だが、1937年 ヒンデンブルグが炎上した。僕は空から見ていた…

 

この事故が決定的となり、硬質飛行船は建造されなくなり、飛行機全盛の時代がやってきた。

パイロットは、みんな、クレージーな奴らばかりさ。

かく言うこれが、僕。翼の上での逆立ちだってへっちゃらさ。

 

 

 

郵便飛行というのは、ほとんどが夜間飛行だ。

その日の手紙を翌日に届ける。それが、僕らの誇りだ。

シモーヌ:「行くの?」

彼女は管制室の通信技師、パイロットの安全は彼女にかかっている。

ファビアン:「ああ、月があるかぎりな。このアルカディア号にとって空は湖面みたいにツルツルさ。」

レーダーのない当時は月だけが唯一の手がかりだった。

シモーヌ「戻りは?」

ファビアン「4日後だな」

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