そもそも科学のリードによって行き着く先は、ありのままの世界であって、世界はこうあってほしいという願望ではないんだ。その応用技術で我々の生活レベルをあげることはできるかもしれないが、真に心を満たしてくれるものとも限らない。

洋の東西に関わらず終末論はある。

 古くは、ユダヤ教、キリスト教があり、現代では核の脅威、人口爆発、環境破壊といった形態で、我々の心にイメージが届けられる。

 人はいつの時代にも心に巣を作り、その影におびえ、その影が取り払われたときに、おおきな安堵を覚える。

科学は魂を救済してくれるか?

まず科学は天国も地獄もないと目をさまさせてくれた。

つぎ科学はわれわれがどこからきたかを明らかにし、人と自然を一体化した。それにより死を自然に帰すこととして受け入れさせた。

 この橋渡しをするのが科学などの「知」なのです。

したがって、魂の救済は宗教にしかできないのではなく、すぐれた科学にも可能なのだという結論が導き出されるのです。