奇跡の起こし方
尾崎 真奈美(トランスパーソナル心理学会常任理事)
ケン・ウィルバーの入門書
第1章 みんなつながっているんだよ。
「いじめをすると、その人が下のほうに落ち込んでいく、それを見ると、それに比べてまるで、自分上にいるように錯覚する」
ある戦闘機パイロットの話を思いだしました。
パイロット「相手を撃墜するのは楽しい」
質問者「殺すのが楽しいの?」
パイロット「今自分が生きられたのが楽しいんだ」
子供たちのイジメは、生存本能したがうものなのかもしれません。
ウィルバーの4象限の解説は分かりやすい。★
「三流科学者」と「一流科学者」の区別には▲
第2章 みんな正しいんだよ
「科学と芸術にはそれぞれ得意分野があって、どちらか一方で、どちらかのことを全部説明しようろすると無理があるし、ばかげている」
‐これは大事な部分なのですが、第一章では量子力学をスピリチュアルの根拠として味方につけていたが、今度は根拠にするなという。
つまり第一章と真逆の主張をしている。
矛盾を感じた。その答えは、第3章にあるのかな?と読書継続。
第3章 そしてあなたが幸せを作っている
一章と二章で感じた矛盾はこの第三章で大団円を迎えます。
宗教を科学を統合しようと5つのアプローチがあったが、ことごとく失敗した。のウィルバーの話は★
1:科学によって宗教を説明する方法。
2:宗教で科学を説明する方法。
3:宗教と科学の共存、多元主義。やはり科学者側から納得が得られない。
4:経験科学の導入。やはり科学側の域から語るものである。
5:科学は知の一つの様式にすぎなく、詩や芸術の妥当性と同じレベルとするポストモダニズムには、「ニヒリズムとナルシシズム」しか生まないと批判。
解決策にウィルバーの「拡張された経験主義」がかたられます。
「科学は、経験にもとづいた実証データーを根拠としてアプローチしていますが、その方法を宗教、あるいは霊的体験にも応用するという方法です」
「本物の霊性スピリチュアリティーは、直接的な体験に基づいた、黙想の目でみられたデータによる反証可能なもの」
さて、<黙想の目>で見られたものは<データー>となるのか?
この疑問に対して3章−3で語っています。
「非局在的意識」を挙げています。そしてまた量子論の語ります。
目に見える証拠で今は提示できないが、いずれできるだろうとの希望的観測を述べるに留まりますが、この本はあくまで、入門。
その先を知りたくてウィルバーを読もうと思いました。