*シュレディンガー1887〜1961


シュレディンガーは狭い知識に閉じこめられることは無かった。
 1927年に波動方程式で量子力学を打ち立てたのち、1944年には「生命とは何か」は分子生物学を切り開いた。物理学、生命科学で最高峰の結果を残し、さらに1958年には心の領域の著書である「精神と物質」を著した。
 シュレディンガーのように偏らない底辺の広い知識をもつ人物こそ知の巨人と呼ぶのだろう。
なぜこれほどの人物たりえたのだろうか?1つ極め、次にまた1つと広げていったのであろうか?
答えは否である。シュレディンガーは最初から広い分野に興味をもっていたのである。
波動力学を創設した同じ時期にに、「道を求めて」という本を執筆をしているが、若いころから彼の頭の中に合ったのは哲学であったことが分かる。
その中で「どのような物質的活動が意識と結びついているのか」ということを問うているが、これに答えを出為に、まず物理を研究し、次に生物を研究したにすぎなかったのかもしれない。順番は逆であった可能性もあったわけだ。
 
シュレディンガーのように1つの分野にとどまらない知の巨人は、少なくない。
例えば、ゲルマンは大学では考古学か言語学を専攻しようとしていたのを両親に止められて、素粒子物理を選んだにすぎない。他にも生物学、コンピューターなど全てに興味があり、後にサンタフェを設立することになる。
プリゴジンは心理学に興味があったという、クリックは「DNAに魂はあるか」を著し、ジョセフソンは神秘に走った。
 
彼らに共通するのは、偏った専門家が、後に総合的知の巨人に成長したのではない。
誰もが、元々広い興味をもっていたのである。
 
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