報のやりとりや意思決定に参加しにく い。 同上同上
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北米・欧州のなかの 日本企業 日本企業の北米への進出は、当初は輸出のための販売子会社 が多かったが、保護主義を克服する目的で輸出から現地生産 への転換が行なわれ、製造子会社が増加した。最近では、市 場内で生産することのメリットやコスト面の有利性を理由 に、現地生産がなされるようになった。欧州への進出は、地 域経済統合によって影響をうけている。 同上同上
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アジアのなかの日 本企業 日本企業にとって、1980 年代までは極東と東南アジアが主要 な舞台だったが、1990 年代からは中国の重要性が急激に高ま っている。極東・東南アジア・中国の重点の置き方および分 業と相互関連をどのようにするかが、アジア戦略のポイント になっている。 同上同上
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国際経営と国内空 洞化 最近の海外生産の本格的な推進によって国内空洞化がはじま っている。この空洞化は、国内生産はふえているが海外生産 の成長のほうが高い、国内生産が減少する、生産技術やノウ ハウが国内から海外に移っていく、この3 種類にわけること ができる。この空洞化は、企業と国家のあいだに緊張関係を 生む。 同上同上 2004/11/05 1127616.doc 3 回テーマ内容 執筆担当 講師名 (所属・職名) 放送担当 講師名 (所属・職名)
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外資系企業 日本企業の海外進出に比較すると外国企業の日本進出はすく ない。外国企業の日本子会社である外資系企業には、現地人 (日本人)社長、現地的(日本的)経営、好業績、イノベー ション・センターなどの特徴がみられる。これらの特徴は、 日本企業の海外子会社の経営にひとつのモデルを提供してい るといえる。 吉原英樹吉原英樹
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国際経営戦略の今 後の展開 海外生産のいっそうの推進が国際経営戦略のひとつの課題で ある。海外研究開発の本格化によって、新製品や新技術を生 み出す海外子会社を育てることも必要である。また、日本親 会社から技術など経営資源が一方的に海外子会社に移転する 日本中心のワンウェイを、日本親会社と海外子会社のあいだ に逆移転や水平移転もみられるネットワーク経営に変えてい くことも課題になろう。 同上同上
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国際経営マネジメ ントの革新 世界中にある販売・生産・研究開発の海外子会社で国際経営 活動が行なわれている。その国際経営活動は日本人が中心に なって日本語によってマネジメントされている。日本人と現 地人が英語で国際経営活動をマネジメントするように変えて いくことが必要であり、そのためには日本親会社の国際化(内 なる国際化)にも取り組まなければならない。 同上同上