53

コンピュータがひらく文化融合

(TV)

〔担当講師:杉本 大一郎(放送大学教授)他〕

講義内容

科学を発展させるための計算機とそのシステムは,科学計算の意味においても, 文明論においても,新しい段階に入ろうとしている。それによって,自然界と秩序 の階層構造が解明されるだけでなく,文明の融合まで起こるであろう。計算機の未来に期待される新しいパラダイムについて論じる。

 

 

54

光から学ぶ知〜分光学のあゆみ〜

(TV)

〔担当講師:A.J.メラー(ブリティッシュコロンビア大学名誉教授)〕

講義内容

自然を観測して様々な情報を得ようとする場合,時間,空間,そしてエネルギー のどの範囲を,どの程度の感度で,どの程度の分解能で観測するかで,見える現象 の種類と認識が異なってくる。この視点は,自然科学だけでなく,人文・社会学的 な現象を観察する場合にも適用できよう。最近は,分解能力の高い,高感度の測定 が研究の主流であるが,広い視野を持つことの重要性を自然科学の立場から講義を行う。

 

 

55

自然界のパターンを数理で見る

(TV)

〔担当講師:三村 昌泰(広島大学大学院教授)〕

講義内容

自然界には驚くほど多種多様な紋様、形態がみられる。その中でもマクロな世界 では雲、大気の対流、海洋の渦、ミクロな世界では結晶成長、燃焼、細胞分化、形 態形成など非線形非平衡現象として知られている。非線形非平衡現象とは、非線形 であって、外部とのエネルギー収支が系の状態や挙動に重大な影響をあたえるもの である。このような系の特徴は自発的なパターン形成を伴うことである。これまで このような系は数学(あるいはもっと広く数理科学)からは接近されていなかった が近年コンピューターの急速な発展によって、従来取り扱いがきわめて困難と思われていた研究が可能となった。

ここでは、コンピューターを用いた数値的研究と数学的理論研究を相補的に用い ることから、新しい数理科学的方法論が生まれつつあることを示す講座としたい。

 

 

56

数学で解く心の世界

〜計算エラーはなぜ起こるのか〜

(TV)

〔担当講師:西川 泰夫(放送大学教授)〕

講義内容

「数理心理学」は、科学に共通な数学的基盤に立って「心」へ接近しようとする ものである。心を心的表象系を構成する要素である記号と記号を一定の規則に則っ て、秩序づけるシステムと捉え、この記号計算に関わる論理構造関係構造の解明に当たる。 このような心への接近法は、心理学が実験心理学として立ち上げられた出発点以

来の主題であった。

この講義では、この分野が解き明かしてきた心の世界の一端を、身近な心的現象を取り上げ紹介する。

 

 

57

動物性たんぱく質資源を脅かす原虫病

(TV)

〔担当講師:五十嵐 郁男(帯広畜産大学原虫病研究センター長)〕

講義内容

原虫は一個の動物性細胞の微生物であり、人や動物に寄生して重度の病気を引き 起こし、特にアフリカ、アジア、南米地域で人や動物の健康や畜産物生産に大きな 打撃を与えている。21世紀の人類が充分な動物性タンパク質を確保するには、こ れらの地域の家畜生産向上が必要とされている。しかし、世界の家畜の70%以上 は開発途上国で飼育されているが、その生産量は世界の30%にしか過ぎず、その 主要な原因として原虫病による被害があげられている。原虫はその構造や発育様式 がウイルスや細菌より複雑で、ワクチンや治療薬開発の障害となっている。したが って、原虫病の予防と治療法の確立は、世界の動物性タンパク質資源の安定供給に とって重要かつ緊急な課題である。この問題を各種の映像を紹介しながら講義する。

 

 

58くらげの生態
〜浮遊する生命の不思議〜

 

59

生命誌の世界

〜生きものを見つめ、生命を考える〜

(TV)

〔担当講師:中村 桂子(JT 生命誌研究館館長)〕

講義内容

38億年前にひとつの祖先から始まり、類似の遺伝子をもつ地球上の生き物群。

ヒトはこれらの生き物とこれからの世界でどのようにかかわって生きるべきだろ うか。地球上の生き物がどのように生きてきたかを調べる「生命誌」の観点から、 現代の生物学研究やその他の諸研究、さらに諸産業の分野での研究の基本姿勢について講義する。

 

 

60

新技術による結晶構造解析

(TV)

〔担当講師:大橋 裕二(東京工業大学教授)〕

講義内容

物質を構成する原子や分子の構造を知る方法では,結晶にしてX 線回折で解析す るというのが確実な方法として知られている。これにより、食塩やダイアモンド等 の無機物から、たんぱく質やウィルスなどの生体高分子の構造まで解析できるよう になった。ところが、従来の方法では全データの収集に、数日から数週間もかかり、 化学反応途中の分子構造の変化などは解析できなかった。ところが、東京工業大学 では新たな技術により,桁違いに時間を短縮、物質の変化の新しい世界を見ること ができるようになった。リーダーの大橋教授にこの研究の全貌を講義してもらう。

 

 

 

61

清浄な水を求めて

〜上下水道の成立とその未来〜

(TV)

〔担当講師:丹保 憲仁(放送大学長)〕

講義内容

都市に住む人々は、どのようにして清浄な水を得ようとしてきたのか。そして、 今はどうなっているのか。環境問題の一環として水環境の重要性が指摘されているなかで、21 世紀を生きる都市の住民は、どのように対処していったらよいのか。

将来の水資源の利用のあり方を視野に入れながら、人間が都市生活を営むなかで必須の水資源について考察する。

 

 

62

昆虫微生物と遺伝子工学

(TV)

〔担当講師:宮嶌 成壽(元三重大学教授)〕

講義内容

病原微生物により人が病気になるように、昆虫にも病気が発生する。

昆虫の病原微生物と、それに含まれるウイルスの種類と性質を示し、遺伝子工学に利用する方法を明らかにする。

また、昆虫で有用物質を生産する仕組みと特徴、応用例などを説明し、昆虫工場への発展を展望する。

 

 

63

ヤドリバエの世界

(TV)

〔担当講師:嶌 洪(九州大学教授)〕

講義内容

ハエ類の中では最も進化した一群と考えられる「ヤドリバエ科昆虫」は、幼虫時 代をすべて他の昆虫に寄生して成長する。このためヤドリバエは生物農薬としての 有用性があり、化学物質による環境汚染を防止する観点から、その研究の重要性が増している。

ヤドリバエ類の多様な寄生戦略を観察し、高等ハエ類の進化を考える。

 

 

64

変化アサガオ

〜花形態研究の新しい材料〜

(TV)

〔担当講師:和田 清俊(新潟大学教授)〕

講義内容

江戸時代、アサガオとは思えないような変わりもののアサガオの大流行があった。

このことはメンデル以前でありながら「遺伝学」の目があったことを示している。

この主に江戸時代に蓄積された変化アサガオの資料は、花形成機構を遺伝子レベル で解明する上での有力な研究材料となる。変化アサガオを例に、昔の記録からでも新たな発見が生まれる可能性についてふれる。

 

 

 

65

不斉分子触媒の発見と応用

(TV)

〔担当講師:野依 良治(理化学研究所理事長)〕

講義内容

2001 年度のノーベル化学賞を名古屋大学の野依教授(当時)が受賞した。受賞 理由となった『不斉合成の原理』についての研究成果と、化学研究の魅力について話していただく。

 

 

66

宇宙環境の科学

(TV)

〔担当講師:井口 洋夫(独立行政法人宇宙航空研究開発機構顧問)〕

講義内容

重力の極めて小さな宇宙空間では、互いに混じり難い2成分物質の界面が実際的 に消失し、よく混合し、地球上では作りにくい新物質を創製できる。こうして作ら れる新規物質のうち、特に分子エレクトロニックスの分野で興味ある成果を中心に紹介し、今後の展望についても触れる。

 

 

67

ヒトES細胞と再生医学の課題

(TV)

〔担当講師:中辻 憲夫(京都大学教授)〕

〔担当講師:加藤 和人(京都大学助教授)〕

講義内容

様々な組織や臓器になりうるヒトの胚性肝細胞(ES細胞)を、医療に利用する 可能性が現実味を帯びてきた。文部科学省の指針を受けて、京都大学の再生医科学研究所は、平成13 11 月に、ヒトES細胞作製計画に取り組む方針を固めた。医 療と生命倫理の関係が問われるなかでの、ヒトES細胞研究の最先端の様子と課題を示す。

 

 

68

粒子線治療によるがん制圧

(TV)

〔担当講師:阿部 光幸(兵庫県立粒子線医療センター名誉院長)〕

講義内容

日本において死因の一位を占めるがん治療において、近年、陽子線、炭素線(一 括して粒子線という)という新しい放射線が医療に使われるようになり、切らずに優れた治療成績を上げるようになってきた。

その最大の理由は、陽子線、炭素線は通常の放射線と異なり、病巣を集中的に照 射できるので、がんに対する照射量を増やし、しかも副作用を著しく軽減できるからである。

講義では、この粒子線治療の特徴と治療成績を、実際の治療現場の映像を交えながら解説する。

 

 

69

銀河系の立体地図を作る

(TV)

〔担当講師:笹尾 哲夫(亞州大学校研究教授)〕

講義内容

最近、銀河系のすみずみまで精密に距離を測定する新しい装置の開発が、各国で 進んでいる。なかでも日本の、VERA(天文広域精測望遠鏡)プロジェクトは、 電波望遠鏡による相対超長基線干渉計という独自の方法で、このような測定を成功 させ、銀河系の立体地図作りを行っている。世界の注目を集めているこの研究の様子とその意義を理解してもらう。

 

 

70

加速する宇宙膨張

〜超新星の観測から〜

(TV)

〔担当講師:土居 守(東京大学助教授)〕

講義内容

これまでの天文学の常識によれば、宇宙の初期を除き、宇宙の膨張はしだいに減 速していると考えられてきた。ところが、超新星(星の進化の最終段階における大 規模な爆発現象)を用いた最近の観測によれば、宇宙は減速から加速に転じている という結果が得られている。この宇宙モデル等に大きな影響を与える大発見の結果や意味について講義する。

 

 

71

鴨川の治水と京の景観

(TV)

〔担当講師:川崎 雅史(京都大学助教授)〕

講義内容

京都の人々は,鴨川の水を上手に生かして,今日観られるような豊かで落ちつい た景観を作ってきた。そうした先人の水とのつきあいに対する考えや工夫が観られ る幾つかのポイントを取り上げ,京都で育ち現在京都大学で地球環境工学を専攻している川崎雅史助教授に解説してもらう。

 

 

72

痛みの科学

(TV)

〔担当講師:熊澤 孝朗(名古屋大学名誉教授)〕

講義内容

誰もが経験しているように,病院を訪れるきっかけの殆どは身体のどこかに痛み がある場合であり,痛みが出現することで,身体に異常が起こっていることに気づく。このように,我々が日常に経験する痛みを科学し,1970 年代以降に爆発的進歩を遂げている痛みの研究成果を基に,そのメカニズムを概説し,人体への理解を深める。

 

 

72

 

 

73

遺伝子は何をしているのか

〜細胞分化の遺伝学〜

(TV)

〔担当講師:堀田 凱樹(国立遺伝学研究所長)〕

講義内容

複雑な体制をもつ高等生物も,一旦受精卵という単細胞に戻って,細胞分裂と分 化によって構造と機能の分化した成体をつくり,世代交代する。受精卵は3264個に分裂した桑実胚となってから各部位で分化がはじまるが,その機序は生物学医学にとって基幹的な問題であり,近年,ES 細胞の利用がはじまるなど,医療応用 にも期待が寄せられている。本講義では,この分野の最近の状況を展望し,解明が進んだショウジョウバエのgcm 変異を用いて,ニューロンとグリアの分化の機序をその発見者自らが講義する。

 

 

74

ミッシングリンク・イチョウの生物学

(TV)

〔担当講師:堀 輝三(筑波大学名誉教授)〕

講義内容

1896 年平瀬作五郎によってイチョウに精子があることが発見された。この発見 はコケ植物やシダ植物などの原始的な陸上植物と被子植物などの高等植物の生殖の間をうめる世界的な発見であった。

以来100 年以上が過ぎたが,筑波大学の堀輝三教授を中心とするグループは,若 いギンナンの中で花粉管が成長し,精子が発生し造卵器にたどり着くメカニズムを テレビカメラで撮影することに成功した。この映像は植物の進化と平行して生殖の 進化を考える上で貴重なものとなっている。これらのイチョウの生殖に関する一連の映像を紹介しながら植物の進化の過程を考察する。

 

 

 

75

4次元の世界

(TV)

〔担当講師:松本 幸夫(東京大学教授)〕

講義内容

4次元の世界といえば何やらオカルトの世界のようであるが,4次元の幾何学は現代の数学のまじめな研究対象である。この講義では,20 世紀に5次元以上の空 間についての理解がどのように進んだかを解説し,その中で浮かび上がってきた4次元の特殊性について説明する。

 

 

76

パタゴニアの氷河

〜近年の変動が語る地球温暖化〜

(TV)

〔担当講師:安仁屋 政武(筑波大学教授)〕

講義内容

南米大陸の南端地域パタゴニアは降雪量が多く,広大な氷河を発達させている。

地球温暖化の影響を受けて,その姿を変え縮小しつつあるパタゴニアの氷河を半世 紀にわたる観測データ,リアルな現地映像で紹介し,地球環境の変化を考察する。

 

 

77

宇宙へ発展する生命科学

〜動物と人間〜

(TV)

〔担当講師:山田 晃弘(東京大学名誉教授)〕

〔担当講師:山下 雅道(独立行政法人宇宙航空研究開発機構教授)〕

講義内容

現在,国際協力により大規模な宇宙ステーションの建設が進み,宇宙での生命科 学研究が数多く実施されようとしている。動物の進化や行動が地球の重力環境にど のように支配され,一方,適応によってどのように対処してきたか,そして,動物 進化の頂点にある人類が宇宙空間で活動する際の医学的問題を,これまでの宇宙環 境医学の成果をもとに解説し,長期の大規模な有人宇宙探査の構想を示す。

 

 

78

宇宙の新しい目「重力波望遠鏡」

(TV)

〔担当講師:藤本 眞克(国立天文台教授)〕

講義内容

2000 年の夏,国立天文台(東京・三鷹市)の構内にTAMA300 と呼ばれる重力波望遠鏡が完成し,世界に先駆けて重力波の観測を開始した。重力波は電磁 波やニュートリノに比べて桁違いの透視力があるので,超新星爆発時の中心部や宇 宙の始まりの状態など従来の観測では得られない情報が期待される。

この最新の観測装置についてその仕組みと期待される成果を解説し,さらに現在進行中の各国の重力波観測装置の現状をさぐり重力波天文学への入門とする。

 

 

79

現代の風力発電と先端技術風車

(TV)

〔担当講師:清水 幸丸(三重大学教授)〕

講義内容

環境問題が重要課題になっているなかで,自然エネルギー利用の一つとして風力 発電が期待され注目されている。しかし,風力発電の最大の課題である効率的な発 電は思うようには進まない。風車の材質,構造そして効率的な発電を生み出すイン バータ発電システムの研究など,この分野の一人者清水教授が最先端風車技術の現状,未来を解説する。

 

 

80鳥取砂丘の利用と世界の砂漠化問題詳細 (PDF:11KB)

 

 

81

地球環境保全と赤潮

(TV)

〔担当講師:岡市 友利(前香川大学学長)〕

講義内容

世界の人口が2025 年には80 億に達すると言われており,食糧としての漁業資 源の重要性が高まっている。一方,湖沼や沿岸域では環境汚染のために漁業,養殖 業の生産性が低下し,さらに,赤潮や有毒プランクトンの出現により魚介類の斃死 や毒化が世界的に大きな問題になっている。この問題が,地球環境問題と関連して いることの認識を深め,内湾や閉鎖性海域の環境保全のためのガヴァナンス(総合管理)のあり方について考える。

 

 

82ゲノム情報を超えた生命のふしぎ「糖鎖」(1)
〜第16回「大学と科学」公開シンポジウムより〜詳細
 (PDF:11KB)

 

 

83

ゲノム情報を超えた生命のふしぎ「糖鎖」(2)

〜第16 回「大学と科学」公開シンポジウムより〜

(TV)

〔担当講師:谷口 直之(大阪大学大学院教授)他〕

講義内容

ヒトのタンパク質のおよそ50%はなんらかの形で糖鎖を有していると言われて いる。糖鎖はタンパク質,核酸につぐ第3の生命の鎖であり,糖鎖は細胞同士の認 識,接着,発生,分化,がん化,情報交換などの重要な役割をになっており,多く の生命現象に欠くことのできないものであることが明らかになってきた。この糖鎖 の研究において,日本は世界をリードしており,その独創性が評価されている。糖 鎖に関して行われたシンポジウムの模様を2回にわたって紹介し,この研究が今後人間社会にどのような貢献をしていくのかを展望していく。

 

 

84

ヒトゲノム研究の現況と将来(1)

ヒトの設計図の解明

(TV)

〔担当講師:榊 佳之(東京大学教授)〕

講義内容

ヒトの全遺伝子を解読する「ヒトゲノム計画」は約10 年前に始まった。「ヒトゲ ノム計画」はヒトを遺伝子レベルで解明するという学問的意義の他に,1「医療へ の応用」2「新薬の開発などの産業的応用」3「倫理・法・社会への影響」という 3つの問題点も提示されている。番組では,第1回にDNA技術,遺伝子解析の臨 床応用などについて,第2回には遺伝子解読の倫理・法・社会への影響について講義する。

 

 

85

ヒトゲノム研究の現況と将来(2)

新しい医療・倫理・社会

(TV)

〔担当講師:武部 啓(近畿大学教授)〕

講義内容

ヒトの全遺伝子を解読する「ヒトゲノム計画」は10 年前に始まり,今年は21 番染色体に続き22 番染色体の完全解読が行われ,2003 年までには分析の全てが終了 する予定である。「ヒトゲノム計画」はヒトを遺伝子レベルで解明するという学問 的意義の他に,1「医療への応用」2「新薬の開発などの産業的応用」3「倫理・ 法・社会への影響」という3つの問題点も提示されている。番組では,第1回にD NA技術,遺伝子解析の臨床応用などについて,第2回には遺伝子解読の倫理・法・社会への影響について講義する。

 

 

86

ヒトゲノム研究の現況と将来(2)

新しい医療・倫理・社会

(TV)

〔担当講師:武部 啓(近畿大学教授)〕

講義内容

ヒトの全遺伝子を解読する「ヒトゲノム計画」は10 年前に始まり,今年は21 番染色体に続き22 番染色体の完全解読が行われ,2003 年までには分析の全てが終了 する予定である。「ヒトゲノム計画」はヒトを遺伝子レベルで解明するという学問 的意義の他に,1「医療への応用」2「新薬の開発などの産業的応用」3「倫理・ 法・社会への影響」という3つの問題点も提示されている。番組では,第1回にD NA技術,遺伝子解析の臨床応用などについて,第2回には遺伝子解読の倫理・法・

社会への影響について講義する。

 

 

87

ヒトゲノム研究の現況と将来(2)

新しい医療・倫理・社会

(TV)

〔担当講師:武部 啓(近畿大学教授)〕

講義内容

ヒトの全遺伝子を解読する「ヒトゲノム計画」は10 年前に始まり,今年は21 番染色体に続き22 番染色体の完全解読が行われ,2003 年までには分析の全てが終了 する予定である。「ヒトゲノム計画」はヒトを遺伝子レベルで解明するという学問 的意義の他に,1「医療への応用」2「新薬の開発などの産業的応用」3「倫理・ 法・社会への影響」という3つの問題点も提示されている。番組では,第1回にD NA技術,遺伝子解析の臨床応用などについて,第2回には遺伝子解読の倫理・法・社会への影響について講義する。

 

 

88

宇宙へ躍進する生命科学

(TV)

〔担当講師:山下 雅道(独立行政法人宇宙航空研究開発機構教授)〕

〔担当講師:高橋 秀幸(東北大学教授)〕

〔担当講師:河崎 行繁(三菱化学生命科学研究所研究員)〕

〔担当講師:山田 晃弘(東京大学名誉教授)〕

講義内容

なぜ,今,生命科学が宇宙か。地球上の生物は重力を利用し,克服して,今日の 発展をもたらした。多様化した植物,動物の構築と営みに重力がどのように関わっ ているかは,宇宙環境の微小重力下における生物実験によって明らかにされる。その成果と将来の展望を解説する。

 

 

89

太陽系外の惑星を探る

(TV)

〔担当講師:観山 正見(国立天文台教授)〕

講義内容

最近の高分解能観測は,太陽系以外にもこの宇宙には惑星を伴う星が存在するこ とを明らかにした。この研究の進展によって明らかになる星と太陽系の形成過程を 紹介するとともに,宇宙において地球のような惑星,そして文明を持つ世界の既存する確率についても言及する。

 

 

90

薬分子の作用を見る

〜医薬品開発の最前線〜

(TV)

〔担当講師:松崎 尹雄(科学技術研究センターフェロー)〕

講義内容

医薬品がどのようにして身体内で働くかを分子構造のレベルで解明する方法と して,X線結晶回折法がある。この方法は,ポストゲノムの近未来の研究の主流に なると考えられている。蛋白質分子に薬分子がどの様に結合するのか,医薬品開発の最前線を紹介する。

 

 

91

体を修復するセラミックス

(TV)

〔担当講師:小久保 正(京都大学教授)〕

講義内容

最近,セラミックスが骨の修復や癌の治療になくてはならぬ働きをするようにな ってきた。セラミックスの,硬くて強くて体液に腐食されにくく,摩耗されにくい ものは骨の欠損を補う上で大変貴重な働きをしている。また,ある種のセラミックスに中性子線を放射して発生するβ球を,腫瘍に送りこんで癌細胞を死滅させるこ ともおこなわれている。こうした医療の現場でセラミックスがどのような働きをし ているか,その現状と将来を実際の映像やCGなどを使って紹介する。

 

 

92

熱帯病の謎をさぐる

〜デング熱・デング出血熱〜

(TV)

〔担当講師:五十嵐章(長崎大学教授)〕

講義内容

熱帯地域で流行が拡大し,東南アジアなどで社会問題化しているデング熱のメカ ニズム解明,日本脳炎ウィルスの遺伝子について塩基の全配列を世界で初めて明ら かにするなど,自らもデング熱にかかった体験を生かしつつ,長年熱帯病に取り組 んできた教授の研究の一端をウィルス遺伝子の構造解析を中心に紹介する。

 

 

93

シリーズ「インターネットを支える技術」(1)

インターネットのしくみ〜TCP/IPとDNS〜

(TV)

〔担当講師:石田晴久(多摩美術大学教授)〕

〔担当講師:熊谷誠治(()電通国際情報サービス主幹研究員)〕

講義内容

インターネットは電子メールやホームページ開設など誰にでも簡単に操作でき るようになったが,それを陰で支えている技術については体系的に理解する機会が 十分に得られていない。そこでインターネット発展の基礎となっている基本的な技 術について3回シリーズで解説し,情報技術の急速な発展を理解するためのヒントとする。

 

 

94

シリーズ「インターネットを支える技術」(1)

インターネットのしくみ〜TCP/IPとDNS〜

(TV)

〔担当講師:石田 晴久(多摩美術大学教授)〕

〔担当講師:熊谷 誠治(()電通国際情報サービス主幹研究員)〕

講義内容

インターネットは電子メールやホームページ開設など誰にでも簡単に操作でき るようになったが,それを陰で支えている技術については体系的に理解する機会が 十分に得られていない。そこでインターネット発展の基礎となっている基本的な技 術について3回シリーズで解説し,情報技術の急速な発展を理解するためのヒントとする。

 

 

95

シリーズ「インターネットを支える技術」(3)

インターネットの活用〜QoSとセキュリティ〜

(TV)

〔担当講師:石田 晴久(多摩美術大学教授)〕

〔担当講師:熊谷 誠治(()電通国際情報サービス主幹研究員)〕

講義内容

インターネットは電子メールやホームページ開設など誰にでも簡単に操作でき るようになったが,それを陰で支えている技術については体系的に理解する機会が 十分に得られていない。そこでインターネット発展の基礎となっている基本的な技 術について3回シリーズで解説し,情報技術の急速な発展を理解するためのヒントとする。

 

 

96

らん

と精子はどのようにして作られるか

(TV)

〔担当講師:長濱 嘉孝(自然科学研究機構教授)〕

講義内容 多数の細胞からなる生物も,もとをたどれば卵と精子に行き着く。この生殖細胞 は,生体内の体細胞から如何に形成されるのか。魚類を用いての研究から,生殖細 胞の形成の仕組みを分子のレベルで解明した成果を紹介する。

 

 

97

アフリカを掘る

〜ミッシングリンクの探索〜

(TV)

〔担当講師:石田 英實(京都大学教授)〕

講義内容

ヒトやチンパンジー・ゴリラなどの共通祖先を探る動きは,ここ数年活発化し, アフリカや東南アジアなどで新しい化石が次々に発見されている。

人類化石探究の最前線を講義する。