*心理学

そして心の探求には文学や哲学、宗教など非常に多くの資産がのこされている。
心理学はそのなかでもっとも慎重かつ全包括的なアプローチになる。心理学には歴史と共に多くの学派に別れ、それぞれに独自の理論体系があるが、主要な心理学は下記の3段階(精神分析、行動主義心理学、人間学的心理学)を経て発展してきている。

精神分析:フロイト

精神的病理を対称とし、人間を生物機械とみなしていた。人間の真の欲求は、無意識にあるとし、それゆえ決して心の底から満足できないとする。
フロイト自身も無意識の欲求がなにであるかを二転三転させた
最初は性と生存の欲求、次に愛と攻撃性とみなし、最後に生と死であると述べた。

以下欲求の深層の解釈について学派が別れた。
ランク:強い建設的な意志を求める欲求。
アドラー:権力の探求。
フィレンティ:愛と受容を求める欲求
ホーニィ:安全を求める欲求。
サリバン:生物学的満足と安全。
フロム:意味付けを求める欲求。
パールズ:成長と成熟の欲求。
ロジャース:自己保存とその強化。
グラッサー:愛と自己の価値。
フロイトはニュートン・デカルトパラダイムの上に築かれた心理学であり、
例挙すると、
ニュートンの作用反作用の運動理論そのままに衝動と防衛の理論を構成し、
心の深層とか潜在などを空間的なものとあらわし、
また、無意識の中の本能と抑制機構の闘争関係はダーウィニズムの発想下にあった。
このように、フロイトの心理学は機械論的決定論であり拡張、位置、運動によって特定されるとしたものにすぎない。

アルフレッド・アドラー

個人心理学の提唱者:フロイトの弟子であったが、フロイトの性欲の支配的役割を否定し、現実のあるいは想像上の劣等感と子供の頃の無力さが劣等意識となりこれを補おうとすることが欲求の本質とした。この欲求は未来の目標を実現しようとするもので、それがうまく行かないと神経症になるとした。フロイトの過去の心的外傷論(トラウマ)とは対象的である。精神病の病根を社会にも認め、男と女の役割の生物学的要因より社会的要因が強いとし女性解放運動の基礎を提示した。
なかでも一番重要なのは「創造的自己」論で、実存主義の立場から運命論を廃した。

ウィルヘルム・ライヒ:

おなじくフロイトの弟子から出発したが、精神障害が身体に現れる事に注目し、精神と身体を相互に連動しているものとし、逆に身体から精神を治療するアプローチをとった。身体と心を2元論的に分離する前の一元的なものとして「生体エネルギー」の仮説を提示した。これは中国の「気」と相似している。
さらに彼は「オルゴン・エネルギー」の仮説を提示し、19世紀のエーテルのような大気中に偏在するエネルギーからの治療を指向した。これが学会に物議をかもし、糾弾され、迫害され、孤独のうちに非業の最後をとげることとなる。このようなエネルギーの観測はいまだ認められないが、ライヒに思考様式は今日のシステム思考、プロセス思考と完全に一致している。

オットー・ランク:

無意識を強い建設的な意志と欲求とみなす

カール・ユング

フロイトの弟子であるが、生物機械論を脱し全体としての魂や、環境と魂の環境の関係

行動主義心理学:ワトソン、スキナー

1913年人間の精神の基本的欲求の反応行動に着目。人間を機械論的に分析
無意識の存在を認めなかった。

実存的・人間学的心理学アブラハム・マズロー

マズロー以前は、「人間は低次元の本能に支配されている」という見なしかたをしていた。
マズローはこれを激しく批判し、最悪の面のみの観測による結論は人間の本性に関して歪んだ結論しか出せないとした。
自己実現を対称とし、人間の健康的側面や高次の欲求に着目。人間の潜在的可能性を探る。

トランスパーソナル心理学アブラハム・マズロー 197F年〜

自己実現の到達時に味わえる至高体験は自然発生であり、特定の手法で体験できないとしていた。
これを能動的に引き出す事ができる方法の開発を指向。
至高体験時にしばしば個人の記憶を超えた意識が呼び起こされる時がある。こうした個人の意識を超えた意識の領域が存在するのではないかという仮説に基いて、宗教上の修行などをシステム的に研究したもの。
又この至高体験は、LSDなどのドラッグによる状態と、東洋的精神修行におけるヨーガや瞑想などの境地を同質の意識体験であることを確かめた。

意識のスペクトル論:ウィルパー1977年

プロセス指向心理学:アーノルド・ミンデル

ユング派のアーノルド・ミンデールによって開発されたセラピーにより能動的にトランス・パーソナルの状態に至る手法。
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