全体のねらい宇宙に対する見方を体系化した学問である天文学、宇宙論は人類文明の発祥と共に生まれ発達した最も古い学問の1つである。その歴史には現代科学の方法や思考の基礎となっている様々なアイデアがちりばめられている。また近年は宇宙論が他の科学へ影響を及ぼすことも少なくない。本講座ではそれらを時代を追って説明すると共に、現代の天文学・宇宙観にどう連なっているかを見てゆく予定である。
回テーマ内容執筆担当講師名(所属・職名)放送担当講師名(所属・職名)
1古代の宇宙観(1)エジプト・メソポタミア・中国・インド
人類史上において、世界観・宇宙観がどのようにして誕生したかについてまず概観する。ついで、最も古く天文学が発達したエジプト、メソポタミアの天文学について紹介し、中国、インドの古代宇宙観の特質にも触れる。中村士(国立天文台助教授)中村士(国立天文台助教授)
4大文明発生の共通項 8000年前ヒプシサーマルによる湿潤な風が運ばれてきた。(エデンの園)
5000年前この風のながれがかわり、砂漠化が始まり、各地に散らばっていた人々が 川沿いにあつまった。 雨の少ない中、農業が必要になった。夜空も見えるようなった。
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現代の天文学、宇宙論の源は古代ギリシアにある。そしてそれはアレキサンドリアで精密科学としての基本的性格を発展させた。古代ギリシアの自由な学問的伝統の中で、天動説・地動説などさまざまな理論が展開された。それらの理論の特徴を比較し、現代天文学との関係について述べる。同上同上
ギリシアの宇宙観は3分類 ピタゴラス学派、プラトン学派、異端派 アリスタリコス デモクリトス ムセイオン 地球が球体というのは、ギリシャh人はわかっていた、 プラネットは、予測が不可能な星の動きを意味して、「まどう」という意味。だから惑星。 ヒッパルコスは観測主義。
アレクサンドリア:ムセイオン(ミュージアムの語源)
その後アレキサンドリア市はカエサルによりムセイオンが焼き払われ、300年の空白が起こる。AC2ようやく再開
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ルネサンスへギリシア・ローマ世界が没落して後、ヨーロッパの中世ラテン世界ではキリスト教会の権威とアリストテレス思想が世の中を支配し、古代の華々しい天文学の成果は西欧では忘れ去られた。しかし、アラビア・イスラムの人々は古代ギリシア語の文献をアラビア語に翻訳し、ギリシア天文学の伝統を発展・継承させた。この2つの世界を対比させて紹介する。同上同上
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え
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やがてヨーロッパの人々は、優れたアラビア天文学はギリシア科学が元になっていたことを知った。中世アリストテレス思想の呪縛から人々を解き放って、近代科学発展の糸口を示したのがコペルニクスの太陽中心説であり、自転する大地という考え方である。しかしコペルニクス説が皆に受け入れられるまでには半世紀近い年月が必要だった。同上同上
5つの惑星の公転周期と距離を計算して見ると
惑星の大きさの順は軌道の大きさの順に対応していた。 コペルニクスの登場によって、正確に観測できたわけでもないし、簡素化されたわけではない。
序文に、「あくまで便利に計算する数学モデルであって実際に太陽が中心であるひつようはない」と自身で書いてあったからである。これは本人によるものでなく、周辺の人が目をつけられいように、したのであった。 E
A
コペルニクス
コペルニクスが暮らした城砦都市
フロムボルク
クラカウ大学で学問を受ける。若くして教壇に立つ。ギリシャ天文学に不満を持つ。
イタリアで学問をつみ、次にここで司祭となる。その傍らで天文観測などをする。しかしポーランドは、天候が悪く観測なんてできなかった。コペルニクスは観測的にはなんら実績がない。故に頭で考えをこね回すことしかできなかった。しかしおかげで地動説の原型といえる「コンメンタリオルス(概要)」を考えた。
天球の回転について1543年
コペルニクスの原稿
数学者の弟子に進められて出版(日本では鉄砲伝来)
左:地動説・右:天動説
太陽中心説の画期的なところは、各惑星の公転周期が算出できる。地球と太陽の距離から1天文単位をつくり、恒星までの距離を具体的に算出できる。
この式で計算してみたとこと驚くべき秩序が現れた。
年周視差(コペルニクス回答)
年周視差(現代の回答)
太陽中心説を採ったとき問題になるのは視差であった。これへの回答も出していた。
日本に伝わったのは長崎出島
日本には宇宙観そのものがなく、かえってすぐになじんだ。
5精密観測と熟考の成果:
ティコとケプラーティコとケプラーという2人の巨人が協力して明らかにした惑星運動の統一的解明は、近世天文学誕生の出発点となった。改良した観測装置で精密なデータを取得し、それを体系化して法則を見つけるという近代科学の方法論は既に明確に現れている。この過程とティコや観測装置を関連させて見てゆこう。同上同上
ティコの観測所: | ||
スポンサーがでてきた実現できた。印刷場まである。 | 六文儀が中国や日本に伝わり、伊能忠敬もしようした。 |
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ティコ説:コペルニクス体系を否定する。太陽の周りを惑星が回るのはよい。ただし、地球が中心。年周視差がかんそくされなかった。しかし、 これだと惑星がぶつかる。 相対的であるだけでコペルニクス体系と、同じである。
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ティコは1588年スポンサーを失い、観測所を追われる。プラハでケプラーにであう。ケプラーはプロテスタントであっただ、コペルニクス説を大学で教わる。 ケプラーはティコと共同研究をすることとなる 観測記録をもらい、ティコから与えられたテーマが火星であった。エカントを使うがうまくいかない。火星だけに6年もかかるが、火星がちょうど楕円であったため、ケプラーの法則を導き出す。 |
新天文学 | ||
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数学モデルから、太陽からの駆動霊=(引力) 物理学になる。
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火星楕円軌道はあまりに難しく頓挫。 地球軌道に切り替える。 |
次にケプラーは地球の公転速度を求めようとする。これによって第2法則を導かれる。 | 第三法則はずっと後の1619年である・ 第3法則が完成したとき、宇宙の秩序が現れた。もちろん後のニュートンの直接的な要因になる。 ケプラーは思想的には、信者であり、神との関係、音楽との関係などと延々とかいてある。 |
デカルト | 方法序説 | |
デカルトの渦巻宇宙 | ||
エーテルの渦を作った |
望遠鏡の発明と万有引力の法則の発見17世紀に入ると、私達の宇宙像はそれまでに比べ2つの面で大幅に拡大した。1つは望遠鏡の発明で、肉眼で見ることのできなかった遠方の世界を調べることを可能にした。もう1つは、ニュートンによる運動法則及び万有引力の法則の発見である。これによって、宇宙の万物の振舞いは重力の法則で解釈できるという、ニュートン力学的宇宙観が広まった。同上同上
望遠鏡の発明
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地動説を確かめる最も重要な証拠は、星の年周視差を検出することであると考えられた。そして年周視差検出の努力の過程で、天文学者の関心は太陽系を離れて恒星の世界まで拡大してゆき、星は太陽と同じ天体であるとする考えが一般化した。恒星天文学の誕生はまた、望遠鏡、天文時計、天文台建設、写真術の発達とも関係が深い点について述べよう。同上同上
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ニュートン力学の勝利により、年周視差の使用目的が恒星の距離を測る方向に変質する。 ガリレオの提案は、大気差を打ち消すことができる。しかし、観測機械がおいついていなかった。 |
ジャイロの原理:振り子は、船の上にフーコーの振り子をおいた。 光行差:直下する雨の中、とまっていると、かさは上を向けていればいいが、走ると、かさを前にださねばならない。この法則を応用すると、光の速度が計算できる。
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19世紀以降の スペクトル分析:分光 可視光線外の観測:紫外線、赤外線、電波、宇宙線(素粒子) |
8星の世界から銀河の世界へ
20世紀に入って銀河系の大きさやアンドロメダ銀河など他の銀河までの距離が測定できるようになった結果、それまでの考えていた宇宙の広がりが一変した。この状況を当時の時代背景とともに述べる。二間瀬敏史(東北大学大学院教授)二間瀬敏史(東北大学大学院教授)
アンドロメダは銀河の外か?うちか? ハッブルが変光星で、測り93万光年。 銀河の大きさが10万光年なので、外側 |
現代宇宙論の最も重要な観測的な基礎の一つである宇宙膨張の発見と、アインシュタインに一般相対性理論にもとづいてアインシュタインが考えた宇宙のモデルについて述べる。同上同上
え |
宇宙が超高温度、超高密度の状態から爆発的始まったというビッグバン宇宙論の誕生と、それにかかわった科学者たち観測による検証について述べる。同上同上
太陽がなぜ燃えているか、1938年 量子力学ができてはじめてわかった。
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宇宙には暗黒物質、暗黒エネルギーと呼ばれる正体不明の物質やエネルギーが存在する。そしてこれらは宇宙の未来の姿の鍵を握っている。これについての観測的証拠と現在の観測結果について述べる。同上同上
ビッグバンは当初はいろいろ問題があった。なにしろ地球の年齢より若い。
宇宙の年齢は、聖書の登場人物を全部足すと7000年
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星の光がなくても宇宙は光で満ちている。この光は宇宙の初期から存在していて宇宙背景輻射と呼ばれる。この宇宙背景輻射は宇宙の歴史を解明する鍵である。この観測と銀河、銀河の集団である銀河団などの構造の形成について述べる。同上同上
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宇宙背景輻射の存在は宇宙初期について様々のことを教えてくれる。とくに初期宇宙では一見無関係に見える宇宙とミクロな物理学である素粒子物理学との関係が重要になる。これについて述べる。同上同上
宇宙は、光にみちている。我々の眼には見えないだけである。(マイクロ波) 素粒子には2種類ある。役割は、
物質を構成しているのが、フェルミオンの間を力がやりとりする 力をやり取りしてるがボソン
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あらゆる粒子に反粒子がある。ただし反物質は、自然には存在しない。(ただし作れる)クオークとクオークをぶつけると光ができる 光と光がぶつかると 対で粒子と反粒子ができる。粒子と反粒子がぶつかると光を放出して消える。 ほんの少し粒子が多かった。10億+1と10億がぶつかり、、消しあい、残が粒子が1だけのこる。これが今の世界。 どこでバランスが崩れたのかは、まったくの謎である。 対象性の破れからこの世は生まれた。 |
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宇宙膨張と宇宙背景輻射の存在は宇宙の初めが特異な状態であったことを意味する。この状態では現在の物理学の破綻する。この破綻を救う新たな物理学は時間、空間、物質の創造をも記述できると考えられている。これについて述べる。同上同上
ブレーン宇宙(膜宇宙):10次元空間に3次元島宇宙空間が浮かんでいる。 M理論:11次元
=時間1次元+空間10次元(これでも。起源は説明するのは難しい。 11次元そのものはどうしてできた?永遠か?
重力が強いと光の束が曲がる。外側より中側が遅い。
落下している人にとっては、早く落ちるが、外の人にはゆっくりしか届かない。時間が止まって見える。
特異点はブラックホールにもある。
幕にボールをおいたような歪み。この底にある。そういうものが宇宙にたくさんあると困る。特異点
=ブラックボールが事象の地平線で覆われているので、我々にはなにも問題がない。覆われていない「裸の特異点」がでてきてはこまる。宇宙の検閲官仮説:ペンローズが「裸の特異点」がでてこない法則を立てた。
(事象の地平面に囲まれた特異点がブラックホール)
白鳥座X1の2重連星動きを見ると片割れの質量が計算できる。しかし、見えない。→ここにブラックホールがあると導き出される。
不確定性関係
1年が365日だとかは人間の都合の単位。自然そのものの単位がある。
超ヒモ理論:素粒子は、共通のヒモの振動によって、違うものに見えるだけ。問題は超ヒモ理論が存在できりるのは、10次元。
物質とエネルギーを一つの枠組みで説明できる。
隠れた次元:マカロニは遠くから見ると線であり1次元がが、開くと2次元
15宇宙と時間
時間は未来にしか進まない。この常識は一見何の関係もない宇宙の膨張と実は深い関係にある。これについて延べる。タイムマシンの研究についても述べる。同上同上
エントロピー:ものは必ず乱雑になる。エントロピーが低い方が過去、高いほうが未来。 では本当に時間は過去から未来にしか流れないか?物理学は時間の反転に対して対称にできている。
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