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「人工知能は人間の知性を超える」――ホーキング博士,コンピュータの未来を語る

 

スティーブン・ホーキング博士が雑誌のインタビューで,「コンピュータはいずれ人類の知性を超え,人類がそれに対抗するには遺伝子操作が必要だ」と語った。

「ホーキング,宇宙を語る」で有名な英国の科学者,スティーブン・ホーキング博士が「人工知能(AI)は飛躍的に進化しており,人類がこれに対抗するには遺伝子操作が必要だ」と語った。

 9月1日に発行されたドイツの雑誌「Focus」に掲載されたインタビューで,ホーキング博士はコンピュータ技術がますます高度になっており,将来的には人類の知性を超えるだろうと語っている。同氏は遺伝子改造が,DNA構造をより複雑にし,人類を「改良」できると認めている。

 「われわれ人類の知性とは対照的に,コンピュータの性能は18カ月おきに2倍になっている。コンピュータが知性を持ち,世界を支配するという危険は現実のものとなっている」(ホーキング博士)

 同氏は,「人類を電子システムより優れた存在にしておきたいのなら,われわれは遺伝子操作の道を進むべきだ」と述べている。

 同氏は昨年,遺伝子工学により,より大きな脳と高い知能を持った超人類を作り出せるようになるだろうと語っていた。同氏は今回のインタビューで,人間の脳をコンピュータにつなぎ,「人工脳によって人間の知性を高める」ことができる技術の必要性を唱えている。

 59歳を迎えた同氏は,筋萎縮性側索硬化症――「ルー・ゲーリッグ病」とも呼ばれる,運動ニューロンの疾患――を患っており,車いすの生活を余儀なくされている。同氏はかつてアイザック・ニュートン博士も務めていたケンブリッジ大学の学部長を務めている。

 このような未来を予測している高名な科学者はホーキング博士だけではない。Sun Microsystemsの創設者の1人で,主任研究者であるBill Joy氏も,2000年3月に,同氏が発展に寄与したコンピュータ技術の潜在的な危険性について述べている(2000年3月の記事参照)。

 雑誌「Wired」の記事で,Joy氏は遺伝子工学とコンピュータ技術が一点に収束することにより,人類と生態系が脅かされると警告している。

 同氏によると,現在の分子電子工学の進歩により,2030年末までに「われわれは今の数百万倍強力なパーソナルコンピュータを大量に製造できるようになり」,そうしたコンピュータは人間レベルの知性を備えるという。

 「約30年以内に人間並みの知性を持ったコンピュータが実現するということを考え,ふと思ったことがある。私が今取り組んでいるツールは,将来人類に取って代わるような技術を生み出すものかもしれない。このことをどう受け取ればいいのだろう? 非常に不快だ」(Joy氏)

 今月,英国ではスティーブン・スピルバーグ監督の映画「A.I.」が封切られる。このSF映画の作者は故スタンリー・キューブリック監督で,同氏はこの作品の完成を待たずに亡くなった。この映画の舞台は21世紀半ば。自我を持ったコンピュータが温室効果による自然災害から世界を救う物語だ。

 


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