エントロピーの法則だけに従えば、世界は停止しつつある。なぜこの宇宙には秩序や構造があるのか?その創造はなぜなされるのか?少なくとも生物学的な世界はますます成長しより組織化されつつあるではないか!どこかおかしい……

 こうした疑問を持ち続けた化学者がいた。イリヤ・プリゴジンである。物理学と生物学を一つの枠組みにいれた雄大な理論が作られた。この理論によれば無機物から生命が生成されるのは、偶然ではなく、自己組織化による必然なのだという。私たちの誕生秘話が明かされた。