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1 生命の勝敗

 生命の勝敗はどこに基準をおいていいかわからない。「高度に進化したものが、勝者だ」といういささか傲慢な答えする人もいるだろう。「生存しつづけることが唯一の証」という答えを出す人も中にはいるだろう。

 しかし、シロナガスクジラが捕鯨により絶滅するとき、彼らを進化上の失敗作としていいのだろうか?  

 進化の過程を振り返ると、不思議な現象が浮かび上がってくる。 敗者こそが進化の重要な鍵を握っているのだ。

 水面下の激烈な競争にたまりかねたシーラカンスの仲間が死にものぐるいで陸に上った頃から、このパターンは変わらない。

 人類は森から落ちこぼれた猿がサバンナに移り、さらに猛獣に追われて海に逃げ込んだ猿の末裔だ。

2 偶然のパターン

 近ごろは一角獣というものをとんと見なくなった。 中世美術にたびたび登場していたところを見ると、彼らも昔はごくありふれた存在だったようだ。 しかし最後に彼らを見かけたという風聞を耳にしたのは、いったいいつのことだったろう?ユニコーンもついに絶滅したのだろうか?それとも、彼らが見られなくなったのは、その習性がなんなかの理由で一変したためだろうか?

3 意識のルーツ

4 群れの正体

その鳥の群れが空を横切ると、日食で陽がかげったかと思われるほどの大群をなした。なにしろ1時間あたり3億匹という塊が、3日も4日の頭上を通りすぎるのだ。このリョコウバトの数は一説では200億匹とも400億匹ともいわれたが、この空前絶後を野生動物の壮大な眺めは、「最大級の虐殺」をもって歓迎され、わずか100年後に絶滅した。  群れていたが故に一網打尽にされたのだ。残ったハトは群れがない故に滅んのだ。

 海の中をみても同じだ。小魚はよく群れる。  

 最近では、見かけなくなったが、昔はVの字に編隊を組んで飛んでる鳥をよく見た。あの形で飛んでいるとお互いの羽の先からでる上昇気流を利用して単独で飛ぶより倍近く楽に飛ぶことができる。

 小魚もお互いに水流をうまく利用している。 しかし、何故群れるのか?

5 気がかりなこと

今日の子どもが彼らの祖父母より早熟で、学習の速度も早いように見えるのは錯覚ではない。最近の情報の氾濫や教育の影響を差し引いても確実に学習速度は進歩してる。

 ラットに二つの橋を選ばせ一方の橋に餌をおいておくと、いずれは学習して餌のある橋をすぐに選択できるようになる。しかしこれを学習するのに1世代目より、2世代目のほうが早く覚える。3代目はさらに早く覚える。つまり「累積記憶」ともいえるものがある。

6 ドラゴン夢幻

 脳は右脳左脳の2つに分けられるが、3層にも分けられる。 卵の殻の部分に相当する、「新皮質」で霊長類的に考え、白身に相当する部分で 鳥や、原始哺乳類的に考え、最も中心の脊髄の膨らんだような部分は虫類的に考えている。

8 生命電流

水の奇跡

 水にはほかの物質にない特性がある。

 まず液体より固体の方が軽いことだけで普通の物体の特徴とひっくり返っている。もし氷が通常の物質の同じに水のそこに沈んだらどうなるだろう?年々水のそこから氷がたまって、すべての海すら氷の塊になってしまう。当然そんなところに生物は生まれなかった。氷はそれどころか、湖や、池の表面に浮かんで保温の役割すら果たしているのだ。

 沸点についても通常の分子量にあてはめれば、零下一〇〇度で凍り、零下九〇度で沸騰するはずだ。我々の体温で沸騰してしまい、地上はどこもかしこも水煙がただ立ちこめる世界となる。

 水の分子結合は比類なく強い、あまりに多くの水素結合をしているため、コップ一杯の水は一つの巨大な分子のようなものである。この結合の強さは、水同士では表面張力のなってあらわれるが、他の物質とも結合しようとする。例えばコップに水が半分のときにはそのガラスの縁を少しはい上るのも、ガラスと結合しようとしているからである。この作用があってこそ僕らの血管は体中にしみわたるのだ。水がもっともリラックスした温度が、哺乳類の体温とぴったり符合する三五度から四〇度の間であることも、水の特徴が生命を育んだことを証明する。  

 また水は並々ならぬエネルギーの塊でもある。ほかのどんな物質よも多量の熱量を吸収し発散する。たった一リットルの水にも、60ワットの電球を一〇〇時間も点灯させておくだけのエネルギーを蓄電できる。いまでも宇宙船の長期発電機の燃料として使われている。水のエネルギーは液体から固体に変化するときその一部が放出される。寒い夜に温室の中に、水を満たした桶をおいておくと、水か凍るときに発散するエネルギーで、温室の中は外よりも暖かくたもたれる。同じように、気体から液体−−水蒸気から水−−になるときもエネルギーを放出する。水蒸気の塊である雲が雨を降らすとき吹く風や雷は時には原子爆弾にも匹敵するエネルギーを放出する。  

 水は時間さえかければ最も強固な金属さえも溶かすほど苛烈であるが、同時にあまねく生命を支える寛大さを持っている。この霊妙なるものをもっと深く理解したいものだ。

11 利き手の生物学

 「あらゆる作用には、それと同等ながら反対向きの反作用がある」こう指摘したのは、かのニュートンだ。ごく一般的にいって彼の指摘は正しい。

 確かに二元性は、宇宙を貫く法則ではあるようだ。光と影、陰と陽、男と女、この双方によって世界は特徴づけられているようだ。この考えがよく整理されてるのが中国の陰陽五行説だ。  我々の体も基本的に左右対称だ。しかし、見た目の左右対称はあくまで表面的なもので、機能的にはだいぶ片寄りがある。なにしろ、僕らの80%〜94%までが圧倒的に右利きなのだ。(民族を越えて )

 これは動物界では人間だけである。  石器時代の道具や絵を見るとなんの片寄りもない。(右利きの人が顔を描くと左向きの顔になるからすぐわかる)また、ブッシュマンやアボリジニーなど現代に生きる古代人の多くは両手効きである。  利き手は、どうやら農機具から影響を受けた、比較的新しい人類の癖らしい。 最初の一本の工具が右効きようにつくられたため、そこからつくられるカマは右効き用となり、そのカマを使った人は、また右効き用の道具を作る。この繰り返しで右利き文化圏が広がったようだ。

 現代は完全に右利き社会で、駅の自動改札など、左効きの人にはちっとも便利ではないだろう。ハサミやギター、野球のグローブは左利き用を買い求めるのも困難だし、コンピューター、ドアのノブ、電話のコードの位置、にいたるまで日常生活でのストレスは耐えない。心臓に負担をかけることもあるかもしれないが、左利きのひとは、短命である。

 しかし、左利きには、右利きと違う才能がある。とくに音楽においては顕著にあわわれる。僕の友人でポールマッカートニーに憧れ、右利きにも関わらず左利きに矯正した奴がいるが、いまでは後悔してそうだ。

 世のおかあさんたちが自分の子どもを右利きによく矯正するが、あれは絶対止めた方がいい。才能が壊れるし、時には言語障害や、癲癇もちとなる可能性が一二倍も高い。

 ヨーロッパでは、日本より、完全は右手偏重主義で、なにがなんでもなおさせる。右手は正しく、左手は悪魔の手なのだ。キリスト教の祝福は右手で行われるし、協会の回りを時計と反対に回ってはいけない。ローマ法王は右利きが条件だし、悪魔の絵の描くときは決まって左利きだ。だから、切り裂きジャックやビリーザキッドなど悪党は概して左利きで登場する。(ジェイソンはどうだっかかな?)

 

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