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=総合情報学(‘02)=(TV)
〔主任講師: 中島 尚正(放送大学副学長)〕
〔主任講師: 原島 博(東京大学大学院教授)〕
〔主任講師: 佐倉 統(東京大学大学院助教授)〕
全体のねらい
急速に発展している情報技術は、現代の情報化社会を支える基盤として社会全体に大
きな影響を与えており、広く産業、
経済、政治、教育、芸術、文化等における知的活動を質的に変えつつある。社会の諸
活動における知の営みと情報の関係を
正しく理解することは、21世紀に生きる私達にとって、文系・理系の区別なく必要
とされることであり、総合情報学は広
義の情報リテラシーを幅広く身に付けることを目的としている。
回 テーマ 内 容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
1 総合情報学の視座
講義の第1回目として、総合情報学の全体像を概観し、併
せて講義の進め方についてオリエンテーションをおこなう。
中島 尚正
(放送大学副
学長)
原島 博
(東京大学大
学院教授)
佐倉 統
(東京大学大
学院助教授)
中島 尚正
(放送大学副
学長)
原島 博
(東京大学大
学院教授)
佐倉 統
(東京大学大
学院助教授)
2
情報技術の発展
(1)−メディアの
進化−
情報技術のデジタル化を機軸とした予想される今後の発展
が、情報環境を含むメディアの進化にどのような影響をおよ
ぼしていくかについて、マクルーハンの「メディアはメッセ
ージである」という広く知られた言葉を起点として、モバイ
ル、ユビキタスという視点に重点をおきながら概説する。
北川 高嗣
(筑波大学教
授)
原 島 博
北川 高嗣
(筑波大学教
授)
3
情報技術の発展
(2)−新しいリア
リティの可能性−
情報メディアの進化の様相について考察し、それによって
もたらされる可能性のうち、2つの重要な要素である、コミ
ュニティと身体性の問題に関連し、1) 情報技術を用いた組
織形成、組織の学習・成長の支援の可能性、2) 情報技術を用
いたバーチャル(実質的に同等)なリアリティの形成の可能
性について概説する。
同 上 同 上
4 産業と生産の情報化
情報化の流れは、生産と流通のしくみを一変させ、情報関
連産業だけでなく、製造業をはじめとして産業の構造を変容
させている。ここでは、その実例を紹介しながら、これから
の産業と生産の方向を考える。
中島 尚正 中島 尚正
5 情報と経済
情報化とともに経済のグローバリゼーションが進むが、コ
ミュニティの衰退という問題も生じている。近年、新たな交
換媒体として注目されている「地域通貨」を紹介しながら、
情報化と経済の関連、コミュニティの今後のあり方について
考える。
西部 忠
(北海道大学
助教授)
植田 一博
(東京大学助
教授)
西部 忠
(北海道大学
助教授)
6 情報と法律
ネットワーク犯罪や著作権、プライバシーなど、情報技術
によって新しく発生してきた問題に法学はどう答えようとし
ているのか、他領域とのコラボレーションの可能性も含めて
議論する。
濱田 純一
(東京大学教
授)
原島 博
濱田 純一
(東京大学教
授)
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回 テーマ 内 容
執筆担当
講師名
(所属・職名)
放送担当
講師名
(所属・職名)
7 メディア・アートと
テクノロジー
コンピュータの出現で可能になったアートの新しい動きに
ついて、映像を中心に紹介する。
原島 博 原島 博
8 情報と脳
認知ロボットの実験を通して、認知及び意識の問題への構
成論的アプローチを、以下の点に注目しつつ紹介する。1)
工学構成論、脳科学、現象学の接点。2)認知・意識の研究
における身体性の意味。3)神経回路およびロボットモデリ
ング。4)実験結果に関する力学系アプローチに基づく解析。
5)実験結果に基づく自己意識に関する現象学的解釈。
植田 一博
(東京大学助
教授)
植田 一博
9 情報装置としての
人間
人間は、環境との間でインタラクションをおこなう情報装
置であると考えることができる。このような情報学の立場か
らの人間理解の系譜を解説し、併せて、情報学と進化論を結
びつけて人間の認知や行動を捉えようとする最近の動きを紹
介する。
同 上
佐倉 統
植田 一博
10 情報化時代とメデ
ィア
多様なデジタルメディアの普及が、メディアの世界にどの
ような変容を引き起こしつつあるのか、今後、メディアの世
界と我々はどのような関係を構築できるのかを、ソシオ・メ
ディア論を軸に、ビデオ・ジャーナリズム、メディア・リテ
ラシーなどのキーワードを織り込みながら展開する。
山内 祐平
(東京大学助
教授)
佐倉 統
山内 祐平
(東京大学助
教授)
11 情報化社会の教育
バーチャルユニバーシティ(オンラインによる大学教育)
やホームスクーリング(ネットワークや通信教材によって自
宅で学習する形態)によって大きく変容しつある合衆国の教
育の現状を追い、これからの教育環境のあり方について議論
する。
同 上 同 上
12 ネットワークコミ
ュニティの組織論
Linux で脚光をあびたオープンソース運動や災害時の情報
ボランティアなど、インターネットというメディアを通じて
発生してきたボランタリーな組織のあり方とその可能性につ
いて議論する。
佐倉 統 佐倉 統
13 情報と生命科学
生命情報の基本であるゲノムを解読しようというゲノム計
画が、世界的な規模で進行中である。これは情報技術の発展
によるところが大きい。ヒト・ゲノム計画の意義を情報学の
観点から解説するとともに、情報と生命論の枠組みについて
考察する。
同 上 同 上
14 情報と生命論
生命の進化を情報という観点から見ることによって、人間
の文化活動との接点が生まれつつある。文化情報の複製単位
である「ミーム」という概念を導入することで、文化現象を
生命現象と同じモデルで記述できる。ミーム学の意義、現状、
今後の展望などについて解説する。
同 上 同 上
15 総合情報学の展開
と課題
講義の最終回として、3名の主任講師の座談会形式で、総
合情報学の今後の課題について語る。
中島 尚正
原島 博
佐倉 統
中島 尚正
原島 博
佐倉 統