哲学、宗教、文学、芸術、そして科学など、我々の全ての知的創造行為は「我々は何処から来て、何処へ行くのか」という疑問への探求ではないだろうか?
残念ながら我々は、こうした究極の問いに最終的な回答をだせる知的レベルに未だ至っていない。
 この探求に必要なのは、あらゆる分野の、それぞれの知を一つ一つ検証し、次にそれぞれ検証された知のパーツを結集し統合化を図ることだろう。
しかし、知のパーツは未完成であり、統合化への手法はその存在すら疑問というレベルにある。それ故、究極の理論を組み上げるのは、二重の意味で不可能な状態にあるといえるだろう。
 今の我々に可能なのは、それぞれの理論を比較し、矛盾を探し、その根本的な問題は何なのか、なぜそれが問題なのか、どこが難しいのか、なにが欠けているのか、何処までが解かっているのかを問い、それぞれの理論にフィードバックさせていくことぐらいだろう。
 いつかその螺旋のプロセスから究極のシステムが見い出され、そこから得られる配当が、それ以前のどの理解から得られるものより遙かに上回ることを望みながら・・・。HOME